世界医師会の会長らが来台、蕭副総統と田外交部次長がそれぞれ会談
蕭美琴副総統が6日午後、世界医師会(World Medical Association, WMA)のアショク・フィリップ(Ashok Philip)会長を中心とした代表団と会談した。蕭副総統はまず頼清徳総統と中華民国(台湾)政府に代って、世界医師会の指導者層のメンバーの来台、ならびに世界医師会が世界の医療コミュニティに対する台湾の有意義な参与を長年支持していることについて、深い謝意と敬意を表した。蕭副総統は台湾がWHO総会(世界保健機関の年次総会 WHA)への参加を目指して積極的に取り組んでいること、また国内外の公衆衛生のため懸命に貢献し、世界の「善良なパワー」になろうとしていることを説明、台湾が国際社会に有意義に参与しようとする善意を世界医師会が引き続き理解し、支持してくれることに期待を込めた。
これに先立ち同日午前、外交部(日本の外務省に相当)の田中光政務次長(=副大臣)もフィリップ会長、パク・ジュンユル(Jung Yul Park)理事会議長、オトマー・クロイバー(Otmar Kloiber)事務総長らと会談した。
田政務次長は、今はグローバルな医療衛生問題に協力とリソースの共有を以って対処することがより求められているとした上で、台湾は国際社会における「善良なパワー」であり、台湾の持つリソースと経験をすすんで世界と共有していると説明。その例として、新型コロナウイルスが世界にまん延した際に80を超える国に対して医療資源を無償提供したこと、他国の医療水準向上を支援する「一国一中心」計画を推進していることを紹介した。「一国一中心」計画とは、台湾で医療センターとしての実力を備えた7つの医療機関にそれぞれ、インドネシア、インド、ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、ミャンマーへの医療支援や交流を担当させるプロジェクト。田政務次長はこのほか、世界医師会が長年WHO(世界保健機関)に対して台湾を受け入れるよう強く呼びかけていることに感謝した。
世界医師会のフィリップ会長は台湾の医療と公衆衛生面での進歩を称賛し、台湾がグローバルな医療体系に加わることの重要性を強調した。韓国籍のパク理事会議長は、韓国も台湾の先進的な医療制度を参考にしたと述べ、台湾が引き続き国際社会と結びついていくことを歓迎した。クロイバー事務総長は、台湾の医療と公衆衛生面での発展ぶりは全世界をリードするレベルにあるとした上で、台湾がグローバルな公衆衛生のメカニズムに参与することは台湾のみならず全世界にとって有益であると強調した。
世界医師会は1947年に世界各国の115に上る医師の協同組合によって組織された。WHOが医療・公衆衛生政策を策定する際の重要な諮問対象でもある。「中華民国医師公会全国聯合会」と密接な協力関係にあり、台湾のWHO参与を長年一貫して支持している。2021年の世界大会では台湾のWHO参与を支持する決議文の修正案を可決した。今回の代表団は台湾医師会が開催するセミナー「全民均健与整合性医療体系:策略与執行国際研討会」への参加要請に応じて来台した。
Taiwan Today:2024年12月9日
写真提供:総統府サイトより
世界医師会(WMA)のアショク・フィリップ会長、パク・ジュンユル理事会議長、オトマー・クロイバー事務総長らが台湾で開かれる医療関連のセミナーに参加するため来台。蕭美琴副総統と外交部の田中光政務次長がそれぞれ会談した。写真は蕭副総統(右から6人目)と一行が会談した際のもの。左から6人目がフィリップ会長、同5人目がパク理事会議長、同4人目がクロイバー事務総長。