烏山頭水庫を訪ねる
台南県にある烏山頭水庫(ダム)は台湾南部の大平原を沃野に変えたことで知られています。竣工時は日本最大のもので、その規模は愛知用水の2倍と言われていました。水路の総延長は1万6千キロに及び、潅漑面積は15万ヘクタールと言われています。このダムを設計したのは石川県出身の八田與一技師。現在は周囲一帯が景勝地として整備されており、多くの行楽客で賑わっています。ここは台南県の六甲郷と官田郷の境にあり、俯瞰すると水域が複雑に曲がりくねっており、まるで珊瑚のように見えます。これにちなんで「珊瑚潭」という名でも呼ばれるようになりました。ゲートから右手のほうに進んでいくと、八田技師紀念室があります。ここは小さいながらも充実した展示物があり、日本語のビデオも用意されています。裏手には放水口がありますが、機械室で稼働しているモーターは戦前のものが今もなお、現役です。