台南郊外に残る産業遺産「台南水道」
台南市の北東部に位置する山上区。ここには1922年に竣工された「台南水道」があります。日本人技師の浜野弥四郎氏によって設計され、約十年の歳月をかけて完成しました。ここは曽文渓を水源とし、ポンプでくみ上げた水を濾過した後、南側に設けられた山上浄水池から高低差を利用して台南全域の生活用水を供給していました。1982年にその役目を終え、長らく放置されていましたが、2005年に古蹟の指定を受けました。濾過器室やポンプ室は赤煉瓦を用いた和洋折衷の美しい建物で一見の価値があります。内部には英国から輸入したという急速濾過装置も残されています。また、水源地の正門そばには浜野弥四郎氏の胸像が建っています。これは台湾の実業家である許文龍氏が浜野氏の功績を称え、2005年に建立させたものです。台南水道は水源地と浄水地の二つのエリアに分かれており、水源地を見学するには一週間前までに申請が必要です。浄水池は水曜から日曜まで一般公開されています(8:30~17:30)。