頼清徳総統が米ブルームバーグに寄稿、「相互関税」政策に対する台湾の原則を説明
米ブルームバーグは10日、「A Roadmap for Deeper Taiwan-U.S. Trade Ties」(台米の経済・貿易関係を深化するための道筋)と題する頼清徳総統の寄稿記事をに掲載した。頼総統はこの記事の中で、台米貿易に対する台湾の戦略的思考、それに貿易障壁の排除、台湾企業による対米投資の拡大、ゼロ関税の提案など、今後の対米交渉の方向性について明確かつ簡潔に伝えた。記事の概要は以下のとおり。
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台湾と米国のパートナーシップは、自由と民主主義に対する揺るぎない信念の上に築かれており、双方は長年にわたり、共産主義の拡大に立ち向かうために連携してきた。また、台湾と米国は経済・貿易分野においても緊密なパートナーである。最近台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が対米投資の大規模な拡大計画を発表したほか、台湾はこれから製造業やイノベーションの分野で米国との協力関係を強化したいと考えている。台湾は貿易大国であり、長期的な目標としては、各国と公平かつウィン・ウィンの貿易関係を築きたいと願っている。ゆえに、我が国は引き続き台湾企業が米国を含むグローバル市場での開拓を進めることを奨励し、台湾と米国の商業分野での協力を深めるために努力していきたい。
トランプ米大統領による「相互関税」政策についても、台湾はこの原則をもって対応する方針だ。具体的には、(1)台湾と米国のすべての関税を引き下げることを共通の目標に掲げ、貿易交渉を再開するための道を模索する。(2)エネルギー、農業、工業、軍事製品について米国からの輸入を拡大する。(3)双方向の投資を拡大する。(4)非関税障壁を排除する。(5)米国が関心を寄せるハイテク製品の輸出規制や、ダンピング(不当廉売)商品の違法な運用(産地偽装)などの問題に真摯に対応する―などだ。
これらの行動は、激動する経済・貿易情勢の中で、台湾が進むべき基本的な道筋を形成し、台米関係の経済上のピンチを、経済的動力、強靭化、戦略的調整のための新たなチャンスに変えるだろう。世界的な不確実性は、中国の強力な勢力拡張により、ますます増大している。より緊密な貿易関係を構築することは経済の健全化に役立つだけでなく、地域の安全保障にとって重要な支柱となるだろう。
こうした戦略は、台湾と米国が長期にわたって築き上げてきた友好関係へのコミットメント、公平で相互利益を優先する貿易関係への揺るぎない信念、そして台湾海峡の平和と安定を守ってきた大きな貢献に基づくものだ。これからの未来において、台湾と米国が共有する経済及び安全保障上の利益は、激動する国際的な経済・貿易環境を克服するだけでなく、自由で開かれたインド太平洋地域の未来を定義することになると確信している。
Taiwan Today:2025年4月10日
写真提供:ブルームバーグ公式サイトスクリーンショット
米ブルームバーグは10日、「A Roadmap for Deeper Taiwan-U.S. Trade Ties」(台米の経済・貿易関係を深化するための道筋)と題する頼清徳総統の寄稿記事をに掲載した。頼総統はこの記事の中で、台米貿易に対する台湾の戦略的思考などを明確に伝えた。