頼清徳総統が安全保障に関するハイレベル会議招集、米大統領の「相互関税」導入検討受けて
米国のトランプ大統領は台湾時間14日未明、貿易相手国が高関税を課している場合、その国からの輸入品に対する関税を同水準に引き上げる「相互関税」の導入計画を発表した。これを受けて頼清徳総統は14日午前、国の安全保障に関するハイレベル会議を招集し、米国の新たな関税措置を含む台米間の議題について話し合った。
頼清徳総統は会議終了後に記者会見を開き、年内の優先目標として3つの業務の遂行に当たることを宣言した。3つの業務とは(1)特別予算を編成し、防衛予算をGDP比の3%以上とすること、(2)安全保障に関する法制改革を推進し、国の安全保障のネットワーク拡大を図ること、(3)友好国との協力により世界規模の民主主義のサプライチェーンを構築し、とりわけ半導体産業について「民主主義のサプライチェーン・パートナーシップ・イニシアチブ」を提唱すること。
頼清徳総統はまた、台米関係、半導体産業、台湾海峡両岸関係の3つについて、より明確な国家戦略のビジョンを示した。
台米関係
頼清徳総統は、トランプ政権が発足後、台湾支持を継続していることに深く感謝した上で、台湾の民進党政権はトランプ第1期政権から一貫して協力してきた国際パートナーの一つであり、いまもその関係は続いていると指摘。第一列島線および民主主義の世界において最前線に立って権威主義に対抗している台湾は、これからも米国と各方面で連携してきたいと考えており、今後数年間、台米の政策に多少の変化があったとしても、台湾とワシントンの間の相互信頼と緊密な協力関係は、安定かつ継続していくだろうとし、国民に安心するよう呼びかけた。
半導体産業
頼清徳総統は、台湾は世界でも最も高い実力を持つ半導体大国であり、「我々には新たな情勢に対応できる能力も意欲もある」とした上で、トランプ大統領が台湾の半導体産業に懸念を示していることについて、政府は慎重に対応し、台米の意思疎通を強化しながら、互いの理解を深めていきたいと主張。米国を含む民主国家とともに、より強靭性を持ち、より多様な半導体のサプライチェーンを構築するため、半導体産業に関する世界規模の「民主主義サプライチェーン・パートナーシップ・イニシアチブ」を提唱する考えを示した。
台湾海峡両岸関係
頼清徳総統は、台米関係、米中関係、台米中の三方の動きに世界の関心が寄せられているとし、台湾は国際民主社会及びこの地域の責任ある一員と指摘した上で、台米関係をさらにレベルアップさせ、ゼロサムゲームのような一方の勢力が減少すれば他方が増大するという関係ではなく、米中関係とともに良好な循環を生み出したいと願っていると語った。
頼清徳総統はまた、中国に対して台湾は常に責任ある一方であり、台湾海峡両岸関係において「卑下せずおごらず、堅実且つ冷静に」という姿勢を貫いていることを強調した。
頼清徳総統はさらに、「国家の主権を守り、民主主義と自由な生活様式を守る決意は変わらない」、「台湾海峡の平和と安定を維持し、中国と共に台湾海峡両岸の平和共栄を追求する努力は変わらない」、「対等と尊厳を前提とし、台湾海峡両岸の健全で秩序ある交流を推進し、対話で対立に取って代わり、双方の人々の福祉を共に増進するという約束は変わらない」などと訴えた。
Taiwan Today:2025年2月17日
写真提供:総統府
米国のトランプ大統領が「相互関税」の導入を検討すると発表したことを受け、頼清徳総統は14日午前、国の安全保障に関するハイレベル会議を招集し、米国の新たな関税措置を含む台米間の議題について話し合った。また、その後、記者会見を開き、総統自ら会議の内容を明らかにした。