舞鶴台地で育まれる「蜜香紅茶」
花蓮県瑞穂郷舞鶴台地。ここは高い知名度を誇る台湾茶の産地です。十数年前からは「無毒農業」を謳った無農薬栽培が推進され、「蜜香紅茶」という新品種が注目されるようになっています。農薬を用いない茶畑では「ウンカ」と呼ばれる小さな虫が発生し、これが茶葉を噛むことによって発酵が促されます。これにより、茶葉は熟成したフルーツやハチミツのような独特な香りが出るようになります。ある優良茶農家によれば、当初は消費者になかなか受け入れてもらえなかったと言いますが、不断の改良が続けられた結果、国際コンテストで金賞を受賞するほどまでに品質が向上しました。現在は幅広く受け入れられており、舞鶴台地における主力商品になっています。以前はウンカが発生する初夏から秋にかけての時期だけ栽培されていましたが、最近では気候の変化により、ほぼ一年中栽培されるようになっています。産地では茶摘み体験などもできるので、行楽客にも注目されています。