太平洋に面した古刹―大里天公廟
台湾の東北部、宜蘭県大里にある天公廟はいつ訪れても参拝客が絶えない名刹です。別名は慶雲宮。蘭陽地方第一の古刹でもあり、創建以来、いつも人々のよりどころとなってきました。背後には緑溢れる草嶺の山並みを従え、正面には青々とした大海原が広がっています。その洋上には亀山島も見えます。この景観は境内からも楽しめ、行楽客の姿も目にします。廟の入口には屋台が出ており、シラス入りのとろみスープや石花凍(寒天ゼリー)など、当地の名産を用いた小さなグルメを楽しめます。廟の主殿には福州から運び込まれたという玉皇大帝の神体が祀られ、副祭神には天上聖母・媽祖が祀られています。毎年旧正月の9日目に祭典が行なわれ、遠くからも参拝客が訪れます。目の前には往来の激しい道路が走っていますが、バスや鉄道も利用でき、気軽に訪れることができる名刹です。