馬英九総統が「抗日戦争勝利７０周年記念―名家フォーラム」に出席

　馬英九総統は６月３日、台湾大学医院国際会議センターで開催された「抗日戦争勝利７０周年記念―名家フォーラム」に出席し、抗日戦争の歴史的意義について説明したほか、第二次世界大戦終戦７０周年にあたり、平和と繁栄の尊さを強調した。

　馬総統は、オックスフォード大学のラナ・ミッター（Rana Mitter）教授の著書『忘れられた盟友』の中から引用し、中華民国の政府と国民が奮闘して勇敢に戦い、最後には強敵に勝利し、中華民国の第二次世界大戦において鍵となる貢献を果たしたことを説明した。

　馬総統は、当時の米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が、第二次世界大戦の勝負の鍵となったのは蒋介石・元総統が中華民国の対日作戦の指揮し、決して投降しなかったことにより、日本とドイツが合流してアジアと欧州の戦場が一本の線となることが避けられたと指摘したことからも、中華民国が第二次世界大戦で連合国の勝利に大きな貢献を果たしたことを十分に説明しているとの認識を示した。

　また、馬総統は、抗日戦争勝利７０周年を記念するため、政府による史料特別展、国防戦力の展示、学術シンポジウム、コンサートなどのイベントを実施するほか、抗日戦争に参加した兵士らに記念の勲章を贈り、当時、国を守った勇気と貢献を表彰する考えを示した。

　さらに馬総統は、南京大虐殺の際に南京に国際安全区を開設して２０数万人の人々を日本軍の攻撃および殺害から保護したドイツ商人のジョン・ラーベ（John Rabe）の孫であるトーマス・ラーベ（Thomas Rabe）教授、１９４２年に東京を空襲したジミー・ドーリットル将軍の遺族、「フライング・タイガース」のクレア・リー・シェンノート将軍の外孫であるネル・キャロウェイ（Nell Calloway）さん、「南京大虐殺の米国人女神」と呼ばれる「金陵女子学院」のミニー・ヴォートリン（Minnie Vautrin）代理院長の子孫ら、抗日戦争の時期における重要な外国人の子孫らを台湾に招き、記念活動の中で抗日戦争に協力してくれたことに対する貢献に感謝の意を表する考えを表明した。

　馬総統は、「歴史の過ちを許すことはできるが、歴史の教訓は忘れてはならない」と強調し、これらの記念活動を通して、若い世代に抗日戦争の時代の先人の歴史を伝え、歴史の教訓を汲み取り、世界平和を共に守っていくことを呼びかけた。

【総統府　２０１５年６月３日】