カトリック台湾地区司教団、10年ぶりにバチカン訪問
台湾カトリック教会の最高権力機構であるカトリック台湾地区司教団(中国語は天主教台湾地区主教団)がアドリミナのため、10年ぶりにバチカンを訪問した。アドリミナとは、各国司教団が定期的にバチカンを訪問し、教皇に謁見して教区の状況を報告するもの。在バチカン中華民国大使館が現地時間10日夜、司教団を歓迎するレセプションを行った。
カトリック台湾地区司教団は8日夜、ローマに到着した。9日にローマ教皇庁の聖職者省、教育省、人間開発のための部署(Dicastery for Promoting Integral Human Development)などを表敬訪問し、14日にローマ教皇に謁見する。
カトリック台北大司教区の洪山川大司教は10日夜のレセプションの挨拶で、「ローマ教皇に謁見した際には、2019年3月に台湾で開催する聖体大会への出席を直接要請したい。ローマ教皇が台湾を訪問するだけのためにバチカンを離れるのは難しいと思うので、外遊の途中に数時間でも台湾に立ち寄ってもらえたら嬉しい。なぜならこれまで台湾に足を運んだローマ教皇は一人もいないからだ。ローマ教皇フランシスコは社会的弱者に寄り添う姿勢を強調しているが、台湾は過去数十年間にわたり、国際社会であらゆる圧力を受け、中国の一部と位置付けられてきた。国際連合の会議にも参加することが許されず、台湾の人々はまるで自分たちのことを国際的孤児のように感じている」と訴えた。
ローマ教皇庁国務省外務局のポール・リチャード・ギャラガー局長は、「台湾地区司教団のバチカン訪問が順調に行われるよう願っている。この機会にバチカンと台湾のカトリック教信者や市民との結びつきや友好関係を深めることができれば」と期待を寄せた。
ポール・リチャード・ギャラガー局長はまた、「カトリック台湾地区司教団が前回アドリミナを行ってから、すでに10年が経つ。台湾の司教団はこの貴重な機会にぜひ、ローマ教皇に対して台湾の教会が直面する課題や問題を訴えて欲しい。ローマ教皇に謁見した司教団が、より多くの勇気と自信をもって台湾に戻ることができるよう願っている」と述べた。
さらに、「バチカンは、中華民国政府と台湾のカトリック教会が提供するさまざまな協力に大変感謝している。在バチカン中華民国大使館が主催するこのレセプションの出席者数を見ても、どれだけ多くの人々が台湾と台湾の教会に関心を寄せているかを伺い知ることができる。このような状況が今後も続き、さらには拡大することを祈っている。それは国や教会のためだけでなく、台湾の恵まれない社会的弱者たちのためでもある。また、いつも物資や技術を惜しみなく提供してくれる台湾の人道支援に感謝している」と述べた。
カトリック台湾地区司教団の一行は、カトリック台北大司教区の洪山川大司教、高雄教区の劉振忠大司教、新竹教区の李克勉司教、台中教区の蘇耀文司教、嘉義教区の鍾安住司教、台南教区の林吉男司教、花蓮教区の黄兆明司教、台湾地区司教団の陳科秘書長。
Taiwan Today:2018年5月11日
写真提供:在バチカン中華民国大使館
台湾カトリック教会の最高権力機構であるカトリック台湾地区司教団(中国語は天主教台湾地区主教団)がアドリミナのため、10年ぶりにバチカンを訪問した。現地時間8日夜にローマに到着し、教皇庁の各省庁を表敬訪問している。14日に教皇に謁見して教区の状況を報告する。
