李逸洋駐日代表 双十国慶節祝賀レセプションあいさつ
麻生元総理、日本台湾交流協会大橋会長、日華議員懇談会古屋会長、東京国際大学倉田理事長、日本中華連合総会羅会長、並びにご来賓の皆様、こんばんは。
今晩、駐日代表処が本年の国慶節レセプションを開催します。2日後には、我が国の誕生日を迎えます。本日は千人を超える日本各界のご来賓、各国の外交使節、台湾の僑胞の方々にご出席いただき、心より御礼申し上げます。ぜひご一緒に中華民国台湾の誕生日をお祝いしましょう。
先ほど、レセプションの冒頭で、頼清徳総統が掲げる「台湾は世界の舞台の中心に」をテーマにした映像を上映しました。これは今年の新しい試みです。皆様の熱心なご視聴に、心から感動いたしました。
台湾の国土面積は世界140位、人口は57位です。平均すると世界100位程度ですが、台湾人の懸命な努力により、私たちより条件の良い国の4分の3を追い抜き、世界25位くらいになったかと思われますが、実際の台湾の実力は皆様の想像を超えています。株式時価総額は世界10位、TSMCは世界8位の企業に成長し、一人当たりのGDP(PPP換算)は世界12位です。
半導体産業では、TSMCのハイエンドチップが世界シェア90%、台湾のウェハー・ファウンドリ(Wafer Foundry)が65%を占め、IC設計やパッケージング(Packaging)・テスティング(Testing)も世界トップです。台湾の半導体産業は世界をリードしています。
さらにうれしいことに、今後10年から20年間世界をリードするAI(人工知能)分野でも、台湾は重要な役割を果たしています。AI企業の最大手NVIDIA社の黄仁勲(ジェンスン・フアン)CEOは、「台湾はAIインフラのスタート地点」「AIサプライチェーンにおける台湾の貢献は大きい」「台湾は世界のAIの中心」と高く評価しています。
こうした実績から、頼総統の掲げる「台湾は世界の舞台の中心に」というのはまったく正しいと言えます。台湾の成功と世界における地位は、皆様の想像よりはるかに強く、素晴らしいものです。皆さん、これはうれしくて光栄なことだと思いませんか?
NVIDIAは台北に研究開発センター、高雄に先進コンピューティングセンターを設立し、ASML、Google、Microsoft、Micron、AMDなど世界トップ企業も最先端の研究開発拠点やデータセンターを台湾に設置しています。頼総統が掲げる「人工知能テクノロジーの島」というビジョンが現実となりつつあり、台湾は世界の宝と言えるでしょう。
しかし2022年以降、中国は台湾を包囲するような軍事演習を毎年実施し、中国軍の軍機や軍艦、海警局の船舶が台湾周辺に現れない日はありません。台湾の生存は悪い隣人により深刻な脅威を受けています。
2021年の日米首脳会談で台湾海峡の平和維持を注視することを呼びかけ、世界の民主主義国家がこれに共鳴し、中国による武力での現状変更は容認できないという共通認識が確立されました。われわれはこの支持に感謝しています。
また、さまざまな重要な国際会議でも、台湾海峡の平和と安定が世界の繁栄に不可欠であると強調され、台湾の国際機関への参加支持が表明されています。
さらに、アメリカの軍艦が12年間で100回近く台湾海峡( )を通航したほか、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなども軍艦を通過させ、実際の行動で台湾を支持しています。これは、国際航路の自由通航権を主張し、中国による一方的な封鎖や武力行使を容認しないことを示しています。
TSMCは最先端半導体チップの世界シェア90%を占めており、もし台湾が封鎖され半導体供給が中断されれば、世界の年間経済損失は5兆ドル(約725兆円)、世界GDPの5%に上ると予想されます。台湾海峡の平和は、台湾の発展のみならず、世界経済の繁栄に直結しているのです。
台湾は今後も日本、米国などすべての民主主義国と協力し、経済、科学技術、安全保障で連携を深めます。頼総統が掲げる「民主主義の保護の傘」を共に広げ、権威主義の拡張による民主国家への侵略を防ぎ、台湾海峡と地域の平和を守り、世界の繁栄を守っていきたいと望んでいます。
最後になりましたが、今年台湾の花蓮地震の際には、日本政府と国民の皆様から迅速かつ、ご厚情あふれるお見舞いの言葉と義援金をいただき、台湾の国民は深く感謝しています。今日この場をお借りし、改めて日本政府と国民の皆様に感謝を申し上げます。
中華民国台湾の誕生日をお祝いしますとともに、ご来場の皆様のご健康とご多幸、そして台日関係の更なる発展を心よりお祈り申し上げます。本日は誠にありがとうございます。