林外交部長、セントビンセント及びグレナディーン諸島を訪問
中米・カリブ地域の国交樹立国5か国(グアテマラ、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、ベリーズ、セントクリストファー・ネービス連邦)を歴訪中の外交部の林佳龍部長(外相)は26日、最初の訪問先であるグアテマラから、次の訪問先であるセントビンセント及びグレナディーン諸島へ移動した。
林佳龍部長はまず、在セントビンセント及びグレナディーン諸島中華民国大使館の范惠君大使とともにスーザン・ドゥーガン総督を表敬訪問した。林部長はまず信任状を捧呈し、頼清徳総統から託された祝賀の書簡を総督に手渡した。また、総督夫妻の案内で総督府内を参観した。林部長は芳名帳に「R.O.C. (Taiwan) & St. Vincent and Grenadines, Everlasting Friendship!」(中華民国台湾とセントビンセント及びグレナディーン諸島の友情は永遠である)と書き込み、両国の関係が長く続くよう期待を寄せた。
林部長はその後、ラルフ・ゴンサルヴェス首相の招きを受けて歓迎レセプションに出席し、中華民国とセントビンセント及びグレナディーン諸島が国交樹立後43年間でさまざまなプロジェクトを成功させてきたこと、とりわけ農業、ICT(情報通信技術)、公衆衛生等の分野で大きな成果を得ていることを指摘した。また、今年4月に台湾東部・花蓮で地震が発生し、今年7月にはセントビンセント及びグレナディーン諸島が大型ハリケーン「Beryl」(ベリル)の被害を受けたが、両国はすみやかに相手に支援の手を差し伸べたとし、これは両国の間に苦難を共にし、互いに助け合うという友情があったからだと述べた。
林部長はまた、頼清徳総統が5月20日の就任演説で述べたように、民主主義、平和、繁栄が台湾の既定路線であり、それは台湾と世界を結び付けるものだと指摘。台湾の外交部は各省庁と一丸となって「総合外交」を展開し、台湾が持つ経済や科学分野での優位性を活かして、台湾を世界に、世界を台湾に引き入れようとすると同時に、自由、民主主義に基づく憲政体制を守り、実力によって台湾海峡およびアジア太平洋地域の平和と安定を維持しようとしていると説明した。
林部長は最後に、セントビンセント及びグレナディーン諸島が長年にわたり台湾の国際参与を支持していることに感謝し、とりわけゴンサルヴェス首相が今年開催された第79回国連総会で台湾について2度言及したこと、台湾海峡の平和と台湾による国際組織への参加を支持したことに謝意を示した上で、両国の国運隆昌と双方の国民の友好が末永く続くよう願った。
林部長はこのほか、ゴンサルヴェス首相とともにアーノス・ヴェール急性期病院の起工式に参加した。林部長は、この病院の建設は台湾とセントビンセント及びグレナディーン諸島の緊密な関係を象徴する重要なプロジェクトであり、セントビンセント及びグレナディーン諸島の医療の近代化を図るとともに、地元の人々のために多くの雇用機会を創出することになるだろうと期待を寄せた。林部長はまた、病院建設のほか、キングスタウンの港湾・ふ頭の近代化、道路整備、国会や司法ビルの建設など、セントビンセント及びグレナディーン諸島のインフラ建設の多くに台湾が関わっていることにも言及した。
林部長は続いてオレンジ・ヒル農場を訪問し、農業訓練教室や冷蔵庫などの供用開始を祝うセレモニーに出席した。林部長は、台湾とセントビンセント及びグレナディーン諸島は農業技術分野でも協力の成果を上げているとして、その重要な成果の一つがオレンジ・ヒル・バイオテクノロジー・センターの設立だとし、同センターが重要な支柱となり、セントビンセント及びグレナディーン諸島の農業の近代化と発展を推進してきたと述べた。林部長は、台湾とセントビンセント及びグレナディーン諸島が2025年に農業分野で新たなプロジェクトをスタートさせることを明らかにし、スマート技術の導入が農業の生産力向上と若者の農業従事促進につながるよう期待を寄せた。
林部長はほかに、ラバッカに建てられた繁殖羊舎の除幕式や、台湾とセントビンセント及びグレナディーン諸島のナショナルデーを祝うイベントなどに参加した。
中華民国とセントビンセント及びグレナディーン諸島は1981年に外交関係を樹立。その後、43年間にわたってさまさまな分野で協力プロジェクトを展開している。
Taiwan Today:2024年10月29日
写真提供:外交部
中米・カリブ地域の国交樹立国5か国(グアテマラ、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、ベリーズ、セントクリストファー・ネービス連邦)を歴訪中の外交部の林佳龍部長(外相)は26日、セントビンセント及びグレナディーン諸島を訪問した。写真はアーノス・ヴェール急性期病院の起工式に参加した林部長(右)とゴンサルヴェス首相(左)。