頼総統が米タイム誌に対し、「全世界が台湾人民の選択を尊重するよう望む」

　頼清徳総統が先ごろ米タイム誌のインタビューに応じ、外交、両岸関係、半導体産業、国内の経済発展などについての質問に答えた。インタビュー内容は13日発売の同誌に掲載された。表紙は頼総統で、頼総統はバイデン米大統領、タイのセター・タウィーシン（Srettha Thavisin）新首相に続いて、今年同誌の表紙を飾る3人目の国家指導者となった。

　頼総統はこの中で、「全世界の国が台湾人民の選択を尊重するよう希望する」と述べ、今後国際社会が台湾を助け、台湾を知り、台湾を支持するよう努力していく考えを示した。また、中国は台湾の外交関係への影響を狙っているが、台湾が世界での「自由の灯台」、「民主主義の堡塁」となっている成果を変えることはできないと強調した。

　中国共産党が現在の政府との意思疎通、対話を拒否していること、ならびに中国関連の問題について問われた頼総統は、台湾海峡の平和と安定は世界の安全保障と繁栄に必要な要素だとした上で、自分は総統就任演説で明確に述べたように蔡英文前総統の「四つの堅持」の路線を踏襲し、恐れずおごらず、現状を維持し、台湾の責任を果たしていくと語った。「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」とした論述については、事実に基づいて述べたにすぎず、蔡英文前総統と馬英九元総統もかつて「互いに隷属しない」との立場に言及したことがあると説明した。

　頼総統は、中国が台湾を併呑しようとする態度は中華人民共和国の国策だろうが、台湾海峡で争いを起こすことはインド太平洋地域の平和と安定に影響するため国際社会は受け入れないだろうし、台湾人民と与野党もそろってこれに抵抗するはずだとし、「団結、ならびに国際社会と結びついてこそ、台湾は我々の主権が侵されないこと、民主主義で自由な生活方式が破壊されないことを確保できるのだ」と強調した。

　中国の経済問題が悪化していることについて頼総統は、中国政府の自由市場に対する締め付けはいっそう強くなるとの見方を示し、知的財産権の保障についても国際社会の期待にずっと応えておらず、中国のビジネス環境は過去と比べて大きく劣っていると指摘する一方、「中国の安定は台湾の安全につながる。台湾の繁栄は中国の進歩を促す」と述べ、中国経済の悪化や社会の混乱は望まない立場を示した。そして、「新政権は中国に協力し、台湾海峡の平和と繁栄、両岸の平和と繁栄を促進する用意がある」と語った。

Taiwan Today：２０２４年６月１４日

写真提供：総統府サイトより
　頼清徳総統（右）が先ごろ米タイム誌の取材に応じ、外交、両岸関係、半導体産業、国内の経済発展などについて説明した。今年同誌の表紙を飾った国家指導者は頼総統で3人目。

頼総統が米タイム誌に対し、「全世界が台湾人民の選択を尊重するよう望む」

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