台湾中部の古都・鹿港の天后宮
台湾中部に位置する鹿港は古くは港町として賑わい、中国大陸との交易で繁栄した歴史をもちます。清国統治時代には「一府二鹿三艋舺」という言葉がありました。これは当時盛況を極めた都市を示したもので、順に台南、鹿港、萬華を意味しています。この町の中心には「鹿港天后宮」があり、航海の女神である媽祖が祀られています。媽祖は台湾全域で篤い信仰を受けている神様です。ここの媽祖像は1683年に中国大陸・福建の天后宮から分霊されたもの。現在はここからも台湾各地へ盛んに分霊されています。そのご神体の総数は600とも言われています。旧暦3月23日には媽祖の生誕祭が開かれ、全島から信者たちが押し寄せます。まさに身動きが取れないほどの賑わいとなります。廟の前には数多くの屋台や食堂が集まっており、鹿港ならではの地方料理も味わえます。また、近くには参拝客のための宿泊施設もあるほか、文物館なども設けられており、鹿港の歴史を学ぶことができます。