中米・カリブ海地域訪問の林佳龍外交部長、次はセントルシアへ
中米・カリブ海地域の国交樹立国5か国を歴訪している外交部の林佳龍部長(外相)は現地時間28日、3つ目の訪問先であるセントルシアに到着した。林部長は、シリル・エロール・メルチアデス・チャールズ総督代理やフィリップ・ピエール首相を個別に表敬訪問したほか、全閣僚との昼食会に参加した。同日午後には国会へ向かい、アルビナ・レイノルズ上院議長およびクラウディウス・フランシス下院議長と会談を行った。
林部長はセントルシアについて、カリブ海地域における中華民国台湾の重要な国交樹立国であり、両国は自由、民主主義といった同じ価値観を共有しており、同じように権威政権の脅威に直面していると説明した上で、セントルシアが台湾の国際参与を強く支持していること、モーゼス・Jn・バプティスト保健相やアルバ・バプティスト外相などが今年のWHO総会(WHA)や国連総会で台湾のために発言してくれたことに感謝した。
林部長はまた、両国が長年、教育、科学技術、公衆衛生、インフラ建設、女性や若者のエンパワーメントなどの分野で緊密に連携し、成果を上げているとした上で、今後中華民国政府は「総合外交」を推進し、台湾の優れた科学技術や成功例をセントルシアと共有し、セントルシアの経済発展に寄与していきたいと述べた。
これに対してピエール首相は、台湾が長期にわたってセントルシアに提供してきた各種の実質的支援はいずれも現地のニーズに合致したものであり、セントルシアの政府と国民はこれを決して忘れないと述べた。ピエール首相はまた、既存の堅実な協力関係の上に、今後も引き続き互いの発展を助け、経験を共有しながら両国の関係を深化させることを約束した。
林部長はこのほか、台湾の支援によって建設されたナショナルICTセンターを訪問し、ヴァージニア・アルバート・ポヨッテ公益事業・内務・労働・ジェンダー問題大臣やリチャード・フレデリック首相府付大臣(住宅及び地方自治担当)とともに、同センターが実施する人材育成講座の授賞式に出席した。林部長は、この人材育成講座に参加したセントルシアの公務員たちがAIを有効活用して創作を行ったり、デジタル・ガバメントの推進に取り組んでいることを称賛すると同時に、偽情報やサイバー攻撃への警戒を怠らないようアドバイスした。林部長はまた、ICT(情報通信技術)は台湾の強みであり、台湾はセントルシアを含む国交樹立国と、台湾のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の経験を喜んで共有し、国家発展をサポートするスマート・ソリューションを提供していきたいと述べた。
林部長はさらに、ピエール首相および全閣僚が立ち会う中、モーゼス・Jn・バプティスト保健相とともに、セントルシアの「健康情報収集システム」の供用開始を宣言した。このシステムは台湾の国泰医院とセントルシアの保健省が共同開発したもので、セントルシアの医療従事者がデジタル方式でコミュニティや各世帯のスクリーニングデータを収集・登録することができる。データの管理、分析、モニタリングなどのメカニズムを構築することで、セントルシア保健省が慢性疾患に関する政策を講じる際の参考にすることができる。
林部長は同じ日、セントルシアのクラウディウス・フランシス下院議長やアルフレッド・プロスペレ農業相とともに「台湾・セントルシア・マーケット」を参観し、台湾によるさまざまな支援プロジェクトの成果を視察した。会場には多数のブースが並び、外交部所管の外郭団体である財団法人国際合作発展基金会(略称は国合会、ICDF)の指導を受けた農家や小さな店舗を持つ生産者などが、農産品、加工品、手工芸品などを並べて林部長を歓迎した。
中華民国台湾とセントルシアは2007年の国交回復以来、さまざまな分野で緊密に協力してきた。現在台湾がセントルシアで実施しているプロジェクトには農産品の生産・販売、地方の産業発展指導、ICT(情報通信技術)、メタボリックシンドローム予防、青年・女性のエンパワーメント、台湾華語教育などがあり、同国の要人や民間から幅広く評価を受け、歓迎されている。
今回の訪問ではセントルシア関連省庁の首長から、台湾とセントルシアの各プロジェクトが民間レベルに浸透し、セントルシア国民の生活に大きな利益をもたらしていることが林部長に伝えられた。中華民国外交部は、「これこそ、民主主義の価値と経済・貿易・ハイテクなど台湾が持つ優位性を結び付けた『総合外交』の典型である」とコメントしている。
Taiwan Today:2024年10月30日
写真提供:外交部
中米・カリブ海地域の国交樹立国5か国を歴訪している外交部の林佳龍部長(外相)は現地時間28日、3つ目の訪問先であるセントルシアに到着した。写真はフィリップ・ピエール首相との会談の様子。