馬英九総統が日華議員懇談会の平沼赳夫会長ら一行と会見

　馬英九総統は１０月１０日午後、総統府で中華民国双十国慶節祝賀式典に出席するために台湾を訪問した「日本日華議員懇談会国慶祝賀団」の平沼赳夫会長および１７名の国会議員、日華親善協会全国連合会のメンバーら一行と会見した。

　このなかで馬総統は、「昨年は『台日特別パートナー関係促進年』として、６月に台日双方のワーキングホリデー協定が締結され、１８歳～３０歳の若者がそれぞれの相手国にアルバイトをしながら滞在できるようになり、１２月には日本の札幌に台湾の事務所（台北駐日経済文化代表処札幌分処）が開設された。また、今年１０月３１日には、台北松山空港と東京羽田空港を結ぶ直行便が就航する。日本の交流協会も国立政治大学に日本研究所を開設し、わが国の高等学術機関における日本に対する理解の増進に寄与している」と述べ、ここ２年間に台日関係が急速に進展したことを強調した。

　馬総統は、国立故宮博物院の日本展実現に向けた取り組みに関して、「台日双方は国立故宮博物院の文物の日本展開催に向けた準備を積極的に進めており、目下わが国の国宝の展示の安全性を守るため、日本の国会で関連立法手続きを待っているところである」と述べたほか、「東京の駐日代表処内に文化センターを開設したので、今後日本の著名な博物館や美術館の文物を台湾で展示するなどの交流を行っていきたい」との意向を示した。

　また台南県の「八田與一記念パーク」が八田與一の６９周忌の命日にあたる来年５月８日にオープンすることに関して、馬総統は「台日双方の人々の友情の重要な象徴となる」との認識を示した。

　このほか、馬総統は日米安保条約を支持する台湾の政府の立場を伝達し、「日米安保は東アジア地域の安定の基礎であり、この立場はこれまで変わっことがない」と強調した。さらに馬総統は、「台湾と中国大陸の関係改善が台湾海峡両岸の緊張情勢を緩和させ、双方の経済・貿易関係の制度化を促した」と指摘し、「両岸経済協力枠組み協議（ＥＣＦＡ）の締結は、日本にとってもビジネスチャンスを創出するものである。日本のシンクタンクの研究によると、台湾と日本のメーカーが合弁で中国大陸に投資すると成功する確率が単独投資より高くなるという結果が出ており、日本はこの新たな情勢を活用して台湾および中国大陸との経済・貿易関係を切り開いてもらいたい」と語った。

　最後に馬総統は、「中華民国と日本はきわめて良好な関係を維持しているだけでなく、さらに前に向かって進んでいる」と強調し、訪問団一行が帰国後、日本政府および日本の人々に台日間の友好関係の発展の現況を伝達されるよう期待を示した。　

【総統府　２０１０年１０月１０日】
写真提供：中央社