次世代の台日関係見据え、若手議員交流を促進

民進党元国際事業部長の蕭美琴・立法委員（国会議員）をはじめとする同党若手議員１２名が、７月３日～５日の日程で日本を訪問中だ。一行は４日、「日本・台湾　経済文化交流を促進する若手議員の会（日台若手議連）」のメンバーと会見し、台日関係や安保問題など幅広く意見交換を行い、交流を深めた。

　「日台若手議連」は両国間の実務交流促進を目的に、日本の衆参議員１４名が発起人となり、今年４月に設立された（関連記事はこちらへ）超党派組織である。初代会長は故岸信介元首相の孫で安部晉三・官房長官の実弟にあたる岸信夫・参議院議員であり、現在３０人余がメンバーとなっている。この日一行は、同議連のメンバー１０数名と２時間にわたり意見交換を行った。

会見では、日本の選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に移行した経緯や、国庫の収支バランスに関する状況および社会福祉問題などについて意見が交わされた。また安全保障問題について、双方ともに中国の脅威に懸念を示し、この問題に対しさらに多くの交流と協力の機会をもつことで合意した。

蕭議員は会見後メディアの取材に応え、「日台若手議連」が今後双方の議員交流を促進するうえで重要な役割をもつことを示し、同議連に対する交流窓口として、今回の訪日メンバーが発起人となり「民進党台日青年議員親善協会」を設立することを明らかにした。

さらに、日本の政界で多数の友人が台湾の政治にきわめて高い関心を持っていることを挙げ、民進党は日本に非常に友好的な政党であり、台湾の与党として日本の与党と交流関係を強化していきたい考えを表明した。そのうえで、同議連との対話のパイプを通して今後文化、経済、政治や安全保障など幅広い分野での交流を促進したい意向を示した。また次期首相候補として有力視されている安倍晉三氏をはじめ、今後日本の政局を担う若手議員との交流促進こそ、長い眼で見た両国の関係にとって非常に有益であるとの見方を示した。

訪日団一行は今回、日本の国会議員野球チームによる対抗試合観戦や谷本龍哉・自民党青年局局長主催の宴席に出席し、若手議連との交流を深めたほか、三浦一水・農林水産副大臣を訪問し、台日の漁業問題と台湾農産品の日本向け輸出について意見交換した。また滞在中、超党派国会議員で構成される「日華議員懇談会」会長の平沼糾夫氏をはじめ自民党幹部らと会見する予定である。

《２００６年７月５日》