外交部と衛生福利部が公衆衛生・医療分野の「Team Taiwan」結成、スマート医療の海外輸出拡大へ
外交部の林佳龍部長(外相)と衛生福利部の邱泰源部長(保健相)は14日、外交部と衛生福利部の閣僚会合を開催した。双方はこの会合で省庁横断型の諮問グループを設置し、公衆衛生や医療分野で海外支援を行う医療機関、医療・衛生産業、同業者組合などの専門家に広く参加を呼びかけ、外交部及び衛生福利部の職員らとともに公衆衛生・医療分野の「Team Taiwan」を結成することで一致した。官民のリソースを集約することで「総合外交」の精神を発揮し、「栄邦計画」(中華民国台湾と外交関係を持つ国との関係を強化し、相手国の発展を促す計画)の一つである「スマート医療とヘルス産業」旗艦プロジェクトを推進し、台湾と国交樹立国や友好国との公衆衛生・医療分野の協力を深化させる。
医師出身である頼清徳総統は、自身が持つ医療分野のバックグラウンドを武器に、世界の医療分野で台湾のリーダーシップを高めることを目指している。2024年の南太平洋諸国公式訪問では、医療外交によって各国との協力を深め、「世界の医療の発展に貢献する台湾」の印象をアピールした。
一方、林部長と邱部長は、台湾が公衆衛生や医療分野で持つ強みを生かし、また台湾のバイオ医薬産業やICT産業が蔡英文前総統時代の「5+2産業イノベーション」や「6大核心戦略産業」政策によって長年蓄積してきた実力を背景に、国交樹立国や友好国とのパートナーシップを強化することを期待。これにより頼清徳総統が掲げる「健康台湾」のビジョンを世界各地に広げ、同時に台湾の関連産業の海外市場開拓を支援したいと考えている。
この日の会合は、林部長が邱部長および衛生福利部の職員を外交部に招いて行われ、国交樹立国や友好国とのスマート医療分野の協力プロジェクトを通して、いかにして台湾の公衆衛生分野の経験とスマート医療のソリューションをこれらの国々と共有するかについて意見交換が行われた。その結果、双方は「人材、技術、資金」の三つの柱を集約することで、スマート医療とヘルス産業全体の輸出を推進し、国交樹立国などが持つ医療の能力を強化し、公衆衛生管理の効率を高め、現地の人々の福祉を増進し、繁栄を促進することを目指すことで一致した。また、「医療が産業を引き寄せる」というモデルを通じて、台湾のスマート医療関連産業の商機を創出し、ひいては世界の医療事業の発展を加速させたい考え。
さらにこの会合では、現在台湾が実施する公衆衛生・医療分野の協力プロジェクトの狙いとその成果について整理し、見直した。例えばバラグアイで実施する「健康医療情報管理効率向上計画(HIS)」はすでに、バラグアイにおける医療のデジタル化の基盤を確立しており、今後はその最適化が進められ、南米地域での台湾のスマート医療計画推進のモデルになることが確認された。また、パラオ国立病院で実施するスマート医療協力も今後継続し、パラオの公衆衛生・医療分野の能力拡大を図ることが確認された。さらには、グアテマラ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、エスワティニなどの国交樹立国との協力プロジェクトについても、今後いかにして民間企業の参加を促し、成果の向上を図るかが議論された。
林部長はこの会合で、台湾が国交樹立国で提供する医療支援は、現地の人々だけでなく台湾人にも恩恵をもたらしていることを強調。その事例として林部長が総統の特使としてパラオを訪問した際、訪問団の一員が交通事故で負傷したが、台湾の新光医院がパラオで提供する医療サービスのおかげで迅速かつ専門的な治療を受けて無事帰国することができたことを挙げ、国際医療協力が持つウィン・ウィンの価値が示されたと述べた。
外交部と衛生福利部は今後も各界の関係者と協力しながら、海外で公衆衛生・医療分野での協力を深化させ、「健康台湾」のビジョンによって、世界の公衆衛生やスマート医療の発展により貢献したい考えだ。同時に、台湾の関連産業が国際市場で発展を遂げ、台湾を「経済における日が沈まない国」にするという目標の実現を目指す。
Taiwan Today:2025年2月17日
写真提供:外交部
外交部の林佳龍部長(外相)と衛生福利部の邱泰源部長(保健相)は14日、外交部と衛生福利部の閣僚会合を開催した。