新竹で守られる日本統治時代の木造家屋~辛志平校長故居
台湾北西部に位置する新竹市。ここに市民によって守られた日本統治時代の木造家屋があります。市街地の中心部、東門街にたたずむこの家屋は戦前に建てられた木造平屋作りで、戦後は新竹高級中学(高等学校)の初代校長である辛志平氏の邸宅となっていました。辛校長は誠実な人柄で多くの人々に慕われていたと言われます。校長の死後、この家屋は長らく廃墟のような状態になっており、何度も取り壊しが議論されましたが、新竹の歴史を示すものとして市民から熱心な保存運動が起きます。そして、新竹市が管理する史跡として扱われるようになりました。建物は大正期の官舎によく見られた和洋折衷様式で、畳敷きの和室のほか、板敷きの洋間もあります。家屋の裏手には庭園もあり、その奥には多目的スペースが設けられています。ここはギャラリーをはじめとする展示空間となっています。新竹の新しい文化空間です(東門街32号・月曜と祝日は休館、参観無料)。