修復を終えた台南のランドマーク
古都らしい落ち着いた雰囲気で人々に愛されている台南。この都市は長い歴史を誇り、路地裏にまでしっとりとした趣きが漂っています。その味わいは台北や高雄、台中にはない、台南ならではのもの。そのランドマークとして機能してきたのが旧林デパートです。建物は中正路に面していますが、ここは日本統治時代は「台南銀座」の呼称で知られていました。この百貨店はそのシンボルとして君臨していました。戦後はデパートとして営業することはなく、長らく廃墟となっていました。しかも、ここ数年は遺棄されてしまい、痛々しい姿でした。しかし、台南市によって大がかりな修復工事が施され、見事に蘇りました。細部にわたって原型に忠実に作業は進められ、昭和時代初期に見られたデパートの雰囲気が再現されています。現在、工事はほぼ終了しており、これから具体的にどのように活用していくか、期待が寄せられています。故郷を愛する台南の人々によって息を吹き返した歴史建築。これからも台南のシンボルとして愛されていくことでしょう。