美しいバロック風建築が残る、斗六・太平老街
雲林県の斗六はふるくから商業都市として賑わい、交通の要衝となってきました。斗六駅から少し歩いたところには古い家並みが残っており、散策スポットになっています。ここは「太平老街」と呼ばれ、約600メートルにわたって商店建築が軒を連ねます。今も現役の商店街であり、手作り布団の店や漢方薬店などがあります。1906年に台湾中部を襲った大地震の際、ここも大半の建物が倒壊してしまったと言います。その後、再開発によってこの家並みができあがりました。現存する最も古い建物は太平路95号にある「源興商店」で、1908年に建てられたものです。この通りを散策する際にぜひ注目したいのは、赤レンガ建築の屋上に設けられた石造りの装飾部分です。これは中国語では「女兒牆」と呼ばれます。形はさまざまで、三角形や半円アーチ型、中には昔の巻物のような形も見られます。この部分に施された装飾は多様で、牡丹やフクロウなどの縁起ものや、所有者の名前を刻んだもの、さらには日本の国旗をデザインしたものまであります。一つ一つが凝った装飾なので、ゆっくりと眺めてみましょう。