中米5か国訪問の林佳龍外交部長、最初の訪問先グアテマラで交流深める
外交部の林佳龍部長(外相)は23日に台湾を出発し、中米の5つの国交樹立国(グアテマラ、セントルシア、ベリーズ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島)を訪問している。24日と25日は最初の訪問先であるグアテマラに滞在した。林部長がグアテマラを訪問するのは3度目だが、外交部長の身分での訪問はこれが初めて。
林部長はまず、ベルナルド・アレバロ大統領を表敬訪問し、中華民国台湾とグアテマラの両国関係への強い支持に感謝した。また、台湾とグアテマラは揺らぐことのない盟友であり、これまでグアテマラでの病院建設に協力したり、医薬品や医療設備、消防装備の無償供与を行ってきたとした上で、これからもグアテマラの国民が実感するような支援プロジェクトを実施することを約束した。その後、林部長夫妻はベルナルド・アレバロ大統領夫妻が主催する宴会に招かれた。林部長は、頼清徳総統からの伝言として、ベルナルド・アレバロ大統領夫妻の台湾訪問を要請し、90年の関係を持つ中華民国台湾とグアテマラが、次の90年に向かって新たな関係を構築できるよう期待を寄せた。
林部長はこのほか、グアテマラのカルロス・マルティネス外相とも会談した。林部長とその一行は、マルティネス外相が主催する歓迎会に出席し、中華民国台湾とグアテマラの国交樹立90周年を祝った。林部長はこの宴席で、グアテマラが今年、書簡の発出を通してWHA(世界保健機関WHO年次総会)や国連(UN)への台湾加盟を支持したことに感謝した上で、まもなく開催される国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)でも引き続き台湾の参加を支持し、台湾にとって世界で最も揺るぎない友人となってくれるよう求めた。
また、今回の外遊には林部長の夫人である廖婉如さんも、グアテマラのルクレシア・ペイナド大統領夫人の招きを受けて同行した。廖婉如さんは、ペイナド大統領夫人の案内でスンパンゴという都市を訪れ、巨大な紙凧をつくる工房を参観し、この地方に伝わる大凧文化について理解を深めた。また、アンティグアの博物館や国立文化宮殿などを訪れ、地元の音楽や民族舞踊などを鑑賞し、台湾とグアテマラの文化交流の促進に取り組んだ。
25日、林部長は台湾の支援によって今年完成した国立サン・フアン・デ・ディオス総合病院の新生児病棟を訪れ、患者家族と交流するなどして、台湾とグアテマラの協力の成果を感じた。
病棟で談話を発表した林部長は、台湾とグアテマラの協力によって新生児病棟が建てられたほか、台湾の技術支援チームがは「妊産婦と新生児計画」の実施によって、近隣の医療機関の医療スタッフの育成に協力し、妊婦の出産前、分娩、産後の臨床ケア強化を図り、新生児の早産・死産のリスクを下げ、毎年7万人の妊婦や新生児がその恩恵を受けていると説明した。また、関連の医療人員を台湾に招へいする事業も実施しており、延べ450人が台湾での研修に参加する予定でり、これはグアテマラの女性や子どもへのケアの質をより高めることになるだろうと述べた。
なお、林佳龍部長のグアテマラ訪問を受けて、中国の外交部は「グアテマラは大局を見極め、正確な選択をすべきだ」としてグアテマラを非難した。さらには、1971年10月25日に第26回国連総会で採択された第2758号決議に関する誤った解釈を振りかざし、「一つの中国」の原則といった荒唐無稽な主張を行った。台湾の外交部はこれに対して、「国交樹立国とわが国の関係の破壊と分化を企むものだ」として強く非難した。
台湾の外交部はまた「中華民国(台湾)は主権独立国家であり、中華人民共和国とは互いに隷属しないというのが台湾海峡の客観的現状であり、なおかつ国際社会公認の事実である」とコメントしている。
Taiwan Today:2024年10月28日
写真提供:外交部
外交部の林佳龍部長(外相、左)は23日に台湾を出発し、中米の5つの国交樹立国(グアテマラ、セントルシア、ベリーズ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島)を訪問している。24日と25日は最初の訪問先であるグアテマラに滞在した。中央はグアテマラのベルナルド・アレバロ大統領、右はカルロス・マルティネス外相。