国交樹立国14カ国、中華民国（台湾）のオブザーバー参加をWHO総会に提案

　世界保健機関（WHO）の最高意思決定機関、第73回WHO総会（世界保健総会＝WHA）は5月18日と19日に開催される。今年は新型コロナウイルス（COVID-19）の関係で、ビデオ会議方式で行われる。また今年は、米国や日本など理念の近い国々が強く声を上げ、WHOが台湾を招待するよう呼びかけているほか、中華民国（台湾）と正式な外交関係を結んでいる国々も同様の提案を正式に行うなど、台湾のWHO参与が総会の焦点の1つとなっている。

　今年はニカラグア、パラオ、エスワティニ王国、セントルシア、マーシャル諸島、セントクリストファー・ネービス、ベリーズ、ハイチ、ナウル、パラグアイ、ツバル、グアテマラ、ホンジュラス、セントビンセント及びグレナディーン諸島の14カ国が正式に提案を終えている。また、バチカン市国はWHOにおいてはオブザーバーであるため、従来から提案とは異なる方式で台湾のWHO参与を支持している。

　これら中華民国（台湾）と国交を樹立している国々が行った提案では、新型コロナウイルスの世界的大流行は寛容性、ならびに誰も全世界の衛生ネットワークから除外すべきではないことの緊急性と重要性をいっそう際立たせたとし、WHO総会で台湾の参与を話し合うことは必要かつ時機にかなうことだと主張している。

　この提案の文章は全て台湾を支持する発言となっており、台湾をWHOに加えれば感染症に対する全世界の対抗と予防の能力をはるかに強められるほか、台湾の2,300万人が健康を享有する権利を保障でき、さらには全世界の利益につながると主張している。

　また、セントビンセント及びグレナディーン諸島は特に、台湾が2009年から2016年までWHO総会に招待され、有意義な交流が行われていたことに言及、民進党の蔡英文女史が総統に就任後、台湾が引き続きオブザーバーとしてWHO総会に参加することに中華人民共和国が反対するようになったと説明した。セントビンセント及びグレナディーン諸島は、国際組織の立場がはっきりせず、民主的な台湾で政権交代が起きたことで立場を変えることは完全に不適切だと強調した。

　同国はさらに、台湾の人々は民主主義に基づいて総統を選んだが、それが中国に受け入れられなかったため罰を与えられていると指摘。宏大な中華文明、ならびに合法的に行われる政治的主張が誤って制限されるべきではないと訴えた。そして、新型コロナウイルスが広がっている今こそ、台湾がWHOのオブザーバーとなるべきタイミングだと主張、台湾の感染対策は世界から評価されており、今年の総会の議題にこの件を加えることを要求した。

Taiwan Today：２０２０年５月１４日

写真提供：中国時報
　中華民国（台湾）と正式な外交関係を持つ国のうち14カ国が、WHO総会に台湾をオブザーバー参加させるよう求める提案を正式に行った。新型コロナウイルスが世界的に流行する中、同ウイルスの封じ込めに成功している台湾の参加がなるか注目されている。写真は検疫スタッフ（左）が新型コロナウイルスの検体採取を行っているところ。