廃墟となった集落を活性化する試みー東莒島・大埔集落
馬祖列島の一つ、東莒島の南端にある大埔集落は馬祖の他集落と同様、漁業で栄えた歴史をもちますが、1970年代から過疎化が進み、没落を免れませんでした。しかし、近年、集落を活性化するユニークな試みが行なわれています。その一つが「好多樣文化工作室」という団体による「以×換生活」というプロジェクト。これは宿泊場所を無料で提供する代わりに、この村で執筆や撮影などの創作活動のほか、農作業や漁業を手伝ってもらうというもの。この二年あまりで百人近い若者がこのプロジェクトに参加したと言います。2014年10月には「大埔客廳」という老家屋を用いた展示空間が誕生しました。ここでは集落に関する情報を提供しているほか、休憩スポットにもなっています。さらに、近くには東莒社区発展協会が運営する購買部があり、村人たちが製造したスモモ酒やローゼルティー、自家製の老酒などが販売されています。土地の自然と文化を尊重し、集落を再生していこうという試みは徐々に実を結んでいます。