花蓮市と高千穂町が姉妹都市1周年、記念作品お披露目

　台湾東部・花蓮市は昨年、日本の宮崎県・高千穂町と姉妹都市盟約を締結した。1周年を迎えたこのほど、花蓮市公所（市役所）は、記念にパブリックアートを設置した。これは、「同舟共渡（互いに協力して困難を乗り越えるという意味の熟語）」と名付けられた大理石を使った作品で、20日にお披露目された。新型コロナウイルスの影響で、高千穂町の甲斐宗之町長が花蓮を訪れることはできなかったが、記念に製作された作品が表している双方の「同舟共渡」の意志を伝え、さらに緊密な関係が構築できるよう期待がもたれる。

　花蓮市の魏嘉賢市長によると、花蓮市と高千穂町は2005年に観光交流宣言を交わし、友好都市となった。2018年花蓮地震が発生した際は、当時の高千穂町長、内倉信吾氏が花蓮市にお見舞いと支援の意を表明、双方の友好関係がさらに深まった。そのような経緯を経て、花蓮市と高千穂町は昨年10月8日、さらに緊密な姉妹都市として盟約を結ぶに至った。

　魏嘉賢市長は、花蓮市公所による都市外交が、新型コロナウイルス感染症という困難に直面する中、新たな一歩を踏み出したと強調した。このような状況で、自身が国境を越えて支援に行くことは不可能だが、4月には、手作り石鹸や3Dプリンタで製造したフェイスシールドなど防疫物資を米国、日本、韓国の友好・姉妹都市に寄贈した。花蓮市はこのようにして「防疫に国境なし、友情は千里の道も渡る」をモットーに任務を遂行している。

　外交部東部弁事処の粘信士処長は、花蓮市公所の一連の行動に対して、政府の推進する「We Can Help」政策に呼応していると評価した。花蓮市公所は、防疫物資を手作りし、海外の友好・姉妹都市の7都市へ送った。これは、花蓮市が「困難は他人事ではない」という助け合いの精神を発揮し、友好関係を結ぶ都市に対して十分な思いやりを表すものでもある。

　姉妹都市盟約締結一周年を記念したパブリックアートのお披露目に立ち合えなかった甲斐宗之町長だが、フェイスブックのライブ配信を通じて、パブリックアートの除幕式を視聴し、感謝のメッセージを寄せた。甲斐宗之町長は、「永遠の友情」の誓いを強調し、新型コロナウイルスが一日も早く終息するよう願った。さらに高千穂町議会の工藤博志議長も、高千穂町議会が花蓮市との交流や発展について全力でサポートすると述べた。

Taiwan Today：２０２０年１１月２３日

写真提供：中央社
　台湾東部・花蓮市は、日本の宮崎県・高千穂町と姉妹都市盟約締結1周年を記念してパブリックアート作品「同舟共渡」を設置、20日にお披露目された。除幕式には、花蓮市の魏嘉賢市長（前列左から3人目）も参列した。