外交部、台湾の国連参加を具体的行動で支持した諸外国に感謝
第79回国連総会の一般討論演説が9月30日に終了した。中華民国台湾と外交関係を持つ国々や近い理念を持つ国、それに各国の友人らが、国連総会の内外においてさまざまな手法で台湾の国連参加を支持し、中国による国連総会第2758号決議(いわゆる「アルバニア決議」)の悪意ある曲解に反論してくれた。外交部は10月4日に発表したニュースリリースを通して「心から感謝する」とコメントした。詳細は以下のとおり。
国連総会での発言
中華民国台湾と正式な外交関係を持つパラグアイ、マーシャル諸島、パラオ、セントビンセント及びグレナディーン諸島、エスワティニ王国、ツバル、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、ベリーズの政府高官は国連総会の一般討論演説や「未来サミット」などで相次いで台湾のために発言した。そのうちマーシャル諸島、パラオ、ツバル、セントルシアの代表は、国連総会第2758号決議は台湾の国連システムへの参加を排除していないと明確に指摘。米国のバイデン大統領も、米国は台湾海峡の平和と安定の維持に尽力すると明言した。これは2022年以来、2年ぶり2度目のこととなった。オーストラリアの代表は一般討論演説で初めて台湾海峡について言及。ペニー・ウォン外相は「台湾海峡の平和と安定を維持するよう、今後も中国への申し入れを継続していく」と述べた。
国連総会一般討論演説前の動き
国連総会の一般討論演説以前では、米国のキャンベル国務副長官が米連邦議会下院外交委員会の公聴会で、国連総会第2758号決議がすでに、中国が台湾の地域に圧力をかけるための外交の道具に成り下がっていると批判した。オランダのカスパー・フェルドカンプ外相は国会答弁で、同決議は台湾と無関係であると公言した。G7(主要7カ国)外相及び欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は国連総会に合わせて会合を開くとともに、議長声明を発表して台湾海峡の平和と安定が国際社会全体の安全と繁栄にとって不可欠であることを再確認すると同時に、「台湾の国際機関への意味ある参加を支持する」と表明した。日米豪印4カ国による戦略対話「QUAD(クアッド)」や欧米第7回「中国問題を議論するハイレベル対話」、それに米日首脳会談、米英戦略対話、日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)、韓国ニュージーランド首脳会談、リトアニア米国戦略対話などの合同声明でも、軒並み台湾海峡の平和と安定を重視する姿勢が示された。
立法府の動き
各国の立法府の動きを見ると、「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」が7月30日に台湾特別議会年次総会を開き、各国の議会が中国による国連総会第2758号決議曲解に反発するために作成する決議の範例を採択した。その後、オーストラリア上院、オランダ下院、グアテマラ国会などが次々とこの範例を参考に台湾に友好的な決議を採択。イタリア下院外交委員会も台湾の国際組織への参加を支持する決議を採択するなど、台湾に対する揺るぎない支持を示した。
国連総会に合わせて開かれたイベント
国連総会に合わせて開かれたイベントとしては、頼清徳総統が初めて米ニューヨークの非営利団体コンコルディアの招待を受けて、今年のコンコルディア・サミットで録画配信によるスピーチを行った。頼総統は、国連総会のために集まった各国の関係者に対して、台湾がアジア太平洋地域の平和と安定を守るために尽力することを約束し、国際社会に対して台湾の国際組織への参加に理解を求めた。コンコルディア・サミットでは台北駐米経済文化代表処(駐米中華民国大使館に相当)の俞大㵢代表が、米国のキース・クラック元国務次官と台湾海峡の平和と安全や台湾の国連加盟について対談を行った。このほか、台湾、米国、豪州、カナダが国連総会に合わせて米ニューヨークでグローバル協力訓練枠組み(GCTF)のワークショップを開催して、国際社会に貢献するという台湾の強い決意をアピールした。
台湾の立法院の動き
今年は台湾の立法院(国会)からも与野党議員から成る視察団が組織され、与党
民進党の張雅琳立法委員(国会議員)、野党・国民党の呉宗憲立法委員、野党・台湾民衆党の呉春城立法委員が国連総会に合わせて米ニューヨークを訪れて関連のイベントに参加。国連システムへの参加を望む台湾の人々の強い意欲を伝えた。
外交部のプロモーション
外交部は海外向けの広報やソーシャル・メディアを活用し、国連加盟を求める台湾の訴求を世界各地に伝えた。外交部の林佳龍部長(外相)、在外公館及びその代表名義の寄稿は、米国『Diplomat』、『The Hill』、『The Washington Times』、『National Review』、『The New York Sun』、欧州連合(EU)『Modern Diplomacy』、『European Business Review』、カナダ『The National Post』、フランス『La Figaro』、スウェーデン『Norrbottens-Kuriren』、スペイン『La Razón』、オランダ『De Telegraaf』、『Nederlands Dagblad』、ギリシャ『Euractiv』、ポーランド『Rzeczpospolita』、イタリア『La Verità』、『Le Formiche』、日本『産経新聞』、韓国『朝鮮日報』、フィリピン『The Philippine Star』、インド『Hindustan Times』、『The Tribune』、イスラエル『The Jerusalem Post』、ペルー『La Razón』、エスワティニ『Eswatini Observer』、パラグアイ『La Nación』、ブラジル『O Tempo』、ハンガリー『Jelen』、タイ『Daily News』など各国の主流の媒体で延べ455本掲載された。また、外交部が制作したプロモーション動画『IC You』の全世界での再生回数は、国連参加を求めるプロモーション動画としては歴代最高の2,540万回を超えた。外交部及び在外公館のフェイスブック、X(旧ツイッター)、インスタグラム、Threadsなどのソーシャル・メディアは合計2,922件の関連の投稿を行い、そのインプレッション/リーチは総計4,837.8万を超えた。こちらも例年を上回る反響だった。台湾は今年、米ニューヨークのランドマークであるタイムズスクエアで「UNited—Global Peace with Taiwan」と題する屋外広告を出した。半導体の回路図と台湾のSDGs実現への貢献と成果などの要素を結び付けたアニメーション動画で、台湾の半導体分野における実力をアピールするとともに、国際社会における責任ある一員としてのイメージを強調し、国際組織への参加を願う台湾への理解と支持を国際社会に求めた。
★★★★★
国連総会第2758号決議は台湾に言及していないばかりか、台湾とは無関係のものである。ましてやこれを、国連システムやその他の国際組織から台湾を排除するための根拠とすることは不可能である。台湾は国際社会に貢献するための決意、意欲、そして能力を兼ね備えている。その台湾をこれからも多国間の努力から排除することは、全人類にとっての損失であり、ひいてはSDGsの達成にも不利なことである。外交部は、国連が中国の圧力に屈することなく、台湾の完全な形式での参与を迅速に認め、「誰ひとり取り残さない」という国連の趣旨と原則に立ち戻るよう再度呼びかけたい。
Taiwan Today:2024年10月7日
写真提供:外交部
第79回国連総会の一般討論演説が9月30日に終了した。外交部は、国連総会の内外においてさまざまな手法で台湾の国連参加を支持し、中国による国連総会第2758号決議(いわゆる「アルバニア決議」)の悪意ある曲解に反論した諸外国に「心から感謝する」とコメントした。