李逸洋・駐日代表が「東京客家崇正公会」第55回会員懇親大会に出席

東京客家崇正公会大会の集合写真

　「東京客家崇正公会」の創立62周年、第55回会員懇親大会が3月30日、東京都内のホテルで開催された。このなかで挨拶した李逸洋・駐日代表は、「東京客家崇正公会」の台日関係への貢献に感謝し、引き続き台日間の各分野での交流の推進に協力することを期待した。また、李代表は、台湾が自由、民主主義、人権などの価値観を堅持し、台湾と日本、米国が協力していくことが、台湾海峡、東アジア、インド太平洋地域の平和と安定への最も重要な力となると述べた。

　さらに、最近TSMCが米国に投資を増加することが台湾の「護国神山」や「シリコンの盾」と呼ばれる国の守る力が弱まるのではないかという懸念に対し、李代表は、TSMCの研究開発センターは8000名ものエンジニアを有し、最先端の1.6ないし1.4ナノメートルといった核心的技術は先に台湾で研究開発され、台湾を基礎として米国の半導体工場を支援する体制となることを説明した。そのうえで、TSMCが米国に増設する３カ所の半導体工場、２カ所のパッケージング工場、１カ所の研究センターは完成したらそれで終わりではなく、20～30年後を見据えたハイエンドチップの製造と先端パッケージングの安定した運営には、いずれもTSMCの支援を必要とするため、米国は中国による台湾への侵略を座視することはないとの見方を示した。さらに、台湾のTSMCが損害を受ければ、米国の半導体運営に支障が生じるため、TSMCを守り、台湾を守ることは米国の最優先利益となり、TSMCの米国への投資は、台湾の国家安全に対するより大きな保障となると強調し、TSMCの日本工場と合わせて台日米３カ国の経済安全保障と国家戦略協力にとり、いずれも最重要なパートナーとなるとの認識を示した。

　また、李代表は、「客家（ハッカ）人は忍耐強く、勤勉な精神を持ち、自分の仕事への努力のみならず、積極的に社会奉仕してきたことが、客家の人々が住む世界の各国からも高い評価を受けている」と述べ、日本在住の客家同胞が引き続き、台湾と日本の政治、経済、貿易、文化、観光、教育、地方などの各分野の交流を引き続き推進し、地域の平和、国際経済の繁栄など台湾が果たす貢献や努力について日本に伝えていくよう期待した。

　客家委員会の古秀妃・主任委員は、今回共に来日した2019年に設立された「国立客家児童合唱団」を紹介し、日本の合唱団との国際交流ならびに長期的な訓練を通して客家アイデンティティーを継承していく意義を強調した。また、今年台湾で開催する「全球客家文化会議」への参加を呼びかけ、世界各地の台湾客家の僑胞らが台湾外交の尖兵となることを期待した。

　東京客家崇正公会の李克順会長は、「東京崇正公会は長い歴史があり、今後も団結して支え合い、客家文化の交流と伝承に尽力し、台湾政府の政策を支持し、国民外交を促進していきたい」と挨拶した。

　同大会には川田龍平・参議院議員、邱栄光・世界台湾客家聯合総会総会長、黎萬棠・全球客家聯合総会総会長、楊文科・新竹県長、鍾東錦・苗栗県長らも出席した。

李逸洋・駐日代表（右３）、古秀妃・客家委員会主任委員（右４）、楊文科・新竹県長（左３）、鍾東錦・苗栗県長（右２）

挨拶する李逸洋・駐日代表

挨拶する李克順・東京客家崇正公会会長

初来日公演する「国立客家児童合唱団」