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  台湾週報2139号(2004.4.15) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
:::


台湾週報2139号(2004.4.15)

陳総統が紛争収拾策を示す
票再集計、銃撃事件解明等を早期実施

 陳水扁総統は野党側が総統府前のケタガラン大通りで大規模デモを実施した3月27日の夜、総統府で記者会見をし、紛争収拾策を明示した。このなかで陳総統は票再集計の結果を全面的に受け入れ、野党側も受け入れるよう要求し、また台南銃撃事件が早急に解明されることを望んでいることを明らかにした。治安維持のため動員された軍・警察関係者の選挙権が制約された事実のないことも明らかにした。以下はその談話内容である。

本日三・二七抗議デモが無事終了したことについて、すべての法執行関係者ならびにその機関の努力に感謝したい。またデモへの参加不参加に関わらず、反対意見を持っているすべての人々にも感謝したい。それらの人々に理性があったから、今日の活動が平和的に終わったのだ。 

 三月二十日以来、私は一貫して「傾聴、理解、法理、団結」の八文字を念頭に置いてきた。私は常に反対意見に耳を傾けるよう心がけている。今回の選挙は熾烈であったため、結果が容易に受け入れられないという心情も理解できる。私にも経験があり、それを受け入れたのだ。

 台湾は民主法治の国であり、いかなる問題についても一〇〇%一致するということはありえず、かならず異なる意見が出るものだ。民主の多元的社会ではこれが正常なのだ。しかし、選挙の問題を含め、紛争の解決は法治の基礎の上に行われねばならない。私は今回の選挙に関する紛争は法の規定によって解決されることを望んでいる。特に司法は尊重されなければならない。これは破ることのできない真理なのだ。

 民主法治の追求と達成は容易なことではない。特に台湾は権威主義の社会から苦労と困難の末、民主の道に踏み出したのであり、そこを進むには細心の注意が必要だ。台湾は小さく、人々はこの土地を愛し、国を愛している。われわれには分裂してもよい余地はなく、内部の団結に亀裂を入れてはならないのだ。私一人を攻撃しようとも、台湾の団結を潰すようなことがあってはならない。台湾の団結は、私が最も望むところである。

 私は皆様の声を、また連主席、宋主席の声もすべてを聞いている。かれらが提示した要求について、ここに以下の回答を示す。

●票の全面的再集計について

 私は国家の指導者として、また総統候補者として、開票に操作があったなどと疑いを受けてはならないと思っており、疑われるのは最大の屈辱であり、選挙委員会や二十万人の選挙事務職員にとっても実に不公平であり、操作などまったくないと確信している。

 だから私は票再集計について、まず三月二十一日の時点で政府上層部に、政治的に、法の規定に照らし、司法を尊重し、ただちに全面的、公開的に実施する方法を検討するよう指示した。総統副総統選挙罷免法は、選挙無効および当選無効の訴えは中央選挙委員会が正式に正副総統の当選者を公告してからできると規定している。だから早くて三月二十六日以降ということになる。政治的にと私が指示したのは、行政機関が行うほうが司法が行うより早くできるからであり、そのためには法の改正が必要となる。現行法では裁判官と検察官しか再集計ができないことになっており、たとえ与野党が一致して裁判所に再集計を他に委託するよう申請するにしても、法改正が必要となる。総統の命令でただちに実施できるというものではないのだ。民主法治の国家として、行政は法によって行い、司法を尊重しなければならないことは誰もが承知していることである。ところが法改正について与野党は一致できなかった。これはきわめて遺憾と言わねばならない。

 現在すでに選挙結果は公告されており、選挙自体の無効あるいは当選無効の訴えができるのであり、その場合、私はすべてを開示し、提訴側が無効提訴に必要な証拠をそろえる必要もなく、裁判で審議する必要もなく、ただちに実施できるようにしたい。この点はすでに法律の問題ではなく、政治の問題である。したがって私は皆様ならびに連主席、宋主席に申し上げる。選挙無効あるいは当選無効の訴えがあった場合、私はただちに同意書を提出し、全面的再集計にも同意する。それによって提訴側は証拠物件を提出する必要も裁判で審議する必要もなくなり、ただちに再集計ができるのだ。これが一番早い方法であり、私の誠意でもある。そこでいかなる結果が出ようとも、私はそれを全面的に受け入れる。だから連主席、宋主席にも、結果を無条件で受け入れることを表明するよう希望する。

●台南銃撃事件について

 銃撃を自作自演だという声もあるが、私と呂副総統が殺されていたら銃撃は本物だったとでも言うのだろうか。連主席と宋主席に言いたい。私が費用を出すから、世界で一番の射撃手を雇い、連氏と宋氏が車上に立ち、動かす必要はない。静止状態でもよい。私と呂副総統と同じ負傷をするように撃たせてみればよい。そうすれば人々は自作自演説を信じるだろう。自作自演説など、個人に対する最大の侮辱である。

 私は、野党側が最も優れた鑑識人、銃弾専門家、外科専門家、刑事専門家を推薦し、この事件を調査するのを歓迎する。なぜ銃撃したのか。なぜ総統と副総統を暗殺しようとしたのか。その動機は何か。それを私は早く知りたいのだ。

 昨日最高検察署総長を責任者とする独立した鑑識専門小組が成立し、また野党側が二人の鑑識専門家を推薦したことに感謝する。すべてが公開され、一切の粉飾もなく、早期にこの事件の全容が解明されることを私は希望している。

●治安維持要員の問題について

 社会治安維持の発動とは、緊急命令を発布することでも戒厳体制を敷くことでもない。これまで九・二一大地震やSARS流行の時などに発動されたが、それは関係機関や各省庁のトップに、重大事件の発生が政治・経済・社会に影響を及ぼすことに注意を喚起し、対応措置を促すもので、市民生活に影響を与えるものではない。発動されれば、市民生活を護るため各機関のトップは不眠不休となる。

 今回の選挙における警備態勢は、二カ月前から計画され、三月十九日の事件発生後、警戒を強化したが、非番の者が緊急動員された事実はない。すでにあった計画においても、動員された警察や軍の関係者の投票には配慮がなされ、動員のため投票ができなかったということはない。したがって事件後の警備のため、動員人員の選挙権が影響を受けたということはない。たとえ治安関係の上層部が不眠不休であったとしても、それらの選挙権にも影響を及ぼしてはいない。二十万人もの軍・警察関係者の選挙権が影響を受けたなどと言うのは無責任であり、事実の歪曲であり、そうした論は厳しく叱責されなければならない。

 ●与野党トップ会談について

 連主席と宋主席が私との会見を求めているが、私自身も何の条件もつけずにお二人と会見することを望んでいる旨を正式に表明している。これについては邱秘書長に野党側の幹部と折衝するよう依頼している。

 連主席と宋主席は、大勢の群集をケタガラン大通り(注・総統府前広場)に連れて来られるのだから、連れて帰ることもできると確信している。たとえ合法的なデモでも一週間が限度だ。これ以上継続することは容認できない。台湾は無政府状態でもなければ、法律や公権力がないのでもない。私は国家の指導者として、ケタガラン大通りの群集を適切に措置する意思がないとするなら、国家指導者としての資格もないことになる。それでどうして国家の主権と尊厳、安全を護る資格があると言えるだろうか。総統府とケタガラン大通りの周囲の病院、学校、機関は大きな影響を受けている。もちろんいかなる群集もケタガラン大通りで抗議活動をすることは認められ、その権利は尊重されなければならないが、一週間が限度だ。たとえデモ隊が私を承認せず、現政権を認めないとしても、私は総統であり、政府は存在するのである。合法的集会は本日六時までであり、デモ参加者らが法を守ることを望む。 

【総統府 3月27日】

週間ニュースフラッシュ

 ◆二月の卸売り物価、消費者物価は安定

 行政院主計処は三月二十五日、二月の卸売り物価は一月比一・〇%増、消費者物価は同〇・八%増と、共に安定していると発表した。主計処は「市場が開放されていなかった六〇、七〇年代は国際原料の値上がりが即インフレを招いていたが、現在国内各メーカーはコストの転嫁能力を備えている」と表明した。

《台北『工商時報』3月26日》 

 ◆大陸委員会が中国の内政干渉を批判

 中国国務院台湾弁公室が三月二十六日、台湾の総統選挙の紛争について、「座視しない」などと表明したことに対し、行政院大陸委員会は同日「総統選挙はわが国の内政問題であり、わが国は法治国家であり、すべてを法によって処理している。中国のわが国に対する理不尽な批判は内政干渉である。もし中国が両岸衝突の口実を探そうとしているのなら、それは徒労に終わり、台湾はさらに団結し、中国の企ては唾棄されるだろう」と表明した。

【行政院大陸委員会 3月26日】

 ◆安倍晋三・自民党幹事長が台湾重視

 安倍・自民幹事長は三月二十八日、日本台湾医師連合会主催の講演会で後援し、総統選挙について台湾の民主化の成長を高く評価し、陳総統の当選を祝福するとともに、アジアの安定に対する台湾の役割に期待感を示した。

《台湾『青年日報』3月29日》

 ◆国民党、親民党が陳水扁総統の当選無効を提訴

 国民党と親民党の弁護団は三月二十八日夜、「総統選挙開票に不正があった」として、陳水扁総統の当選は無効とする訴えを裁判所に起こした。両党関係筋は同日「当選無効の訴えは二十八日に起こしたが、つづけて選挙無効については、近日中に提訴する」と明らかにした。

《台北『中央社』3月29日》

◆邱義仁・総統府秘書長が国民党、親民党秘書長と会見

 邱義仁・総統府秘書長が三月二十九日、林豊正・国民党秘書長、蔡鐘雄・親民党秘書長と会見した。国親両党は総統緊急命令か特別立法によって台南銃撃事件究明委員会を設立することと司法による票再集計を提議し、邱秘書長は再集計には同意したが緊急命令は拒否した。
《台北『経済日報』3月30日》

◆公民投票は台湾民主主義の大きな前進

 游錫堃・行政院長は三月三十一日、「三・二〇平和公民投票には七百四十数万人が参加し、総統選挙で当選者が得た票より百万票ほど多く、投票者の九割以上が設問二項目に同意した。この数値は台湾の民主主義が改めて大きな前進をしたことを示すものである」と指摘した。

【行政院 3月31日】

◆内閣は憲政の慣例に沿って総辞職

 游錫堃・行政院長は三月三十一日、外部で游内閣は留任すると伝えられていることに対し「事実に反する」と述べ、「憲政の慣例に沿って五月二十日までに総辞職する」と表明した。

【行政院 3月31日】

 ◆游錫堃内閣は五月十二日に総辞職

 林佳龍・行政院スポークスマンは三月三十一日、「游内閣は五月十二日に総辞職を提出することになろう」と語り、マスコミの一部が「游院長の再指名は確定している」と報じた件に関し、「語るのはまだ早すぎる。それは総統の権限内の問題だ」と語った。

《台北『中央社』3月31日》

 ◆早稲田大学が李遠哲・中央研究院院長に名誉博士号授与

 早稲田大学が李遠哲・中央研究院院長に名誉科学博士号を授与することになり、四月一日に同大学で授与式が行われた。早大では八十三人目の名誉博士号授与となる。

《台北『中央社』4月1日》

新憲法制定は台湾の民主憲政改革
陳水扁総統が世界に語る台湾の近未来

 日本の読売新聞、産経新聞をはじめ、米ワシントンポスト、英BBC、香港ウォールストリート・ジャーナルなど、世界の主要メディアが次々と陳水扁総統に台湾の近未来についてインタビューをしているが、陳総統は三月三十日、ワシントンポストに対し今後四年間の舵取りを次のように語った。


 ●「一つの中国」は拒否 

 いわゆる「一つの中国」は「一国二制度」が中心で、台湾を香港化し中国の特別行政区か地方政府にしようとするもので、これは私一人が受け入れられないのではなく、台湾二千三百万の国民が受け入れられないのだ。台湾で受け入れたがっているのは少数中の少数にすぎない。前回の選挙で私の得票率は三九・三%だったが今回は五〇・一%になった。これは台湾の主体意識が覚醒され台頭してきていることを意味する。この事実を中国は直視すべきだ。

 私は二〇〇〇年の就任式の時、両岸の指導者が知恵を出し合い誠意をもって将来の「一つの中国」問題を処理することを提議したが、中国が「一つの中国」受け入れを絶対条件にするなら、両岸は永遠に膝を交えて語り合うことはできない。両岸はまず平和安定の相互連動メカニズム構築を推進すべきだ。 

 ●両岸関係推進の基本理念 

 私は今後四年間において、台湾の団結、両岸の平穏、社会の安定、経済の繁栄を使命としている。このうち両岸関係については「一つの原則、四つの議題」のもとに、両岸が平和的な相互連動のメカニズム構築を推進することを希望している。中国が「一つの中国」受け入れを強要するなら、台湾は「一辺一国」を主張する。これでは両岸は永遠に交渉を進めることはできない。双方が「一つの中国」も「一辺一国」も提示せず、「平和」を原則とすれば膝を交えることができるのではないか。

 「四つの議題」とは「両岸の交渉メカニズムの構築、対等互恵の往来、両岸の政治関係の構築、軍事衝突の防止」である。当然この中には両岸三通と経済関係の問題も含まれる。両岸関係が安定すれば、台湾海峡の平和もアジア太平洋地域の安全、安定も維持できる。われわれは改革を進める上において、現状を維持し、現状を変更しないことを絶対的な基礎としている。

●改憲は台独ではない 

 三・二〇平和公民投票は、すでに明らかなように統一か独立かの投票ではなく、二〇〇〇年の就任時に提示した「四つのノー、一つのナッシング」に違反するものでもない。われわれは二〇〇六年に新憲法制定を推進し、二〇〇八年に台湾の背丈にあった憲法を施行しようとしているが、それは台湾の民主改革であり、憲政改革の時間表であって台湾独立への時間表ではない。

 台湾は米国のような大統領制をとるか日本のような議院内閣制をとるか、いずれかを選択しなければならない。また現行の五権憲法を維持するか、日米のような三権分立の憲法を制定するかも決定しなければならない。われわれは国会改革によって立法委員(国会議員)定数半減、小選挙区一人二票制を採用したいと思っているが、そこには当然政府構造の改革も含まれる。 

●公民投票は成功 

 第一回の公民投票は失敗ではなく、われわれは順調に第一歩を踏み出したのだ。総統選挙で私が得た六百四十七万票より多くの七百四十万人が公民投票に参加した。これは一定の選挙民の反応と支持を得たことを示している。問題点といえば、野党の公民投票ボイコット運動と中国の恫喝であった。それに投票形式にも問題があった。総統選挙と同日だったが投票所がU字型となり、総統選挙に投票したあと、公民投票の票を受け取るのを忘れた人もいる。また公民投票は政治問題化されイデオロギー化されたが、これは第一回目であり、次の公民投票につながるものであり、以後はボイコット運動など発生せず、同じ轍は踏まないだろう。私は今回、多くの有権者が権利を行使したことに自信を得ている。 

【総統府 3月30日】

与野党は紛争やめ経済発展推進を
游錫堃・行政院長が財界との会談で強調

 ●政治的紛争は経済発展に不利

 游錫堃・行政院長は三月三十日、六大経済団体トップとの朝食会において「台湾は民主法治の国であり、総統選挙に関する紛争は法の規定によって解決されるべきで、与野党は共同で相互信頼の基礎を築き、政治的紛争で経済発展を阻害することは避けるべきだ。立法院は早急に、経済発展に有益な新十大建設関連の予算案を通過し、台湾に最適な投資環境を整え、政府、企業と共に台湾の好ましい未来を創造すべきだ」と強調した。さらに「総統選挙の紛争はすでに一段落し、社会は秩序と平静を取り戻した。台湾は成熟した民主社会であり、大多数の国民は不合理な闘争は支持しない。紛争はすべて民主と法治の秩序のなかで解決されなければならない。これはわが国存在の基礎であり、われわれの団結と生存の根本でもある」と述べた。

 経済政策の具体論としては「政府はすでに専門小組を設け、産業界への原料供給の価格安定維持を確保しており、同時に投資への障害を除去し、台湾を最適な投資環境の国にしようとしている。税制改革は税制改革委員会で得たコンセンサスを基礎に、企業投資に影響を及ぼさないことを原則として進める。行政院は行政効率向上のため、立法院に行政組織改革法案を早急に通過するよう要請している。株主総会で非理性的な行為が発生するのを防ぐため、政府は目下法的根拠確立に向け専門小組を設けて検討中である。自由貿易港区の開設については、基隆が今年九月一日に、高雄が来年一月一日にスタートする。先住民の雇用率五%を確保する問題については、関連法をすでに立法院に送付しており、目下審議中だ」と表明した。

 また「社会はすでに選挙結果に対する紛争を拭い去り、前向きに進む時期に来ている。台湾経済の基本面は良好であり、すでにある成長への軌道が回復しつつある。三月二十七日のデモが平穏裡に終了したあと、翌日の株価は三百四十一ポイント上昇するという反応を示した。これは短期的な動揺がすでに終わったことを示すものだ。今後いかなる政治的紛争も惹起しなければ、台湾経済はさらに発展への道を進むだろう」との見通しを明らかにした。

 同時に游院長は「現在、内外ともに景気は上向きにあり、経済部の最新統計によれば、今年一~二月の国内工業生産は前年同期比一二%増となり、海外からの受注額は同一九・八%増であった。行政院経済建設委員会の調査でも台湾経済の景気上昇は持続しており、英エコノミスト誌も二〇〇四年の台湾経済成長は五・四%に達すると予測している」と語った。さらに「政府は過去四年間、企業投資環境を整えるため、企業が合理的に生産コストを下げ、研究開発を強化して産業のレベルアップを促進する政策をとる一方、全力をあげて規制緩和、構造改革を進め、企業に弾力的な活動の場を提供してきた。今後四年間、それらの努力をさらに倍加させる」と表明した。

【行政院 3月30日】 

●票再集計に関する法解釈

 行政院新聞局は三月二十六日、行政院国際記者クラブで内外記者会見を開き、票再集計等の問題について「中央選挙委員会が行使するには法的根拠がないため、総統副総統選挙罷免法の改正を待たなければならない。再選挙については、同法一〇二条の規定により、選挙執行機関に違法行為があり、裁判所が無効と宣告した場合、あるいは同法二九条第一項の規定により、投票日前に候補者が死亡した場合のみ、中央選挙委員会が選挙を停止し、再選挙の期日を決定することができる」と説明した。また再集計に与野党が同意した場合、行政による再集計と司法による再集計を「国民の権利」として同時進行できるとの解釈も明らかにした。これの法的手続きとして新聞局は「一方が必要証拠を提示し裁判所が再集計を決定し、かつ当事者双方が同意しなければならない。だがこれには一方が提訴することが前提となり、与野党双方が同意したから即実施できるものではなく、法の手続きが必要だ」との見解を明示した。
【行政院新聞局 3月25日】

今年も引き続き
台湾のWHO加盟支持を求む

 台湾は「衛生実体」(Health Entity)としてWHOに参加する権利があるはずである。台湾がWHOに参加することは、主権争議の問題にはならない。WHOは全世界の医療衛生の「地域」も「実体」も、ともに受け入れるべきである。二〇〇一年から台湾のWHO加盟について、日本の政府及び各界は積極的に支持を表明し、我が国政府及び国民にとっては力強い激励となった。よって我が国の外交部は正式に感謝の声明文を発表した。今年も引き続き台湾のWHO加盟を支持する具体的な行動を取るよう衷心よりお願いしたい。

一、これまでの日本の支持 

 二〇〇二年五月十四日、福田康夫官房長官は台湾のWHO加盟について「多くの地域、国際機関、NGOがWHOに参加するのが望ましい。日本に近くに位置する台湾の保健医療の向上に関心があり、日本としては、関係者の満足する形で台湾がオブザーバー参加することが望ましい」と述べた。この発言は台湾のWHO加盟問題についての日本政府の基本方針となった。

 二〇〇三年には福田康夫官房長官の発言を踏まえながら、川口順子外務大臣及び坂口力厚生労働大臣が記者に対して、また、木村義雄副大臣が世界保健機関年次総会(WHA)の場においてわが国を支持する立場を表明した。さらに日本WHO代表がA委員会(Committee-A)の討論の中で、「WHOの幹事長はSARSなどの伝染病に対し、各方面からの要請(all requests)に適切に対応し、世界中のあらゆる人々が最高の保健ケアを享受できるようにしなければならない。これはWHOの憲章にも明記してある」と述べ、わが国のWHOへの加入はWHOの責務であることをアピールした。

二、これまでの国際世論の支持 

 国際世論は、我が国がWHOに参加しなければならない理由を十分理解し、支持する立場を表明してきた。

 例えば、二〇〇一年米国下院は、ブラウン議員(Sherrod Brown)によって提出された、台湾のWHO参加を支持する第四二八号と第二七三九号の二法案を可決した。

 二〇〇一年(第五十四回)、二〇〇二年(第五十五回)、二〇〇三年(第五十六回)の各WHO年次総会終了後、米保健社会福祉省のトンプソン(Tommy Thompson)長官も「米国政府は台湾のWHO参加の立場を支持する」と述べた。

 さらには、世界医師会(WMA: World Medical Association)が二〇〇一年十月七日の第百六十回大会において、台湾のWHOへのオブザーバー参加を支持するよう各国の医師会に求める決議文を可決した。

 二〇〇三年二月、欧州議会のパッテン(Christopher Patten)対外委員長も台湾の立場を支持すると述べた。

 二〇〇四年三月三十一日に入って米国下院は、台湾のWHO参加を支持する第四〇一九号法案「A Bill to Address the Participation of Taiwan in the WHO」を可決した。

本年五月WHAにおいてわが国が日本に求める支援

 第五十七回世界保健機関年次総会(WHA)が今年(二〇〇四年)の五月十七日から二十二日の間にジュネーブで開催される予定である。WHOの憲章にも明記されてある精神に基き、台湾二千三百万人の健康福祉と衛生安全のため、日本政府が今年も引き続き台湾のWHOへのオブザーバー参加を支持する事を表明され、WHAにおいて具体的な行動を取り、関係諸国の協力を要請されることを期待したい。
【台北駐日経済文化代表処 4月】


ニュース

ドミニカと断交
中国の金銭外交に強く抗議

 外交部は三月三十日、ドミニカと断交したことを明らかにし、以下の声明を発表した。

 中華民国政府は、ドミニカ政府が中国の利益誘導に同調したことに強い不満と遺憾を表明する。国家の尊厳と利益を護るため、外交部はドミニカとの各種協定と協力関係を終結させる。われわれは一九八三年五月十日に国交を樹立し、この二十一年間、ドミニカの民生と国の発展のため、積極的に協力、支援してきた。スカーリット首相は今年一月の就任以降、何度もわれわれに多額の資金援助を求め、若さゆえに中国に対し幻想を抱いていた。中国がわれわれの選挙期間を利用し、金銭外交によりわれわれの国際社会での生存空間に圧力を加えたことに強く抗議する。中華民国は今後も互恵互利の精神に基づき友好国との協力関係を進め、中国の強力な圧力に対しても固い決意と実務的態度をもって積極的に国際社会へ参画していく。
【外交部 3月30日】


陳総統の傷口は銃撃のもの
米国の鑑定専門家が発表

 陳水扁総統、呂秀蓮副総統の銃撃事件について調査するため台湾を訪れていた米国の鑑定専門家は三月三十日、記者会見し、「陳総統の傷口は銃撃によるものと見られる」との見解を示した。

 台湾を訪れていたのは法医学者のシリル・ウェクト氏ら三人で、台南の地方検察署検察官に案内されて銃撃事件のあった現場を視察し、押収されたさまざまな物的証拠を検証したほか、陳総統に直接腹部の傷口を見せてもらうなどして、二日間にわたり調査を行った。

 記者会見でウェクト氏は「われわれの調査は独立しており、政治的問題はわれわれの関知するところではない」と述べたうえで、「陳総統の傷口は銃撃によるものではないと主張する人もいるようだか、これは銃弾によるかすり傷だと明言できる。われわれの鑑定結果が事件の早期解明につながるものと信じている」と語った。
《台北『自由時報』3月31日》


米が台湾のWHO加盟支持
下院国際関係委員会で決議

 米下院の国際関係委員会は三月三十一日、台湾の世界保健機関(WHO)加盟を支持する法案を可決した。同案は「国務長官に授権し、世界保健総会で台湾のオブザーバー参加に協力する」というもの。全会一致で可決され、近く下院の全体審議に提出されるほか、上院でも同様の法案が出される見通しだ。

 米議会上下両院は、昨年もそれぞれ台湾のWHO加盟を支持する法案を全会一致で可決している。今年はとくに新型肺炎(SARS)と鳥インフルエンザの台湾での発生に言及し、台湾のWHO加盟の切迫性を強調した。

 今回の法案可決に台湾の駐米代表処は感謝を伝えるとともに、「米議会は長年にわたり台湾のWHO加盟を支持し、われわれの期待をよく理解してくれている。国務院はさらに一歩進んで台湾の参加を支持し、同案が米国の長期外交政策の一つになることを期待する」と述べた。
《台北『中央社』4月1日》


米が台湾へ武器売却を決定
早期警戒レーダー・システム二基 

 米国防総省は三月三十一日、米議会に対し、台湾に高性能の早期警戒レーダー・システム二基を売却する予定であると伝えた。台湾のミサイル防衛システムの重要な一環となるもので、価格は総額で十七億七千六百ドル。ここ数年の台湾への武器売却において最大規模となる。

 同システムは、弾道ミサイルや巡航ミサイルの探知を目的とし、世界で米国と英国にしかなく、台湾がこれに加わることで、両国との軍事協力に大きな意味を持つ。約五千キロの範囲でミサイルを探知できるとされ、これが台湾に設置されれば、中国沿岸部のミサイルだけでなく、内陸部に配備されたミサイルも探知できると期待されている。

 今回の武器売却について米国防安全協力局は声明を発表し、「台湾の防衛能力の改善に役立つだけでなく、米国の外交政策と国益にも合致しており、両岸の軍事バランスに影響するものではない」と述べた。
《台北『中国時報』4月2日》

教育改革について思う③
李遠哲・中央研究院院長

 六、教科書の統一編纂と検定制度

 教育改革の精神は、違いを尊重し、多元を肯定することにある。われわれはがんじがらめになった教育を解放し、より自由で開放的な空間を開拓し、授業に新鮮な空気を送りたいのだ。教育が百年の計であることは誰しも否定しないだろう。個人の修養から知識・技能の修得、さらには国家レベルの発展まで、教育はそれらと密接に関わっている。われわれは国の義務教育の主な目的が社会の共同の価値観と公民としての基本的条件の確立にあることを認めなければならない。もしそこに慎重さと忍耐が伴わなければ、教育は為政者が人民を支配する道具となってしまうだろう。

 もっとはっきり言うなら、いかなる政権―それが中央集権であれ権威主義にしろ、民主主義でさえも、教育を通じてそのイデオロギーや行為の規範に合致した公民を作り上げたいと願うものである。ただその表現がストレートで露骨に過ぎるか、または婉曲で間接的かの違いがあるだけである。このため、学校は道徳を説き知識を授ける以外に、イデオロギー国家の機械とも見なされる。

 教科書はイデオロギーを刷り込むのに最も使われる道具である。ここで言うイデオロギーとは、何も政治に限ったものでなく、民族や性別、階級、宗教なども含まれる。政府が統一編纂している教科書は為政者に最も容易に利用され、こうした例は枚挙にいとまがない。われわれの社会はすでに開放された民主化を目指しており、教科書の編纂も古いしきたりを固持する理由はないはずだ。

 「教育改革全体審議報告書」は、教科書制度の改革について、第三章のまとめのなかで次のように触れたに過ぎない。「国立編譯館の教科書編纂業務は、教科書が統一編纂から検定制度へ変更されたら、民間にその業務を任せてもよい」。報告書はまた義務教育および高等教育の教科書の選択権は学校にあることを強調した。これはもちろん、学校と教師の専門性と自主性を尊重するためである。そして第四章の「小中教育改革に配慮した措置」に関して「できるだけ早く中学校の教科書を検定制度に改めるべきだ」と指摘した。これが後に施行された教科書の「一綱多本」(一つの要綱に沿って多くのテキストが生まれること)の政策的根拠となった。

 教科書に完全な中立の価値を持たせることは容易ではない。だが、少なくとも為政者のイデオロギーの干渉を軽減することはできる。繰り返しになるが、イデオロギーは政治に限らず、民族、宗教、性別、階級などに対し、差別と偏見を持つことも含まれる。「一綱多本」には、教科書が手をつけてはならないイデオロギーの絶対的手段となることを避け、市場競争を通して教科書の編纂レベルを高める狙いがある。

 理想的なやり方は、まず教育の責任機関が、各々の分野に精通しイデオロギーに対する偏見を持たない学者を集め、教科書の編集要綱と範囲を個別に制定する。一方で出版社は学識、経験ともに豊富な学者や教師を集め、要綱と範囲に基づき、教科書を編纂する。さらにこれらを専門家や委員会の審査に回す。そして教科書が制定された後は、かならず試行過程を設け、その中で出された問題点をさらに検討し、修正するという具合である。

 正式に出版された後は、教師が数種類の教科書について、内容、価格、印刷のよしあし、生徒の年齢や程度などを勘案し、最も相応しい教科書を選び出す。それらの過程はこれまで統一編纂された教科書より時間も手間もかかる。自主性と責任は表裏一体にあり、自主性が大きいことは、それだけ責任も重いことである。簡単に言えば、政府の介入が多くなれば、学校と教師の自主性は低くなる。

 私は出版社から、教科書販売にはそれなりのコツがあると聞いたことがあるが、われわれは校長や教師を信頼すべきだろう。校長と教師は、われわれの社会において最も尊敬され信頼されている人物である。かれらが生徒の権益を第一に考え、慎重に、注意深く最もよい選択を行うことを信じている。

 私は、校長と教師こそが教育改革を推進する最大の力だと今でも信じて疑わない。校長と教師の賛同と支持がなければ、教育改革はどれも成功しないだろう。教科書の「一綱多本」に対する批判には各家庭の経済問題が含まれている。よく言われるのが、「昔の教科書は一冊買えば間に合ったのに、今は授業で使うテキスト以外にも購入しなければならない」との批判だ。経済的に裕福な家庭はかまわないが、そうでない家庭には負担となり、なかには買えない生徒も出てくるためだ。

 われわれは決して故意にこうした問題を引き起こそうとしたわけではない。「一綱多本」は多くの国々が採用しており、しかも何冊も教科書を買い込んでいる例はほとんどない。これはわれわれの入試文化の特異な現象と言えるかもしれない。つまり、何冊も参考書を買うのと同じ感覚で、一種類だと不安なため何冊も買って安心するという心理である。

 私が見る限り、最近ここ数年学力検定試験が重視しているのは「一綱」であって「多本」ではない。つまり、試験問題はテキストの要綱と範囲外から出題されることはなく、ある特定の教科書または参考書から出題することもほとんどないように見受けられる。つまり何冊も教科書を買えない生徒も気を落とす必要はないのだ。何冊も教科書を勉強するより、授業で使うテキストを読み込み、テキストの範囲内の問題をしっかり把握した方がよっぽどよい。私の勉 強のやり方は、常にテキストを徹底的に理解し、そこからさまざまに思考をめぐらせ、問題を探求し、授業以外の書籍にも多く目を通す。参考書はほとんど見ない。

 もしさらに多くの資料が必要な場合は、図書館に行って借りてくるか、あるいはインターネットで情報を収集すれば、費用もかからず、自分の読書範囲を広げることができる。それによって幅広い読書習慣が身につき、関連知識もより増えて、自己の知識と視野が広がることにもなる。そうなれば、知識も教科書だけの狭いものでなくなり、もしかしたら読書の過程で自分の興味や将来の志向が見えてくるかもわらかない。

 手間を省くため、元の統一教科書の復活を望む声のあることは知っている。われわれの社会はすでに多元化へ向かっており、元の統一教科書に戻ることは、後戻りすることに他ならない。私が恐れるのは、教科書が従来の閉鎖的なシステムに戻ったら、自由競争のない中で、ふたたび為政者がイデオロギーを刷り込む道具としてしまうのではないかという点だ。「一綱多本」によって少なくともわれわれは別の選択肢を与えられ、為政者には自制の精神が働くだろう。教科書の指導要綱の策定、編集、選択までの過程がそれほど理想的でないことは知っている。しかし、それだからといって問題の改善や解決が不可能というわけではない。問題は、われわれがそれに真剣に向き合う気持ちがあるかどうかである。問題にぶつかったからといって、すぐに元の道に戻ろうとしてはならないのだ。

 七、職業教育の抜本改革

 ひところ教育改革に対する批判の一つに、私が職業教育を軽視し、職業高校の廃止を主張していると言われたことがあった。どうしてそのような噂が立ったのかわからない。私は一度も職業高校の廃止を主張したことはない。ただ社会が発展するなかで、職業高校は徐々にその重要性を失い、徐々に歴史的固有名詞となってしまうのではないかと懸念している。「職業高校の廃止」という説明は、メディアがこうした状況を不当に簡便化して言ったものにすぎない。われわれ教育改革委員会は、職業教育の発展に大きな関心を持っており、報告書でもそれについて多くのページをさいている。職業教育の将来は台湾の教育レベルの向上だけでなく、企業の発展にも関わるからだ。

 職業教育は、これまで政府の人材需給バランス予測に基づき、厳しく監視されてきた。これについて報告書は、「こうした規制は職業高校生の育成コストと進学の門を一般の高校生より低く、狭くしてきた。しかも職業高校の大半は私立なため、生徒は公立の生徒より数倍も高い学費を納めなければならない。こうした規制は教育のレベルアップを望む社会のニーズを満たさないだけでなく、職業高校の生徒にもマイナスの影響をもたらす」と指摘した。

 われわれは各種の統計数字から、以下の見解を導き出した。「ここ数年、経済構造の転換と科学技術の急速な発展、さらに生涯学習に対するニーズにより、職業教育の目標と授業内容、生徒数は見直されるべきである。職業高校の生徒のうち毎年二万人近くが大学進学を希望しており、これに専科学校生の大学への転入が加わる。こうした現状からも、職業高校と職業教育のあり方を根本的に見直す必要のあることが証明される」。つまり、科学技術の急速な発展と経済構造の転換にあって、職業教育の将来はすでに頭打ちの状態にあり、これを打破し改革してこそ発展への道が開けるのである。

 われわれはそのことを報告書のなかで、次のように具体的に示した。「職業高校(または五年制専科学校の前半三年間)において、そのうち淘汰されてしまうかもしれない技術の習熟に務めるより、生徒の基礎学力を強化し、応用力と学習能力を育て、職業倫理を徹底すべきである。つまり、この段階の職業教育は、おもに就業の基礎準備をおこなうもので、決してある特定の業種に従事するための準備ではないのだ」

 われわれは職業高校の卒業生の相当数が大学進学を希望している実態に鑑み、とくに教育の責任機関に対し、より多くの資源を投入して実験設備を改善し、かれらの基礎学力を強化し、大学へ進学しやすい環境をつくることを強く要望する。報告書はまた、繰り返し次のように呼びかけた。「現在の職業高校と五年制専科学校については、教師の資質向上と、実験設備の更新を図り、教育環境を改善し、より精度と密度の濃い学校を目指さなければならない」。また報告書第三章のまとめにおいて、われわれ委員会は職業教育の機能、体系、生徒の能力についての初歩的な見直しとともに、いかにして職業教育の多元化と精度の引き上げを図るかについて、具体的な提議を行った。

 産業の構造転換と高度化以後の社会において、職業教育の向上は避けられない重要な課題である。現在職業高校の卒業生がストレートに就職できる機会は実際には少なく、たとえ就職できても適職を見つけるのは容易ではないことを、われわれは理解しているつもりである。

 ハイテク産業や新しいサービス業が求める人材は大卒者だ。もし職業教育を専科学校の段階に引き伸ばすとしたら、職業高校の生徒が高校の段階で必要とされるのは、より多くの知識教育であり、現在の職業教育ではない。われわれが報告書のなかで、「一部の職業高校が普通高校へ発展することを拒否しない」としたのは、まさにこうした理由からである。同時に、職業高校、五年制専科学校の前期三年の生徒数、および普通高校の生徒数との比率を徐々に近づけるべきだという理由も、ここからきている。もし、われわれの提議に基づき職業高校の数が確実に減れば、比較的基礎訓練のなされている技術学院や科技大学の卒業生を増やすことができるに違いない。もし、よりよい基礎教育がなければ、大学での職業教育も大きく損なわれるだろう。職業高校の転換は進学ルートを開く重要な一環となる。とくに普通高校があちこちに設置されて以降、普通高校を中心とした学区制により、将来は現在のねじ曲げられた教育を作った大本である進学への圧力を大きく緩和することができる。

 私が職業教育に特に関心を抱いているもう一つの理由は、職業高校の生徒の多くが経済的に恵まれない社会階層の出身だからだ。職業高校生の就職状況は理想的とは言えないが、一部の人は「手に職をつけ、早く社会に出て働き、家庭の経済状況をよくしたい」と願っている。だが、たとえそうでも、基礎学科の学習をより強化する必要がある点では変わらない。

 正直なところ、教育全体のシステムから言えば、かれらは社会的弱者の立場にあり、より多くの関心と支援を必要としている。われわれは職業教育がより多元的に、より精度の高いものへ発展すべきだと建議した。産業構造が変化し、人材雇用の調整が進むなかで、職業教育が根本から見直されることで、永続的な発展を遂げることを強く願っている。
(以下次号)

《台北『自由時報』3月8日》

台湾観光年

 仮面アートフェア開催中

 世界各地に伝わる仮面を一堂に集め、それにまつわる文化を紹介する「二〇〇四苗栗国際仮面アートフェア」が、三月二十七日から開催中だ(期間は五月二十三日まで)。

 四回目の今年は三百点を超える仮面が集められ、テーマ館ではヨーロッパを特集し、①「鉄仮面伝説」(古代ローマ帝国時代の戦闘)、②「バッカスの春の祭り」(古代ギリシャ人は喜びや悲しみの仮面をかぶり劇を演じて酒の神・バッカスに捧げた)、③「仮面劇場」(イタリア喜劇)、④「ドイツの神秘の黒い森」(シャーマンやピエロの仮面が登場)、⑤「おめかし舞踏会」(イタリア・ベニスのマスクカーニバル。伝統的な衣裳と特殊なマスクで、サンマルコ広場を再現)など、さまざまな舞台が演じられる。

●案内
会 場 苗栗香格里拉楽園
入場料 大人:四百元 
学生:三百六十元
《台北『民生報』3月26日》


渓頭に巨石の新名所誕生 

 一九九九年九月二十一日に台湾中部を襲った大地震から四年余り。震源地に近かった南投県渓頭森林遊楽区もすでに復興され、多くの観光客で賑わっている。その渓頭に巨石の新名所が誕生し、話題になっている。

 高さが十メートル余り、幅約二十五メートル、周囲が約三十五メートルあるこの巨石、実は大地震が置土産として残していったものだ。現地の人の話によると、大地震の際、裏山からこの巨石が落ちてきたという。当時は現在よりもっと大きく、その後の台風で土石流が起こり、巨石の下半分が埋まってしまったらしい。同遊楽区はすでにこの巨石を重要な観光スポットに位置付け、観光客が鑑賞しやすいように、周囲に欄干を設け歩道を整備し直した。

 興味深いのは、現地の人びとがこの巨石を「幸福をもたらす石」として拝んだり、触ったりしていることだ。さらに巨石のある場所から林道一本隔てた山の上には大地震以降、垂直の絶壁が出現した。

 このほか、同遊楽区内には樹齢千年を超える一株の紅檜がある。他の紅檜が自然災害で倒壊したなか、この木だけが生き残り、まさに「神木」と言うに相応しい。

 同遊楽区では、区内最高地点、海抜約千八百メートルの場所に展望台を設置し、ここから神木までは五・七キロの距離で、車で移動できる。天気がよい日には、ここから玉山が見え、朝日も拝める。
《台北『民生報』3月26日》

教育関連ニュース

外国籍配偶者向け教材が完成  

 教育部はこのほど、「多元文化とエスニックが融合した台湾」と題した記者会見をおこない、外国籍配偶者向けの基本教育教材と教員用手引書の出版を発表した。

 この教材には「家庭生活」「生活への適応」「人間関係」などの内容が含まれ、千六百八十語の単語を習得できる。ベトナム語と国語(中国語)の対比方式で、外国人配偶者が母国語で内容を学習でき、家族がその母国語を習うのにも便利だ。台北県教育局では、今後インドネシア語版など他言語バージョンも企画している。

 内政部の統計によれば、二〇〇四 年における台湾の外国籍配偶者数は三十万七千三十三人で、このうち中国籍は十九万八千九十四人、東南アジア籍などが十万八千九百三十九人となっている。教育部ではまた、外国籍配偶者の子女を社会的弱者の枠に組み入れ、公立幼稚園への優先入学などを検討中だ。
 《台北『中国時報』3月12日》

閩南語の対応漢字が修正へ

 「愛欲」「愛覓」「愛卜」とは何を意味するか?これらはすべて、閩南語で「~したい」という意味を表す音に当てられた対応漢字であり、国語(中国語)では「想要」と表記する。しかし、初めて学習する人がこの文字を見ても、閩南語でどう発音するのか想像しにくいという。現在台湾の小中学校で使用されている閩南語の教科書では、このように一つの音に数種の文字が当てられていることが多い。

 こうした状況に鑑み、教育部国語推進委員会はこのほど、小中学校の閩南語の教科書を見直し、読みやすく正確な対応漢字に修正する方針を固めた。今後三カ月以内に閩南語の常用対応漢字三百字を確定し、二〇〇四年度の新学期から二千字の対応漢字を正式に郷土語教材に組み入れる予定だ。

 今後小学校では、国語と同様に、一年生で五百字、三年生までに千字の閩南語対応漢字を習得することを計画している。
《台北『中国時報』3月12日》

故宮の文化財を多元的芸術創作に
歴史文化財の新生命を見出す

 三月九日、国立故宮博物院の文化財をモチーフに各国の芸術家が創作する課程を撮影した実録フィルム「歴史文化財の新生命」の上映会および芸術作品の発表会が、同院の主催で開催された。

 故宮博物院では昨二〇〇三年九月から、金馬賞受賞監督の王小棣氏に依頼し同フィルムの撮影をおこなってきた。日本のファッションクリエイター伊藤佐智子、オランダのアニメ監督G・ヴァン・ダイク、フランスの陶芸家ジョアン・ジネルら各氏を招き、彼らが故宮博物院所蔵の文化財や芸術品を観賞して感じたものをいかに作品として結晶させたかを、影像記録として残す試みだ。

 九日の発表会は故宮内の講演ホールでおこなわれ、各氏の創作がファッションショーやアニメ、陶芸作品の展示などの形で披露され、このイベントに参加した芸術家や関係者、学生らを魅了した。

 オランダアニメ協会の創始者であるヴァン・ダイク氏は、故宮に収蔵された絵画―明杜菫作「玩古図」の屏風や女官、沈周作「写生冊」の驢馬や青蛙などに特別のインスピレーションを受け、「メイド・イン・台湾」と題するアニメを製作した。陶芸家のジョアン・ジョネル氏はフランスで唯一国家が認定する陶芸芸術家であるが、宋代の陶磁器や、青銅器の上に施された動物のモチーフに惹かれ、その二つの特徴を合わせた一連の陶芸作品を創作した。

 一方、日本の映画、舞台衣装など幅広いデザインを手がけているファッション・クリエイターの伊藤佐智子氏が刺激を受けたのは、故宮収蔵の「大経典」の表紙の装丁だったという。氏はその美しい文様に驚き、台北市内の布地屋を探し回って生地を調達し、深みのある文様を基調としたゆるやかな民族風ドレスを完成させた。  
 今回、これらの創作過程がフィルムに納められたことは、国内外の人々に故宮をより理解してもらうとともに、伝統文化財と現代芸術を繋ぐ無限の可能性が示されたという点で意味深かったと言えるだろう。
《台北『中国時報』3月10日》

新刊紹介

江沢民時代の軍事改革
平松茂雄 著

 日本における中国軍事問題研究の第一人者である著者の最新刊である。著者はまず「この十余年の間に江沢民軍事政権が達成した『軍事改革』には注目に値するものが多々ある」と指摘する。それはまさに中国が「二一世紀の軍事力」の構築に向かって邁進する過程でもあった。本書はその状況を詳述するとともに、一人っ子時代の到来による兵員の問題点にも言及する。特に第八章の「台湾軍事統一と民用船舶動員計画」には、台湾侵攻に対する中国の並々ならぬ決意が感じられ、戦慄を覚える。英軍の渡海作戦であったフォークランド戦争に中国が興味を示している点など、本書は台湾でこそ読まれるべきと感じる。また第一〇章の「太平洋に進出する中国の海洋調査活動」では、日本の安全保障の問題点を考えさせられ、日本全体に対する警鐘のように思われてくる。
〈勁草書房刊 ¥2800+税〉

お知らせ

台中市第九回大墩美術展作品募集

 台中市は国際交流の促進と芸術作品のレベルアップを目的に、今年十月に開催する「第九回大墩美術展」への出品作品を、国内外から広く募集しています。

【募集要項】

①応募資格:国内外で芸術の創作に従事している人で、二年以内に創作したオリジナル作品とする。出品は一人一点のみとし、他人の作品のコピーや、すでに別の展覧会に出品した作品は応募できない。

②応募作品:水墨画、書、油絵、テンペラ、水彩画、版画、写真、篆刻、彫塑、工芸。

③参加方式:同展参加申込書に記入のうえ、作品を写した写真を添えて、台中市文化局宛に郵送する。書類選考(第一審査)に合格した人は、締切日までに作品を郵送する。

④表彰:最優秀賞に該当する大墩賞(五名)および各部門の作品ごとに優秀、入賞作品を選出し、展覧会では入賞作品以上を展示する。

⑤応募受付と締切日

*第一審査:4月17日~5月17日
*第二審査:7月17日~同20日

【応募先・問合せ】
台中市政府文化局
 住所:台中市英才路六〇〇號
 TEL:04-2372-7911
 FAX:04-2371-1469
http://www.tccgc.gov.tw

●第九回大墩美術展
日 時 10月23日~11月4日
会 場 台中市文化局(文化センター大墩画廊1~3F)
表彰式 10月23日


春 夏 秋 冬 

 日台文化交流の拡大を目指し産経新聞社とフジサンケイ・ビジネスアイが創設した「日台文化交流 青少年スカラシップ」の第1回作品集を拝見した。中学生から大学生を対象に作文、絵画、書を募集し、その入選作を収録したものだが、いずれもレベルの高いのに驚いた。ここでは作文について論じたいが、入選作とはいえ、問題意識と将来への夢、さらに国際感覚を持った青少年の存在に嬉しくなってきた。とくに中学生の優秀賞二点、佳作一点に接したとき、もう何十年も前のことだが、自分の中学生の時はどうだったかと思うと、ただ赤面し脱帽する以外にない。

 「小さな国の大きな使命」の工藤晋太朗君(中一)は、ご両親の影響で台湾に興味を持ち、同時に「中国に遠慮して台湾の存在を否定する日本の姿勢が間違っているのでしょうか」と疑問を感じ、李登輝前総統の『武士道』などによって台湾の「心」を知り、さらにそこから「社会科の教師を目指すためにがんばろうと思」うようになった。また「議論が分かれる近現代史を学んで日本の歴史に愛情が持てる子どもたちを教育しよう。その中からまた教師を目指す子が育てば、いつかこの国の大きな力になるだろう」と語る。この壮大な夢を、是非実現して欲しい。

 「台湾で心の交流を……」の神戸友加さん(中三)は、幼稚園の時に阪神・淡路大震災を経験し、そして小学校五年生の時に台湾中部大地震が発生し、そこから日本と台湾の共通点に興味を持った。興味は女の子らしく食文化へと進み、そこに両者の相違点を知る。こうしたことから、神戸さんは「国際交流とは、自国と相手国のことを知った上で、お互いの共通点と相違点を理解し、その相違点までも認め合っていくことだ」と考えるようになった。この中学生の心の広さが感じられる。

 「友・食・環境」の中村翔也君(中一)は食を通じた国際交流の経験が豊富なようだ。その経験の中から「自国の味を相手が『美味だね』と笑顔で言ってくれる事はうれしい。一瞬にして互いの気持ちを溶け合わせてくれた」と語る。さらにそこから「同じ年頃の子供達の考えは触れた数以上に私の考える力、心の財産を与えてくれる」と観念が膨らむ。中村君は家庭科の課題で研究した味噌を台湾で味わいたいと言う。同君の友情の輪はさらに広がるだろう。
 
 入選者は3月下旬に台湾旅行のご褒美があった。コースには夜市や、それに芝山公園の六氏先生の墓見学も含まれている。きっと新たに感じるものがあったことと思う。
 (K)