大地の恵みを味わう~アミ族の創作鍋
台湾東部の花蓮県光復郷にある馬太鞍(ファタアン)はアミ族の人々が暮らしている集落です。最近、この集落にあるレストランが人気を博しています。緑溢れる敷地内には漂流木を用いた工芸品が飾られ、エキゾチックな雰囲気に包まれています。ここの料理はアミ族に伝わる伝統料理をモチーフとしており、中でも「石鍋火鍋」と呼ばれる鍋料理が名物とされています。まずはビンロウ樹の葉でできた器に新鮮な呉郭魚(テラピア)の切り身とスープを入れ、800度に熱した石を投入します。すると、ジュワッと言う音とともに湯気が立ち、あっという間にできあがります。テラピアは敷地内にある湧き水によってできた池で養殖されており、泥臭さがありません。このほか、ぜひとも味わいたいのが「情人的眼涙(恋人たちの涙)」と呼ばれるもの。このロマンチックな名をもつ食べ物は日本では「イシクラゲ」と呼ばれ、降雨後、湿った地面に生えてくる食用の藻です。見た目はワカメに似ていますが、独特な食感があります。光復を訪れたらぜひ大自然の恵みを味わってみましょう。