卓栄泰行政院長、米台ビジネス評議会代表団による表敬訪問を受ける
行政院(内閣)の卓栄泰院長(首相)は7日、米台ビジネス評議会(U.S.-Taiwan Business Council, USTBC)代表団による表敬訪問を受けた。以下は卓院長のあいさつ要旨。
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台湾と米国の交流と協力を積極的に推進し、半年の間で、2度も代表団による台湾訪問を実現させたUSTBCに感謝の意を表する。特に今回の訪問は、半導体、金融、国防、学術、医療分野など多彩な産業を網羅する代表団によるもので、台湾と米国の多様な協力関係を示すものだ。
台湾は近年、新型コロナウイルスのパンデミックや地政学リスクの高まりなどの困難に直面しているが、台湾の市民全員の協力と海外の民主主義パートナーの支援によって、2016年から2023年までのGDP成長率の平均は3.2%に達した。 さらに2024年通年の実質GDP成長率は、4.27%と予測され、依然とした半導体産業の好調のほか、スタートアップや伝統産業、中小企業の大きな貢献が寄与した。
台湾と米国の経済貿易関係については、新たな貿易協議の枠組み、「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ」第1段階協定が2024年12月10日に発効した。第2段階協定についても迅速な交渉が行われるよう望んでいる。また、台米経済繁栄パートナーシップ対話(EPPD)、技術貿易と投資に関する協力の枠組み(TTIC)などの二国間協力の枠組みを通じ、両国の協力基盤がさらに強化されるよう期待している。台湾・米国間の二重課税問題の解決に積極的な姿勢を示している米行政府・立法府の当局に感謝している。それが相互の投資と協力を促すものとなることから、USTBCが引き続き、米政府に対してその重要性を訴えかけ、双方の産業と人々に新たな投資の機会を提供できるよう願っている。
昨年、米国防総省は「国家防衛産業戦略(NDIS)」を発表し、台湾を加えたフレンドショアリング構築を目指すとして、台湾へ米国主導の防衛産業サプライチェーンに加わる機会を与えたことに感謝を伝えたい。科学技術は国力で、経済安全保障は国家安全保障だ。台湾は今後も、民主主義パートナーと産業や国防など様々な分野で協力を深めていく。
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一方、代表団を率いて台湾を訪問したUSTBCのルパート・ハモンド・チェンバース会長は、「間もなくトランプ次期政権が始まる米国において、経済界では、全体的に台米関係が健全に成長しているとみられている。蔡英文前総統の任期中から、現在の頼清徳政権に至るまでの過去8年間、台湾と米国の二国間関係は着実に発展し、多くの新たな機会を生み出した」と語った。
ルパート会長によると、現在、台湾の対外投資は、米国が全体の30%を占めている。そのため双方では、二重課税の解消が重要な課題となっており、両国による「二重課税防止協定」の締結を通じて、双方の投資促進につながる。ルパート会長はまた、「米国の経済界は、トランプ政権発足後の通商政策の方向性に期待している。それがどのような機会と課題をもたらすかにかかわらず、米国新政権発足後も、台米関係は継続性、透明性、安定性を維持し、USTBCメンバーが引き続き中華民国(台湾)政府との協力や交流を推進できるよう願っている」と強調した。
Taiwan Today:2025年1月8日
写真提供:行政院ニュースサイトより
卓栄泰行政院長(写真右)を表敬訪問したUSTBCのルパート会長(同左)は、米国新政権発足後も、台米関係は継続性、透明性、安定性を維持し、USTBCメンバーが引き続き中華民国(台湾)政府との協力や交流を推進できるよう願っていると述べた。