李逸洋・駐日代表が「日華議員懇談会」年度総会に出席
台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表は3月26日、東京・永田町の衆議院議員会館で開催された「日華議員懇談会」(以下、日華懇)年度総会に出席した。あいさつの中で李・駐日代表は、日華懇が今年度の基本方針の中で、中国は国連2758号決議を恣意的に解釈して誤った情報を広めていると指摘し明記したことに感謝の意を表した。さらに李・駐日代表は、この2758号決議文にはそもそも「台湾」という言葉が一切ないと指摘し、中国が➀台湾は中国の一部である。②中国が台湾を代表する。③したがって台湾には国際組織に参加する権利がないといった3つの誤った悪質な詭弁に対し、「中国は一日も台湾を統治したことがなく、台湾と中国は互いに隷属しておらず、台湾は一度も中国の一部になったことはない」と論破した。
また、日華懇の「戸籍における国名表記問題」の取り組みにより、今年5月から日本の戸籍に「台湾」と記載できることに重ねて感謝の意を示した。さらに、日華懇は台日関係を支える一番の大切なパートナーであり、引き続き力強いリーダーシップによって台湾の声が広く届けられることに期待を寄せた。
今回の日米首脳会談および最近のG7外相会談の共同声明についても言及し、この中に、両岸問題の平和的解決を促し、力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対する文言や国際機関への台湾の意義ある参加を支持することが明記されたことにも感謝の意を表した。
古屋圭司・日華懇会長/衆議院議員はあいさつで、「法の支配、自由と民主主義、基本的な人権といった普遍的価値観は、世界の共通した概念であり、台湾海峡全体の平和と安定に繋がる。この視点に立ち、今後も活動や経済交流、議員交流、子どもたちの交流などを進めて行きたい」と述べた。
会場では、頼清徳総統および韓国瑜・立法院長からのビデオメッセージがそれぞれ放映され、日華懇の台湾に対する力強い支持に感謝の意を表した。さらに、日華懇が常に台日友好の最も強固な懸け橋となっていることにも触れ、日華懇の尽力の下、今年5月より日本の戸籍の「国籍・地域」欄に「台湾」と記載できるようになったことは、台日友好関係を十分に示している。日華懇が築き上げた台日の友情の絆は、双方の関係を向上させる重要な原動力であると述べた。また、引き続き台湾のCPTTP(環太平洋バートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加盟支持や、今年下半期に台湾で立法院が主催する「アジア・太平洋国会議員連合」(APPU)への日華懇メンバーらの出席を呼びかけ、台日間の親善友好をアジア・太平洋地域に広げていきたいと期待を寄せた。
当日の総会で決議された「日華議員懇談会 2025年度基本方針」が、古屋会長から、李・駐日代表に手交された。今年度の基本方針には、台湾有事の回避、台湾海峡の平和と安定の重要性、日台米の戦略的対話の継続、国連総会第2758決議の恣意的な解釈による拘束に縛られず台湾の世界保健機関(WHO)年次総会など国連機関への台湾の参加支持、台湾のCPTTP(環太平洋バートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加盟支持、経済・観光・防災・文化・若手議員や女性議員間などさまざまな分野での台日交流に関する既設PT(プロジェクト)および新設PTによる研究・推進などが具体的に盛り込まれた。
「日華議員懇談会 2025年度基本方針」が古屋圭司・日華懇会長(正面右)から李逸洋・駐日代表(同左)へ手交
李逸洋・駐日代表と日華懇年度総会に出席した超党派の衆参国会議員ら
《2025年3月27日》