サトウキビ運搬列車を追う(雲林県虎尾)
台湾中部の雲林県。ここには今もなお、サトウキビの運搬を目的とした産業鉄道が走っています。製糖産業はオランダ統治時代に始まり、長らく台湾経済を支えてきた基幹事業です。日本統治時代には近代化が図られ、一面に広がるサトウキビ畑は台湾を代表する風景とされていました。残念ながら、現在は価格の暴落と国際競争力の低下により、風前の灯となっています。製糖工場も年々閉鎖の憂き目に遭っていますが、昔ながらのサトウキビ運搬列車の活躍を見ることはできます。この鉄道は軽便鉄道の規格で敷設され、軌道の幅はわずか762ミリ。車両も小さく、おもちゃのようにも見えてしまいますが、長大編成なため、なかなかの風格を誇っています。現在、鉄道によるサトウキビ運搬は雲林県の虎尾糖厰(製糖工場)のみとなっています。農場と工場を結ぶ運搬列車。サトウキビを満載したその様子は南国風情たっぷりの光景となっています。