【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2024年12月第1週TOPICS
【頼清徳総統、ハワイのシンクタンクで講演 太平洋3カ国歴訪で経由/台湾-政治-】
(ホノルル中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は1日(現地時間)、中華民国(台湾)と外交関係を有する3カ国歴訪の経由地として滞在中の米ハワイで、シンクタンク「イースト・ウエスト・センター」で行われた政策座談会に参加し、講演した。
頼氏は「共栄の未来:インド太平洋地域の平和と繁栄のパートナーとしての台湾」と題し、英語で約8分間講演した。座談会は非公開で行われ、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のジェームズ・モリアーティ前理事長らも参加した。
総統府の郭雅慧報道官によれば、頼氏は座談会の後、オアフ島内の観光地、クアロラ牧場を訪問した。
頼氏は2日早朝にハワイを出発し、日付変更線を跨いで3日朝にマーシャル諸島に到着する予定(いずれも現地時間)。その後、ツバル、経由地の米領グアム、パラオの順で巡る。:2024年12月2日
【ボクシング世界大会で台湾の黄筱雯が優勝 女子54キロ級 日本での練習、実を結ぶ-芸能スポーツ-】
(台北中央社)ボクシングの世界大会「ワールド・ボクシング・カップ・ファイナル」は11月30日、英国シェフィールドで女子54キロ級の決勝が行われ、台湾代表の黄筱雯がモンゴルの選手を下して金メダルに輝いた。コーチの劉宗泰さんは、日本でのトレーニングが功を奏したと話した。
黄は2021年東京五輪の銅メダリスト。今年のパリ五輪では2回戦で敗退したが、審判の誤審があったとみられている。
劉さんは中央社の取材に対し、大会前に黄が背負っていたプレッシャーはやや大きく、練習時には右足の親指の骨にひびが入ってしまうハプニングもあったと言及。パリ五輪での敗退を経験した黄にとって、今回の金メダルは自信を大いに高めるものとなったと語った。今後は来年2月までけがの治療に専念し、26年の愛知・名古屋アジア大会に目標を定めて着実に歩みを進めていくとした。
同大会ではこの他、女子50キロ級に出場した劉宇珊が銅メダルを獲得した。:2024年12月2日
【台湾初の国産沿岸型振り子式波力発電装置、水槽試験を完了 海洋エネルギー開発が前進–経済-】
(台南中央社)成功大学(南部・台南市)が南部の複数の大学や研究機関と共に開発した台湾初の国産沿岸型振り子式波力発電装置「WaveArm」(擎浪者)が4日、水槽試験を終えた。台湾の海洋エネルギー開発に有意な貢献をすることが期待されている。
成功大によれば、同装置は革新的な振り子構造を採用。筒型形状の浮体とアーム、動力取り出し装置で構成される。総重量は約3トン。絶えず打ち寄せる波の上下運動によって浮体を動かし、発電機を駆動させる。防波堤上に設置可能で海上での施工が不要なため、漁業や海洋の生態系への影響も減らせるという。
開発プロジェクトを取りまとめる同大沿岸海洋観測センター(近海水文中心)主任の董東璟教授は、プロジェクトチームは2年近くをかけて1000ワット級の試作機を開発したと説明。水槽試験の結果は満足のいくものだったとし、プロジェクトに補助金を出す国家科学・技術委員会から今後も引き続き研究開発や実地試験への支援を得られるよう期待を寄せた。:2024年12月5日
【頼清徳総統、ツバルで公式食事会に参加 協力関係強化でコミュニケ署名/台湾-政治-】
(グアム中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は4日午前(現地時間)、太平洋3カ国歴訪の2カ国目、ツバルに到着した。公式食事会に参加し、両国の緊密な協力・パートナー関係を深化させるとする共同コミュニケに、ツバルのフェレティ・テオ首相と共に署名した。
頼氏が専用機で空港に到着すると、現地の学生が中華民国(台湾)の国旗を手に歓迎。ポールソン・パナパ外相やトフィガ・ファラニ総督らが出迎えた。
頼氏は食事会のあいさつで、今年は両国の国交樹立45周年に当たり、共同コミュニケへの署名は両国間の協力の新たな一章の始まりになると言及。熱い歓迎と、ツバルが台湾の国際参加を長年にわたって支持してきたことに感謝するとし、今後も共同の目標に向けて努力を続けると述べた。
専用の国会議事堂を有さないツバルの発展を支えようと、台湾は2021年から国会ビルの建設計画を支援している。テオ氏は頼氏に、同ビルをかたどった模型を贈った。頼氏は支援について、ツバルの人々への支持を表すだけでなく、両国が民主主義の価値を共有し、民主主義の深化のために共同で努力していることの表れでもあると語った。
また食事会では、台湾が日本や米国などと共に敷設に出資するツバルへの海底ケーブルに関する両国の協力意向書が、林佳竜(りんかりゅう)外交部長(外相)とパナパ氏との間で交わされた。開通すればツバルで海底ケーブルを介した通信が行えるようになる。
頼氏は同日中にツバルを出発し、台湾時間午後7時ごろに経由地の米領グアムに到着する予定。:2024年12月4日
【英BBC「100人の女性」に台湾の立法委員・黄捷氏 ジェンダー平等などに注力–社会-】
(高雄中央社)英BBC放送が3日発表した2024年の「100人の女性」に、与党・民進党の黄捷(こうしょう)立法委員(国会議員)が選ばれた。ジェンダー平等の擁護者で、台湾で初めてLGBTQなどの性的少数者であることを公表した国会議員として紹介された。
今年は「レジリエンス」(強靭さ、回復力)に焦点が当てられた。BBCは黄氏について、独身女性や女性同性愛者同士のカップルが不妊治療を受ける権利や「生理の貧困」問題に関して、改革を推し進めてきたと言及。人工知能(AI)で性的な画像や映像を合成した「ディープフェイクポルノ」の被害者として、デジタル性暴力に対抗するための法律強化を提唱しているとした。
また「真のレジリエンスは多様性を受け入れることにある。特に、かつて弱者と考えられていた女性やLGBTQ+の声を多く取り入れれば、私たちはその分強くなる」との黄氏の言葉を掲載した。
黄氏はフェイスブックを通じ、台湾の政治家として初めて入選したとした上で、政治家としての役目を通じて、世界に台湾を見てもらえるとしてBBCに感謝しているとコメントした。
日本からはタレントの渡辺直美さんと、旧優生保護法の下で不妊手術を強いられ、国に賠償を求めた裁判で勝訴した鈴木由美さんが選ばれた。:2024年12月3日