【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2024年6月第2週TOPICS
【海巡署、約900キログラムの薬物密輸を摘発/台湾-政治-】
(台北中央社)海上犯罪を取り締まる海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)偵防分署が今年3月、南部・高雄港に停泊していたモンゴル船籍の貨物船が関与する薬物密輸を摘発し、893.23キログラムのケタミンを押収していたことが分かった。末端価格は約9億台湾元(約44億円)に達するとみられる。
12日に開かれた薬物の取り締まりに関する記者会見で明らかになった。この取り締まりは、検察や警察、海巡署、税関などが連携して実施した。
今回の摘発では貨物船が密輸に関与している可能性があると情報を得た摘発チームが船内への立ち入り検査を実施。ミャンマー人船長ら8人を逮捕した。押収したケタミンが入った一部の袋には中国などで使われる簡体字で「鉄観音」と書かれており、引き続き出所などについて調べているとした。
記者会見に出席した卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は関係者らに対し、薬物の根源を断ち、政府が薬物を容認しない決意を示すよう求めた。:2024年6月13日
【台湾半導体企業の「脱中国」 頼総統「政府は尊重」=米タイム誌インタビュー-政治-】
((台北中央社)米誌タイム(電子版)は13日、頼清徳(らいせいとく)総統のインタビューを掲載した。頼氏は台湾の半導体企業の「脱中国」について、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を含む半導体企業が会社の利益や発展を考慮した上で米国や日本、欧州、その他の国家に拠点を設けるとすれば、「基本的に政府は(企業の決定を)尊重する」と述べた。
頼氏は、台湾の半導体企業が米国に拠点を移して中国から撤退することで、衝突のリスクが高まると考えるかと聞かれた。これに対して頼氏は、台湾はIC(集積回路)の設計やウエハー製造、パッケージングとテストの工程を担っているものの、部品や設備、技術は米国や日本、オランダに分散していると言及。その上で、地政学的な変化は半導体企業の分散化に影響を与え続けるとし、世界的なサプライチェーン(供給網)の再構築がいかなる単一の国にも特定されないことを考慮すれば、半導体企業の中国離れが衝突のリスクを高めるとは思わないとの考えを示した。
また、5月20日の就任演説で「両岸(台湾と中国)は互いに隷属しない」と発言したことについては「挑発の意図はない」と説明。発言の内容は事実であり、蔡英文(さいえいぶん)前総統や馬英九(ばえいきゅう)元総統も在任中に同様の発言をしていたと指摘し、発言の目的は台湾の人々を団結させることにあったと語った。:2024年6月13日
【世界平和度指数 台湾は43位 1位は2年連続アイスランド 日本は17位–社会-】
(シドニー中央社)オーストラリアのシンクタンク、経済平和研究所(IEP)などが12日発表した2024年版の世界平和度指数で、台湾が43位に格付けされたことが分かった。1位は2年連続でアイスランド。日本は17位だった。最下位の163位はイエメン。
23の指標を基に世界の国・地域を格付けた。IEPは、2023年と比較すると97カ国・地域の指数が悪化し、その程度は過去十数年間のどの年よりも大きかったと指摘。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘やロシアによるウクライナ侵攻などがその理由だとした。また最上位と最下位の差は、過去最大だったとした。
上位の国は、アイスランドの他、アイルランド、オーストリア、ニュージーランド、シンガポールなどが続いた、下位の国はイエメンの他、スーダン、南スーダン、アフガニスタン、ウクライナの順だった。
アジア太平洋地域での最高位はニュージーランド。以下シンガポール、マレーシア(世界10位)、日本、オーストラリア(同19位)、ベトナム(同41位)、台湾、モンゴル(同45位)、韓国(同46位)と続いた。中国は世界89位。北朝鮮は世界152位だった。:2024年6月13日
【TSMCドイツ工場、約2千人雇用へ 2027年量産開始予定=合弁会社社長/台湾–経済-】
(ベルリン中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が2027年の量産開始に向けて建設計画を進めているドイツ東部ドレスデンの工場について、2千人規模の社員を募集する見込みであることが分かった。同社とドイツ企業などが出資する合弁会社、欧州半導体製造(ESMC)のクリスティアン・コイッチュ社長が10日、ベルリンで開催されたフォーラムで明かした。
コイッチュ氏は今後3~5年でTSMCのエンジニア数百人がドレスデンに派遣されるほか、ESMCとして2千人近くのドイツ人やヨーロッパ出身の社員を募集する予定だと説明。台湾の技術的強みと、仕事上で効率や規律を重んじるドイツの特質を結び付けることで、卓越した世界レベルのチームをつくれればと語った。
同工場の年間生産能力は12インチウエハー約48万枚に上る見通し。コイッチュ氏は同工場の設置で半導体サプライチェーン(供給網)で欧州の占める割合が高まるだけでなく、産学連携も計画していると言及。博士課程の学生に検証環境を提供したり、新たにイノベーションのためのプラットフォームを開放したりすることで、学生が半導体産業に関連する学位を取得する手助けをしていくと述べた。
ESMCはTSMCの他に自動車部品大手ボッシュや半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ、NXPセミコンダクターズが出資して設立された。コイッチュ氏はボッシュの出身。:2024年6月12日
【札幌のYOSAKOIソーラン祭り、台湾との交流随所に 台南市は優勝チームにマンゴー贈呈-観光-】
((札幌中央社)札幌市で5日から9日まで行われたYOSAKOIソーラン祭りでは、台南応用科技大学(南部・台南;市)のチームが踊りを披露した他、台南市がマンゴーを販売するブースを出展したり、交通部観光署(観光庁)東京事務所の鄭憶萍所長がコンテストの審査員を務めたりするなど、台湾との交流が随所で見られた。最終日の9日にはコンテストで「YOSAKOIソーラン大賞」を受賞した札幌市内の郷土芸能団体「平岸天神」に、観光署がパイナップルケーキ1年分を、台南市政府がマンゴー1年分をそれぞれ贈った。
国内外のチームが演舞を披露する同祭り。33回目の今回は250以上のチームから約2万人の踊り手が参加した。
9日夜に行われたコンテストのファイナル審査を前に、黄偉哲(こういてつ)台南市長が登壇し、大賞チームにマンゴー365個を贈ることを発表すると、会場からはうらやましがる声が上がった。ステージにはファイナル審査に進出したチームに加え、台南応用科技大など審査を受けないチームも登場し、踊りを披露した。
中央社の取材に応じた黄氏は、同大の学生らによるパフォーマンスが日本の人々を楽しくさせ、拍手を巻き起こした様子に触れ、非常に良い文化交流と都市マーケティングを成功裏に行えたと述べた。また今後、文化やスポーツ、学生交換による交流を多く行えればと話した。:2024年6月10日