ガジュマルの生命力に圧倒される「安平樹屋」
台南市の西部。沿岸部に位置する安平は、オランダ人が貿易港として開いたという歴史をもち、今でも多くの史跡が残っています。その一つが「安平樹屋」。赤レンガの壁にガジュマルの枝や根が絡み合い、特殊な景観をなしています。ここはもともと「徳記洋行」と呼ばれる英国の貿易商の倉庫があった場所でした。その後、大日本塩業株式会社が所有者となり、建物の規模が拡大されました。戦後は中華民国政府によって接収されましたが、長年の間、荒れるに任されていました。その様子はまるでお化け屋敷のようで、誰も近づかなかったと言われます。しかし、台南市政府によって整備が進められ、現在は見学しやすいように内部に階段が設けられています。朽ち果てた建物に複雑に絡みつくガジュマルは芸術作品のようで、今では大勢の観光客が訪れています。自然がもつ生命力の豊かさを実感できるはずです。徳記洋行の白亜の洋館も隣接しており、合わせて散策が楽しめます。