馬英九総統が米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」とのテレビ衛星会議で基調講演
4月9日夜、馬英九総統は、米国ワシントンの有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(以下、CSIS)」とテレビ衛星会議を行った。同会議は「チャールズ・フリーマンCSISの中国研究チェアー」(Freeman Chair in China Studies)主任のクリストファー・ジョンソン(Christopher Johnson)氏が司会を務め、パネリストには、米国連邦議会下院の「国会台湾連線」の共同議長であるマリオ・ディアスバラート(Mario Diaz-Balart )議員、世界銀行の元総裁であり「米台商業協会」の理事長であるポール・ウォルフォウィッツ(Paul Wolfowitz)氏らが参加した。CSISの会長であり、元米国国防副長官のジョン・ヘイムリ(John Hamre)氏のあいさつの後、馬総統は「パートナーシップの翼を広げ羽ばたこう」と題する基調講演を行った。その後、同会議出席者らの質問に応じ、最後に結びのあいさつを行った。
馬総統の基調講演の内容は以下の通りである。
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一、あいさつ
はじめに、私が米国の関係各位に向けたテレビ衛星会議を、今回3回目として開催していただいたCSISに感謝の意を表すと共に、同会議において2回目の議長を務められるジョン・ヘイムリ会長に衷心より感謝の意を表す次第である。本日はちょうど「台湾関係法」立法化35周年の前日にあたり、この歴史的意義のある一里塚となった法律は、中華民国と米国の強靭な関係の基礎を固めるものとなった。私は、在席の各位と両国間の特別なパートナーシップを共に話し合う機会を持つことができ、嬉しい限りである。
二、両国間の深く長期にわたる友好関係
中華民国と米国の友好関係は100年あまり前まで遡ることができる。当時、双方はお互いへの理解を深めたいと希望しており、米国は1909年に1,080万米ドルを投じ、「庚子賠款奨学金(北清事変による米国への賠償金を用いた奨学金)」を設立した。我が国はこの奨学金を用いて学生を米国留学に派遣すると共に、1911年には有名な国立清華大学の前身となる学校を設立した。同大学は建学以来、中国大陸および台湾において、優秀な人材を数多く育成し、3名のノーベル賞受賞者も輩出したのだった。同奨学金の設置を発意し、遠大な見識のあった当時の米国の方々に、私は最も崇高な敬意を表する次第である。米国の遠大なる見識は、国土は広いが、貧しく他国に後れをとり、帝国主義に狙われた当時の中国に、教育の機会を与えようとするものであった。
20世紀前半における中華民国と米国のパートナーシップの中で、米国は中華民国の生存および発展の確保に関して、鍵となる役割を担ってきた。例えば、真珠湾攻撃発生4か月前の1941年8月、米国は戦闘機部隊の「フライングタイガー」を中華民国に派遣し、苦しい我が国の対日抗戦を支援した。同部隊は我が国に到着してから7カ月の間に、日本の戦闘機200機あまりを撃墜したのだった。
1943年1月、米国は中華民国との100年間にわたる不平等条約を撤廃し、また同時に、「中華民国における米国の治外法権」および「領事裁判権」を取り消し、米国ワシントンにおいて、中華民国と平等新約を締結した。これは、米国が中華民国と真の対等なパートナーシップを確立したいと願うことを表すものとなった。
1943年12月1日、米国、英国、中華民国が共同で発表した歴史的な『カイロ宣言』の中で、日本が東北四省(満州)、台湾、澎湖諸島など中国の領土を盗み取ったものであり、必ず中華民国に戻さなければならないなどが明記された。この政策は1945年7月26日の『ポツダム宣言』の中でも再確認されると共に、この38日後の9月2日における日本の『降伏文書』の中においても実現されている。米国の当時の軍事上および外交上における重要な役割により、中華民国が台湾の主権を回復できたことを、我々は心より感謝する次第である。
1950年~1965年、米国は中華民国に対し、15億米ドルの経済援助を提供し、1954年に双方が調印した『中米共同防衛条約』は、台湾の防衛の安全を保障し、我が国が外在的な平和環境の下で、経済の奇蹟を創造するところとなった。この後も米国は一貫して中華民国を支持し、苦楽を共にしてきた。
三、「台湾関係法」(TRA)立法化35周年
中華民国と米国との関係は、1978年に重大な変化が生じた。これは現在思い起こしても、きわめて遺憾に感じるものである。同年12月、ジミー・カーター米大統領は、中華民国に対する外交関係の承認廃止を宣言した。当時の情勢を補うために、カーター政権は『台湾関係法』草案を、国会に送付し審議した。しかし、同草案は多くの面で不十分な箇所があることから、米国連邦議会は同草案について、数多くのきわめて重要な改善を行った。1979年4月10日、カーター大統領は『台湾関係法』に調印し、同年1月1日に遡って発効された。当時、米国のある専門家が、「『台湾関係法』は、カーター政権が台湾の承認を廃止後、新たに承認を付与したこと同じである」と述べている。
私は、米国連邦議会下院が一昨日、米国の『台湾関係法』に対する確固たる公約を重ねて表明した法案を、全会一致の形式で可決したことを喜ばしく聞いた。『台湾関係法』は、今後双方が調印するであろう台米間の投資協定も含め、双方がすでに調印した多くの協定の法的基礎を提供するものである。米国連邦議会両党の強力な支持の下、両国は強固な政治、安全保障、経済、文化関係を維持し、東アジアの平和と安定を共に協力して保障し、強化していくものである。米国の中華民国に対するもう1つの公約は、1982年7月にレーガン政権が我が国に提起した「6つの保障」であり、米国が継続して台湾に対する安全保障の公約を表明したものであった。
私は2008年5月に中華民国総統に就任し、最初に取り組んだのが我が国と米国との関係改善であり、当時ほとんどなくなっていた政府トップレベル間の相互信頼関係を再度確立することであった。現在、双方の関係はこの35年の中で最良の状態にあり、米国の支持があることにより、我が国は両岸関係を改善することができ、実力を備えた状況の下、十分に自信を持って、中国大陸との交流ができるようになった。
米国は『台湾関係法』の義務に基づき、我が国の国際組織への有意義な参加を引き続き支持している。これは、現在米国が我が国の外交政策の目標を支持する1つの証明でもある。2009年5月、38年ぶりに中華民国衛生署長はスイスのジュネーブで開催された「世界保健機関(WHO)年次総会」(WHA)に出席することができた。2013年9月には、我が国の交通部民用航空局長も42年間出席がかなわなかった「国際民間航空機関」(ICAO)に、ICAO理事会会長の特別ゲストとして招かれ、カナダのモントリオールにおいて開催された第38回「国際民間航空機関」(ICAO)総会に出席した。これらはいずれも、我が国が国際社会への参加拡大実現の努力の中で、最も重要な進展を遂げたものである。
四、中華民国はピースメーカーおよび人道的支援者
「活路外交」政策の下、我が国の国際社会における活動空間はすでに切り開かれ、また同時に各友好国および近隣諸国との関係も強化されている。台湾のより一層の時宜を得た具体的な行動は、地域の平和、繁栄、安定に貢献している。
台湾、中国大陸、日本が東シナ海に位置する釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)の主権をいずれも主張していることは、各位も認識しておられるであろう。これらの島嶼は無人島ではあるが、同海域は海洋資源の豊富な漁場であり、海底にも大量の油田があり、同海域を通過する船舶および航空路線はきわめて多い。
近年、釣魚台列島に関する衝突の危険性が顕著な高まりを示したことから、私は2012年8月に「東シナ海平和イニシアチブ」を提起し、関係各方面が異なった方法を採り、それにより理想的な結果を達成することが可能であることを理解するよう期待した。同イニシアチブの主張は、対抗を平和的な話し合いへと変え、領土の争議を棚上げし、資源の分かち合いと協力を強調したものである。
2013年4月10日、ちょうど1年前の明日、我が国は日本と『台日漁業協議』に調印した。同協議は、過去16年間において、16回の交渉を行ってきたが合意に達せず、ついに17回目の交渉で、同協議の調印が実現したのだった。この成果こそが、「主権は分割できないが、資源は共に分かち合うことができる」の理念に基づいたものだった。同協議は双方の漁船が40年あまりの争議を経て、ようやく面積が台湾の2倍に達する釣魚台付近の従来の係争海域で作業することが可能となったのだった。また同時に、協議には「主権維持についての条項」を盛り込んでおり、双方は各自が主権を有する主張も維持している。同協議は、「東シナ海平和イニシアチブ」精神の具体的な実践であり、国内、日本、米国、国際社会から普遍的な支持を獲得したのだった。
2013年5月にフィリピン沿岸警備隊の乗組員が台湾の漁民を射殺した事件が発生した。我が国は「東シナ海平和イニシアチブ」の精神を堅持し、この争議の解決を図った。双方は数カ月にわたる話し合いを経て、最終的にフィリピン政府による正式な謝罪を実現し、被害者の遺族への賠償金の申し出もあり、今年3月には、フィリピン司法当局が殺人罪で容疑者を告訴したのだった。また、双方は今後における漁業上の法執行時の武力使用禁止、法執行前の相互通報、拘束された漁船と船員の迅速な釈放などのコンセンサスも達成した。
フィリピンは2013年11月に「台風30号(ハイエン台風)」による大被害に見舞われ、6,000人あまりが死亡した。我が国はただちに空軍の輸送機18機、および海軍の軍艦一艘を出動させ、合計680トンの救済物資を被災地に輸送し、震災物資の現金換算額は1,200万米ドルに達した。
2011年3月に東日本大震災が発生し、1万8,000人もの命を奪った。台湾の政府は直ちに330万米ドルを贈り、震災支援に協力した。同震災発生から2カ月間で、台湾の国民からの震災義援金は2億3,000万米ドルに達し、これまでの海外支援の寄付金の中で最高額となった。この義援金の額はその他の93カ国から日本に贈られた義援金総額を上回るものだった。私も妻と共に、日本への義援金を呼びかけるテレビのチャリティー活動に出演し、微力ながらも応援した。このようなすべての行動は、我が国が国際社会において「ピースメーカー」および「人道的援助の提供者」となる決意を示すものである。
各国が「東シナ海防空識別圏」による軍事衝突を回避するために、私は2014年2月26日に「東シナ海空域安全声明」を提言し、全ての関係各方面に対し、国際法の遵守および「東シナ海平和イニシアチブ」を呼びかけ、それにより平和的な方法で、争議を解決するようにした。また同時に、関係各方面が「東シナ海行動準則」の制定を共に話し合い、多国間による協議メカニズムの迅速なる構築も呼びかけた。
米国のダニエル・ラッセル(Daniel Russel)国務次官補が2014年2月5日に米国連邦議会下院外交委員会東アジア・太平洋小委員会の公聴会で証言した際に、「『東シナ海平和イニシアチブ』の原則は米国の戦略と努力の核心であり、国際法の尊重および平和的な方法で争議を解決することである」と表明されたことは喜ばしい限りである。実際には、「東シナ海平和イニシアチブ」の精神は、南シナ海にも適用できるものである。
五、両岸の平和発展
両岸関係について、私が2008年に総統に就任してから推進してきた両岸政策は、政治的な現状維持であり、中華民国憲法の枠組みの下、台湾海峡の「統一せず、独立せず、武力行使せず」を維持し、「1992年のコンセンサス」、「『一つの中国』の解釈をそれぞれ表明する」の基礎の上に、両岸の平和的関係を維持していくものである。台湾海峡の恒久的平和を確立するため、私はこれまでにも正式な声明で、我が国は「2つの中国」、「一つの中国、一つの台湾」や「台湾独立」を推進しないと表明している。
双方が共に努力したことにより、いま両岸関係はここ60年余りの間で最良の状態となっている。これまで双方は10回にわたる話し合いを行い、21項目の協議(協定)に調印し、今後は代表事務所の相互設置を進めていく計画である。この21項目の協議は、経済協力、交通、衛生、科学、農業、司法相互協力などの分野が含まれている。両岸の直航定期便はゼロから現在の毎日118便へと増加した。中国大陸から台湾への旅行者数も、年間29万人から280万人へと飛躍的に増加し、10倍近く増えた。台湾で就学する中国大陸籍の学生の人数は800人から2万4,000人へと30倍に増加した。また、両岸の法執行機関の相互協力により、6,000人近い刑事事件容疑者が逮捕され、詐欺犯罪事件は60%減少し、台湾の被害者の経済的損失はピーク時から80%減少した。このように両岸関係の改善が台湾の実質的利益を確実にもたらしていることは明らかである。
我々は引き続き、これらの関連テーマの推進に力を入れて取り組んでいく。台湾の人々の支持が得られるならば、われわれは政治的テーマも排除しない。
我が国の行政院大陸委員会の王郁琦・主任委員(閣僚級)は、今年2月に中国大陸を訪問し、南京で中国国務院台湾事務弁公室主任の張志軍氏と会談した。これは両岸が分かれて65年間で初めての政府関係者による公式会談となった。今回の会談は両岸関係が着実に制度化されてきていることを象徴するものであり、恒久的な平和と繁栄への重要な一里塚となった。これらの進展は、活路外交および両岸関係が確実に相互に補完し合う好循環が形成されていることを証明するものである。
米国国務省のダニエル・ラッセル国務次官補が最近、米国連邦議会上院外交委員会において「米国は両岸関係が馬政権のリーダーシップの下で、大きく進歩したことを歓迎し、賞賛するものである」と証言したことについて、私はこの場で改めて米国に感謝申し上げたい。
六、中華民国と米国の経済貿易関係の強化
中華民国と米国の貿易投資関係は一貫して緊密である。2013年、台湾は米国にとって第12番目の物品貿易パートナーであり、台米間の貿易額は577億米ドルに達している。米国は台湾にとって最大の外資投資国であり、対台湾投資総額の累計は、今年1月までにすでに230億米ドルに達している。昨年3月、我が国と米国は1994年の『台米貿易及び投資枠組協定』の協議を再開し、第8回会合が先週ワシントンで順調に行われた。私はここで、双方代表の努力、ならびに同会合の中で前向きな成果が得られたことを称えたい。私は双方が可及的速やかに『二国間投資協定』の協議が行われることを期待している。なぜなら、『二国間投資協定』は、両国間の強固かつ包括的な経済関係を起動させるものだからである。
米国のヒラリー・クリントン前国務長官が2011年に、台湾と米国は「重要な安全保障および経済のパートナーである」と正式に表明したように、台湾は米国との経済貿易および投資関係を強化していく公約を実践するために、昨年秋に台湾の42名の経済界のリーダーらからなる代表団が米国の「セレクトUSA投資サミット」に参加した。世界60数カ国の参加国のうち、台湾の代表団の規模は第3番目に大きかった。また、蕭万長・前副総統は昨年11月に台湾の大手企業リーダーによる訪問団を伴い米国を訪問し、台湾企業の対米投資を奨励した。
七、中華民国の地域経済統合への積極参加の決意
台湾の競争力を強化し、辺境化されることを回避するため、私は2008年に総統に就任して以来、規制緩和と市場開放を進めてきた。我が国は主要貿易パートナーと正式な外交関係がなく、それらの国々と自由貿易協定の交渉を進めていくのが難しい。この孤立した状況を打破するため、我々は2003年以来台湾の最大の貿易パートナーとなった中国大陸から着手することを決定した。2010年に中国大陸と『両岸経済協力枠組み協議』(ECFA)に調印し、続いて我が国は2011年に台湾の第2の貿易パートナーおよび対台投資国である日本と投資協定に調印した。昨年7月に我が国はニュージーランドと『台湾・ニュージーランド経済協力協定』に調印し、同11月にはシンガポールと『台湾・シンガポール経済パートナー協定』に調印した。アジアおよびヨーロッパのその他潜在力あるパートナー国とも接触を進めており、より多くの同様の協定に調印できることを期待している。
二国間の貿易交渉を進めていくほかにも、我が国は地域経済統合に参加していかなければならない。台湾は高度に発展した市場を抱えており、世界3大市場である米国、中国大陸、日本はいずれも太平洋国家であり、東南アジア諸国連合(ASEAN)とも近接している。台湾は東アジア地区の経済統合プロセスから排除されるべきではない。
台湾は2013年の『環太平洋パートナーシップ協定』(TPP)メンバー12カ国との貿易総額が2,000億米ドル近くに及び、台湾の対外貿易総額の34%を占めている。台湾がTPPに参加することは、台湾に有益であるのみならず、TPPのすべてのメンバー国にも利益をもたらすものと確信している。
台湾がTPPの一員となることができれば、台湾の経済の安全が保障されるのみならず、米国のアジア太平洋における経済的プレゼンスが強化される。最近、米国国務省のラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)およびキン・モイ国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)がそれぞれ、連邦議会の公聴会において、米国が台湾のTPPへの参加意向について歓迎の意を表明したことを、私は喜ばしく感じている。
また、台湾は『東アジア地域包括的経済連携』(RCEP)メンバー16カ国とも緊密な貿易関係を維持している。2013年に台湾とRCEPメンバー国との貿易総額は3,250億米ドルに達し、台湾の対外貿易総額の57%を占めていることから、台湾がRCEPの参加を望むことはきわめて自然なことである。
我が国政府は最近、TPPおよびRCEPに参加するための努力として「自由経済モデル区」を設立した。「自由経済モデル区」の目標は、良好なビジネス環境を構築することであり、台湾がTPPおよびRCEPに参加するための道筋となるものである、台北市米国商会が出版するビジネス誌『Taiwan Business Topics』は自由経済モデル区について「台湾の政府が提唱して設立された自由経済モデル区は、政府が台湾経済に求められる一つのイノベーションの新しい方向性への重視を明確化したものである」と論評した。台北市米国商会が指す「新しい方向性」というのは、すなわち自由化とグローバル化である。
八、結び
中華民国と米国は東アジアの平和と安定を共に守る決意があり、手を携えて努力していきたい。行動は言葉に勝るものであり、米国は両国の百年にわたるパートナー関係の支持を確かに強い力で示しており、我が国は引き続き米国の政治、経済、安全保障上の支持に謝意を表する次第である。
私が先ほど述べたTPPおよびRCEPへの参加は、私の施政における優先事項である。『台湾関係法』の立法35周年を迎え、私は米国が我が国と共にこの目標に向かって努力していけることを期待している。私はこの目標が両国のパートナー関係を起動させる新たな1ページとなることと確信している。可能性は無限である。両国の特別なパートナー関係に向かって、さあ飛び立とう!
会議における最後のあいさつ
「戦略国際問題研究所」が『台湾関係法』立法35周年の前夜というこのタイミングに、このような意義深く、台米関係を語り合うテレビ衛星会議を開催してくださったことに、改めて感謝申し上げる。同時に、台米関係の現況について貴重な見解および観察を提供してくださった本日のパネリスト並びに参加者の皆様にも感謝したい。『台湾関係法』は台米関係の基礎となるものであり、長い時間をかけて試され、台湾で急速に発展した民主主義と経済の活力を与え、これによって台湾は自信を持って対岸の中国大陸と建設的な往来を行うことができる。会議の閉会前に、私は改めて『台湾関係法』立法35周年に敬意を表すとともに、中華民国と米国の両国国民の緊密な友情を称えたい。これまで、戦争のときも平和のときも、栄光のときも低迷のときも、台米両国は常に同一陣営に立ってきた。未来に向けて、中華民国と米国は肩を組んで協力を続け、共に努力していこうではないか。
【総統府 2014年4月9日】
写真提供:総統府