蔡総統の外遊、台湾先住民族の工芸品などを贈答品に

　蔡英文総統は今月28日から11月4日まで、オセアニアの国交樹立国であるマーシャル諸島、ツバル、ソロモン諸島の3カ国を歴訪する。総統府は26日午後、今回の外遊に持参する贈答品を発表した。

　総統府の黄重諺報道官は、今回の外遊のテーマは「永続南島、携手共好」としており、オーストロネシア語族の島々と持続可能な関係を作り、手を携えて共栄を図ることを目指す。これらの島々と台湾の先住民族は同じオーストロネシア語族と言われており、そのつながりを強調するため、総統府はアーティストや創作チーム12名に依頼し、台湾の先住民族の特色ある作品13点を制作。これらを贈答品とすることにした。

　原住民族委員会（先住民族委員会＝日本の省レベルに相当）の夷将・拔路兒（Icyang・Parod）主任委員（大臣）によると、これらの贈答品は原住民族委員会と外交部（日本の外務省に相当）、それに総統府が協力して厳選した。主な選択基準は、台湾に住む各先住民族の伝統工芸や文化を伝えるものであること。そして、マーシャル諸島、ツバル、ソロモン諸島の文化、あるいはこれらの国家元首のバックグラウンドと関連性があり、先方の関心を引きやすく、話題の糸口となりやすいものとした。制作を委託したアーティスト12名は、パイワン族、アミ族、タイヤル族、プユマ族、ツオウ族、タオ族の出身。年代は幅広く、国宝級の職人もいれば、中堅のクリエーター、それに新世代の若いデザイナーまで含まれている。これは、政府が年代の異なる様々な人材を同様に支持し、重視していることを意味する。

　内容に関しても、非常に伝統的な工芸品もあれば、コンテンポラリーなアート作品、それにクリエイティブな生活用品まで様々。台湾の先住民族の芸術とクリエイティブ文化が、非常に多元的で、活発に発展している様子を見て取ることができる。これらの作品は、外交の贈答品としてだけでなく、海外の人々にプレゼントするのにも適していることから、総統府では台湾の人々がこうした先住民族アーティストの作品を応援してくれるよう呼びかけている。

　外遊先の贈答品には、パイワン族の彫刻家が制作した鉄彫刻や、同じくパイワン族の神器とされる瑠璃玉（トンボ玉）を使ったネックレス、台湾先住民族の音楽とハワイアンミュージックを融合させ、2012年の第55回グラミー賞で最優秀ワールド・ミュージック・アルバム賞にノミネートされたタイヤル族のアルバム『On A Gentle Island Breeze』など。詳細は総統府のニュースリリースからPDFをダウンロードすることができる。

Taiwan Today：２０１７年１０月２７日