中華民国憲法 まえがき

中華民国憲法は民国三五（一九四六）年十二月二十五日に制定され、その一年後に施行された。その後、民国三七（一九四八）年に臨時条款制定という方式で暫定的な変更がおこなわれた以外は、正式に修正されたことはなかった。民国八〇（一九九一）年五月一日、両岸関係を調整し、国家統一の促進を図るとともに、台湾地区の社会、経済のめざましい発展に対応するため、「動員戡乱（反乱平定）時期」の終結が正式に宣言され、「臨時条款」が廃止された。これと同時に憲法第二十七条および第百七十四条の規定に基づき、中華民国憲法追加条文十条を採択、同日公布した。これに基づいて、十分に民意を反映する形で第二期国民大会が生まれた。民国八一（一九九二）年五月二十八日、最も新しい民意を代表する第二期国民大会は新たに追加条文八条を通過し、国民大会、司法院、考試院、監察院の職権に調整を加えたほか、総統、副総統を全国民が直接選挙するという原則も確立された。民国八三（一九九四）年七月二十九日、第二期国民大会はふたたび招集され、憲法追加条文を修正、十八条を十条に簡素化した。行政院長の副署に関する調整および国民大会議長の新設等は、すべてこのときの憲法修正における重点項目である。中央政府体制を健全化し、行政効率を高めるため、政府は民国八六（一九九七）年ふたたび憲法修正をおこない、前回追加修正した第一条から第十条までの条文を第一条から第十一条に修正した。このうち最も重要な修正は、行政院長の任命に対する立法院の同意権を取り消し、総統の立法院解散権と立法院の行政院長「不信任」・倒閣権を追加したことである。このほか、行政構造を簡素化を図り、台湾省長および省議員の選挙を停止して省政府の組織と機能を簡素化した。憲法は国家の根本をなす大法であり、国家や国民の命運はこれに大きくかかっている。よって行政院新聞局は特に本書を編集し広くこれを知らしめるものである。

中華民国憲法一九四六（民国三五）年十二月二十五日制定一九四七（民国三六）年公布一九四七（民国三六）年十二月二十五日施行

中華民国国民大会は、国民全体の付託を受け、中華民国を創立した孫中山先生の遺教に依拠して、国権を強固にし、民権を保障し、社会の安寧を確立し、人民の福利を増進するために、この憲法を制定し、全国に頒布施行して、永く普く遵守することを誓う。

台北駐日経済文化代表処

中華民国憲法まえがき

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