外交部の呉志中政務次長、『ジャパンタイムズ』のインタビューで台日交流深化に期待
外交部の呉志中政務次長(=副大臣)は今月5日、日本の英字新聞『ジャパンタイムズ』(The Japan Times)のアジア担当編集者ガブリエル・ドミンゲス氏のインタビューを受けた。その内容が今月11日と12日付けの同紙に、「台湾はウクライナではない」(We are not Ukraine)と「台湾の外交部政務次長が日本とよりハイレベルな『非公式』交流に期待」(Taiwan’s No. 2 diplomat seeks higher-level ‘unofficial’ Japan meetings as ties grow)のタイトルで掲載された。いずれも公式サイトで公開されている。呉次長の発言の概要は以下のとおり。
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■台日関係について
台湾と日本は近い価値観や理念を持つ。双方は歴史、文化、経済・貿易などの分野で緊密な関係を持ち、人的往来も活発だ。台湾人旅客は日本のインバウンド市場にとって重要な顧客となっている。また、日本で東日本大震災が発生したとき、台湾の人々は熱心に支援の手を差し伸べ、台日間の強い絆を示した。我々は近年、台日双方の政府関係者が「非公式」の形式で、相互交流を増やしていることを歓迎している。それは例えば、台湾の政府関係者が、台湾で開催される(日本台湾交流協会台北事務所あるいは高雄事務所が主催する)日本の天皇誕生日祝賀レセプションに招待されることなどを含む。頼清徳総統も過去には副総統の身分で日本を訪問し、安倍晋三元首相の葬儀に参列している。
■日本への期待
インド太平洋地域の平和と安定という現状の維持には、日本も国益に関わる重大事項として関心を寄せている。日本の海上自衛隊の護衛艦「あきづき」が2月上旬に単独で台湾海峡を通過していたことが最近になって明らかにされたが、我々は日本がインド太平洋地域で毅然とした行動を採取し、地域の平和と安定を維持する役割を果たすことを歓迎している。日本がこれからも防衛力を強化し、インド太平洋地域の情勢の変化に対応し、そして台日交流や対話を支持することは、わが国にとって極めて重要なことだ。台湾はこれからも日本政府とよりハイレベルな友好関係を築き、両国の協力を深化させたいと願っている。
■台米関係について
トランプ政権はアジア太平洋地域における米国の国益を守ろうとし、台湾は台湾の国益を守ろうとする。この立場は一致している。台湾は米国にとって重要な協力のパートナーだ。最近、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が対米投資拡大を発表した。現在、台湾は米国にとって7番目の貿易パートナーとなっている。これらは台米関係が緊密なことを示している。米国にとって、台湾が中国に支配されるのを防ぐことは、インド太平洋地域における利益を維持するためにも重要なことだ。台湾は引き続き、経済・貿易、安全保障などの各分野で米国との協力を深め、インド太平洋地域の繁栄と安定を共に促進してきたいと考えている。
■ウクライナと比較されることについて
ウクライナを台湾と比較する人がいるが、台湾は決してウクライナではない。台湾には台湾海峡という自然の要塞があり、中国が容易には侵略できないようになっているほか、台湾の政府自身も現在、台湾の防衛力強化に努め、国の安全を守ろうとしている。このほか、台湾には半導体産業という非常に大きな強みがあり、台湾海峡で何か発生すれば、世界経済に大きな影響を及ぼしかねない。台湾はこれからもウクライナを支持するだろう。なぜならもし世界がロシアのウクライナ侵攻を容認するようなことがあれば、北京当局が台湾に対して同じような行動をとったときに、中国の行動に対する国際社会の抑止力が弱くなってしまうかもしれないからだ。
台湾はインド太平洋地域の平和と安定の維持に努め、責任ある態度を示すと同時に、相手を挑発する可能性をなるべく回避し、この地域の緊張状態を高める口実を中国に与えないようにしている。台湾は日本を含め、近い理念を持つその他の国々との交流を深めながら、地域の平和と安定のためにともに努力をしていきたいと願っている。
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『ジャパンタイムズ』は1897年創刊。日本で最も長い歴史を持つ主流の英字新聞である。現在、紙媒体の発行部数は1万7,500部で、在日外国人の間で大きな影響力を持っている。
Taiwan Today:2025年3月14日
写真提供:外交部
日本の英字新聞『ジャパンタイムズ』(The Japan Times)は11日と12日の両日、外交部の呉志中政務次長(=副大臣)のインタビュー内容を含む記事を掲載した。