彰化に残る伝統的なランタン作り
台湾の寺廟を訪れると、彩色豊かなランタン(提灯)に見入ってしまう方も少なくないはずです。古刹が市内に点在する彰化には、今でも昔ながらの製法を守り続けるランタン屋があります。「春秋美術社」と呼ばれるこの店は、数々の賞を受賞しているベテラン職人・唐秋水氏と、その息子さんが店を切り盛りしています。作業は竹を割るところから始まり、この竹材をランタンの形に編み、その上から布を貼り、さらに布の上に絵を描き、文字を入れていきます。最初から最後まで、すべての作業を一人で行なっていますが、これは今、台湾全土を見回しても珍しいとのこと。また、ランタン以外にも、ここでは家庭の神棚で用いられる神様の絵を描いた「観音媽聯」なども製作しています。現在は印刷した絵が用いられることが少なくありませんが、ここでは今も、ガラス板に手描きで神様を描いています。受け継がれる職人の技に触れてみてはいかがでしょうか。