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  台湾週報2182号(2005.3.17) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
:::


台湾週報2182号(2005.3.17)

週間ニュースフラッシュ

 ◆国際保健規則改定で台湾のWHO加盟に法的根拠 

 世界保健機関(WHO)加盟国会議は二月二十四日、国際保健規則(IHR)に「普遍的適用」の原則を書き入れ、その対象を「すべての人類」とすることに同意した。これで台湾のWHO加盟に国際公認の法的根拠が完成した。
《台北『青年日報』2月25日》

 ◆今年の国民一人当たりGDPは一万五千三十六ドルに 

 行政院主計処は二月二十四日、今年の台湾の国民一人当たりGDPは過去最高の一万五千三十六ドルになるとの予測を発表した。
《台北『民生報』2月25日》

 ◆台湾車、初の日本輸出へ 

  沈英銓・フォード六和総裁は二月二十五日、自社製のマツダSUVレジャー車TRIBUTEを来年から年間二万台日本に輸出すると発表した。フォード傘下のマツダが台湾にレジャー車の生産ラインを台湾に移行したための措置だが、台湾車が日本に輸出されるのはこれが初めてのケースとなる。
《台北『聯合報』2月26日》

 ◆六三%が「台湾人」意識

 聯合報は二月二十六日、最新の国民所属意識調査結果を発表したが、それによると自分は「台湾人」とする回答は昨年十一月の調査より六ポイント上昇し六三%で、「中国人」とする回答は同一〇ポイント減少し一四%となった。
《台北『聯合報』2月27日》

 ◆高速鉄道は開通遅れても安全第一で

 台湾高速鉄道(新幹線)の開通は当初本年十月であったが、工事の進捗状況から遅れる可能性が出てきた。これについて謝長廷行政院長は二月二十七日「高速鉄道は安全第一とし、事故は許されない」と、延期を容認する表明をした。ただし「社会的信用を考え延期は一回のみ」と語った。
《台湾『青年日報』2月28日》

 ◆中国が「反国家分裂法」制定すればいかなる対応も排除せず
   
 謝長廷・行政院長は三月一日、立法院での答弁において「中国の全人代が『反国家分裂法』を通過し、それが台湾に攻撃的なものであれば、いかなる対応も排除しない」と語った。可能な対応の中には、中国との交流停止、反統一法制定の国民投票実施も含まれる。
《台北『自由時報』3月2日》

 ◆陳水扁総統が欧州に対中武器禁輸措置解除は危険と訴え 

 陳水扁総統は三月一日、欧州議会議員、欧州マスコミ関係者とのテレビ会議を通じ「もしEUが対中武器禁輸措置を解除すれば、台湾海峡の軍事均衡は崩れ、さらに中国政府に民主化は不必要との誤ったシグナルを与えることになる」と主張した。
《台北『聯合報』3月2日》

 ◆王金平・立法院長が国民党主席選に出馬表明

 王金平・立法院長は三月一日「もし連戦・主席が続投しないなら、私が出馬を考慮する」と表明した。これで国民党主席選はすでに出馬を表明している馬英九・台北市長との争いになることがほぼ決まった。
《台北『中国時報』3月2日》

 ◆謝長廷・行政院長が北京に呼びかけ

 謝長廷・行政院長は三月二日、立法院において「反国家分裂法は両岸交流の基礎を破壊し、マイナスの結果しか生まない」と語り、北京に同法の制定をとどまるよう呼びかけた。
《台北『中国時報』3月3日》

 ◆国民党が党職員の大幅リストラ実施

 国民党中央常務委員会は三月二日、現在千七百人いる党専従職員を二年間で六百人に削減する大幅リストラ案を通過した。これにより年間十八億元(約五十四億円)であった人件費を六億元(約十八億円)に削減できる。
《台北『中央日報』3月2日》

謝長廷・行政院長が施政報告 和解と共存の理念により新社会建設

 謝長廷・行政院長は2月25日、就任後初めての立法院における「施政報告」をおこなった。このなかで謝院長は陳水扁総統が元旦祝辞で示した「協調と対話の安定した新局面」創造の理念を踏まえ、「和解と共存」による政策を打ち出し、与野党協調による安定した社会、環境保護、健全な社会、活力ある経済の創造、さらに健保問題の解決、国際社会における台湾の主権確保と両岸問題解決などを明示した。以下はその全文である。

一、国民の願望に誠意をもって応える

 游錫堃内閣の指導下で、二〇〇四年の台湾経済成長率は上昇し、失業率は低くなり、国際競争力評価においても輝かしい成果を収めた。とくに「挑戦二〇〇八 国家発展重点計画」と「新十大建設」は、新内閣に良好な基礎を用意してくれるものとなった。これには立法院の協力もあり、深く感謝している。

 だが、過去数年の経済成長の数値は、そのまま国民の生活や希望、自信に直結するものとはならなかった。それぞれの選挙区を持つ立法委員の方々は、社会に不安と悲観が充満しているのを感じ取っておられると思う。その原因は何か。周知の通り、世界経済の停滞、国際石油価格の変動、大陸経済の吸引力、両岸関係の緊張など外的要因に加え、人口の老齢化、貧富の差の拡大、健保制度の危機、環境汚染、エスニックの対立、治安問題など内的要因もあり、それらが以前よりも深刻となり、解決に至っていないことが挙げられる。 

 さらに政党間の争いは泥沼化し、行政改革は何度も頓挫した。これでは国民はどうしてこの国に自信が持てるだろうか。もし耳を澄ませて社会の声を聞けば、「安定」と「和解」を求める真の叫びが強く聞こえてくるはずである。

二、安定した新局面を拓く

 陳水扁総統は今年の元旦祝辞の中で、「協調と対話の安定した新局面」の方向を示した。私は二月一日の就任宣誓のあとすぐに、和解し共存するという理念により、協調と対話によって意思疎通を図り、台湾の主体性堅持を原則とし、政局、両岸、社会、人心の安定を求める「安定内閣」の結成に着手した。 

 私は、政党の対立、エスニックの対立、改革政策の空転、相互信頼の喪失など、従来の構造では解決できないと思っている。台湾には内外の問題が山積みしており、それらは一政党だけで、また国民の半分が賛成したからといって解決できるものではない。われわれはまったく新しい相互連動の構造を必要としており、それによって細やかな意思疎通を図らなければならないのである。その新構造とは「協力し合い共存する」ことを中心とし、対立よりも共に発展する道を選び、台湾のすべての社会が和解して団結し、悲観や猜疑を捨て去り、相互協力によって共に栄える新時代を構築するものでなければならない。 

 和解し共存するという理念の根本は、立法院と行政院の間だけではなく、政府と民間、与党と野党などの関係も含み、それらがすべて相互尊重の下に協力し合うというものである。和解するということは、対抗することよりも勇気が必要であり、協力とは対立よりも複雑な配慮が必要となる。自信と忍耐力を持てば、必ず異なる中に共通点を見出し、コンセンサスを確立できるものと私は確信している。 

 共に発展しようとする行動は、人類の歩んできた大きな足跡でもある。歴史の変遷を見れば、人類は深刻で重大な対立に直面し、好ましい解決策がなく共倒れの危機に瀕した時、まったく新たな方法や構造を作り上げ、解決してきたものであった。いま台湾は、そうした困難な時代に直面しているのである。私が和解し共に生きる理念を提示した時、社会の大きな反響を呼んだ。ある主婦は私に手紙を寄せ、これまで社会に失望していたが、この理念により希望が湧き将来に自信が持てるようになったと励ましてくれた。今われわれの将来には、希望と期待が満ちているのである。

三、健康な台湾を確立する

 「協力し合い共存する」という理念は、施政の中に必ず具現しなければならない。その施政によって、生活のレベルが向上し、全国民がそれを等しく享有しなければならないのである。私はこれからの施政において「健康な台湾」を主軸に据える。ここでいう「健康」とは、病気がない強い体といったものだけを指すのではなく、個人、家庭、地域から国家、さらに心理面から社会道徳に至るまで、全方位的な意味を持つものである。 

 さらにこの全方位的な概念とは、具体的な政策において経済、社会、環境の三大要素を同等に扱い、正三角形の関係を成すものである。したがって経済発展もこの正三角形の一辺に位置することになり、他の辺とともに発展することが前提となる。なぜなら、経済の持続的な発展には国民所得と社会のインフラが持続的に伸びることが必要だからである。また国民所得向上とインフラ拡充を求めるのと同時に、公共心の強化と社会的弱者保護の社会を作り上げなければならない。そうすることによって社会の対立は解消できるのである。さらに政府は、開発と環境のバランスがとれた社会を追求しなければならない。

 それらの目標達成のため、政府は「国民の健康」「活力ある経済」「永続的な環境」「安心できる生活」「効率的な行政」「相互信頼の社会」の六大方向を施政の重点とする。 

①国民の健康

 体力すなわち国力であり、健康な国民によって健康な国家が成り立つ。このため政府は全国民の心身の健康を目標とする。スポーツレベル向上の面では、国民に広くスポーツを奨励し、国民の健康な体力向上を目指す。また、積極的に国際スポーツ大会に参加する。

 すでに「二〇〇九年ワールドゲームズ」の高雄開催と「二〇〇九年デフリンピック(障害者競技大会)」の台北開催が決まっており、引き続き国際大会の誘致を進める。この中で二〇二〇年のオリンピック台湾誘致を優先目標とし、台湾の国際的地位の向上を図る。本年、ドイツのデュイスブルクで開催される「二〇〇五年ワールドゲームズ」にわが国も積極的に参加し、国際スポーツ大会の場で台湾の名を世界に広める。

 教育の面では、まず学校での健康教育を推進し、健康の理念を生活教育のなかに組み込み、国民の心身の健康に対する意識向上を図る。その目標は、国民の心身の健康を促進するほかにも、相互信頼、相互尊重、包容力、共に生きる理念を基礎に、温かい人間性と思いやりの精神を発揮し、意思疎通により偏見を捨て去り、互いにこの社会に暮らす精神を養い、安定した社会環境を造成するところにある。

 このほか衛生医療面では、国民の健康自主管理を奨励するとともに、防疫体制を強化し、医療サービスのレベル向上を進め、健全な緊急医療ネットワークを確立し、長期的健康管理と心身障害者医療の充実を促進し、国民の健康な日常生活、健康自主管理能力の向上を図り、疾病からの脅威を軽減する。 

 ②活力ある経済

経済は台湾が生存するための生命線であり、健全な社会を構築するための基礎となるものである。新内閣の重点政策の一つは、健全な経済体制を確立し、民間が全力を発揮できる環境を創造し、活力ある台湾を実現するところにある。今後一年間における内閣の努力目標は以下の五項目であり、これによって台湾経済再生を図る。

 優れた投資環境‥国民の福祉と、国際競争力向上に関する公共建設を加速する。並行して人材育成を強化し、創意工夫による研究開発の部門を発展させ、「新たな台湾の路線」の思考により製品の世界販売網を確立し、台湾を創意研究開発の基地となし、さらに国際オペレーション部門を発展させ、民間企業が台湾に根を下ろすとともに、世界の優れた人材が台湾で存分に活躍できる環境を創造する。

 創意による付加価値向上‥産業に付加価値を持たせるのは、その産業の優位性を確保する核となるものである。デジタルコンテンツとバイオテクノロジー部門を発展させる「両兆双星計画」を継続して促進し、さらにIT、石油化学、鉄鋼部門を加えて「五大兆元産業」となし、その発展計画を進める。従来型産業とサービス業についても高付加価値化を促進し、また農業の科学技術化を進め台湾農業の経営転換を図る。

 公平な税制と金融制度‥税制の公平化と金融体質の強化は、これからの財政金融改革の重点である。行政院は税制の公平化と合理化を原則とし、税制改革を推進し、健全な税制構造を確立して税収の安定と適正化を図る。今後、行政院は社会各界の税負担軽減、軍人および小中学校教員への課税、営業税の調整などの税制改革に社会的コンセンサスを求め、もって政府が目標としている税公平化の決意と公約を具現する。

 このほかにも「第二次金融改革」を進め、国際金融構造に則った金融環境を構築し、海外株式市場との連携を進め、台湾を地域金融サービスセンターとなし、政府の国庫および国家財産管理の効率化を進める。これらも政府の重点政策とする。

 開放経済体制‥政府が進めようとしているのは「開放と緩和」の理念を堅持し、時代に合わない法規に検討を加え、経済発展に悪影響を及ぼしている法規は改正あるいは廃棄し、社会的資源と知恵を有意義な生産活動に導入し、経済活動に対する不適切な制限を取り除き、経済の自由化と健全な発展および活力増進を促進する。

 国際機関との連携‥わが国の経済はすでに世界貿易機関(WTO)の構造下にあり、世界各国との経済関係をいっそう強化しようとしている。さらに友好国との自由貿易協定(FTA)あるいは経済協力協定の調印を進め、また自由貿易港の開設を活用して国内外の企業が台湾を活動基地とすることを奨励し、台湾経済の世界経済の舞台における活動をさらに飛躍させる。 

 ③永続的な環境

 わが政権の一貫した理念は、文明と自然の共存を図り、台湾を子々孫々にわたって快適に住める国土にするところにある。このため政府は自然環境の永続性を図り、生態保護に力点を置いて世代による自然利用の不公平を解消し、地域のバランスをとる。こうした永続的な国土計画によって環境と生態保護を具体化し、自然環境保護と経済成長のバランスを維持する。

 国土の合理的な活用を図るため、これまでの大規模な自然破壊を反省材料とし、「永続性」と「共存」の観念を高め、自然を尊重するとともに順応し、自然保護の管理を厳重にする。われわれは「国土計画法」と「国土再生条例」など進歩的な法案の成立を鋭意推進し、国土再生の決意をここに示す。

 環境保護については、京都議定書が本年二月十六日に発効したが、わが国は同議定書の調印国ではないものの、国際社会の一員としての責任を果たすため、これに真摯に対応する。このため政府は目下、影響評価と対応策の検討を進めており、産業政策とエネルギー構造に調整を加え、産業界の衝撃と負担軽減を図ろうとしている。わが国が減量目標を決定したなら、税制面での配慮、もしくは二酸化炭素等の排出量の国内における売買制度を設け、分配と指定減量を具体化し、国土の永続的な発展を期す。 

 ④安心できる生活

 個人の「自存」なくして社会との「共存」はあり得ない。したがってわれわれは社会との共存を推進する前に、個人が自存するという問題を先に処理しなければならない。このため政府は治安の改善を施政の優先課題とする。政府は警察官の定員を拡大するとともに、その待遇を改善し、警察の市民に対するサービスを向上させる。このほか、政府は各機関の整合性を積極的に進め、搾取・詐欺行為の一掃、資料の不法持ち出しの防止、金融犯罪への捜査強化、ネット金融犯罪の防止、武器不法所持や薬物の取締りを鋭意推進し、治安問題を国家の安全保障レベルにまで引き上げて処理し、市民の生命・財産を守り、安心して住める社会を実現する。

 国民健康保険制度が施行されてから十年になるが、現在欠損が重大問題となっている。この健康保険制度を支障なく永続的に運営するため、政府は「多元的な保険金徴収方式」を採用するとともに、医療の浪費防止、薬品購入差額の調整、さらに公務予算の増額、たばこ税の調整などにより、健保財務の改革を進める。「サービスの向上」「均衡ある財務」「参加の拡大」を原則に、「二世代健保接続案」を検討し、健康保険制度の強化を達成し、人々の医療への憂慮を取り除き、バランスのとれた財務を維持する。

 さらに安心できる社会制度の確立については、当面の問題は人口の老齢化に対処する福祉の充実であり、政府は目下高齢者の福祉構造の確立に取り組んでおり、「国民年金制度」の具体化を進めている。人口構造のアンバランスは国家の将来の発展に影響を与えるものであり、政府は育児問題の改善を進めるとともに「人口政策白書」の作成を進める。

 労働問題は経済成長の基礎であり、世界景気の動向や国内労働市場の変遷により、台湾の労働者は構造的な失業問題に直面している。政府は職業訓練、就職指導サービスを提供し、また失業保険を充実するほか、短中長期における就業の機会を設けるとともに地域産業の開発などによって対応する。また政府は、労働三法にある権利条項が憲法の条文に盛り込まれ、労働者がさらに多くの権利を保障されるようになることを望んでいる。

 また近年、新移民(外国人)の配偶者やその子女が著しく増加し、台湾における第五のエスニックを形成するところとなっている。これらが平等な権利の下に共に暮らす新社会を創造するため、政府はすでにこれらを福祉および指導の対象とし、中央と地方、民間団体が共同で関連教育と生活指導業務を行う。 

 ⑤効率的な行政

 政府が行政改革に着手してからすでに二十年を経るが、まだ実現していない。各種の国際競争力評価ではわが国政府の行政効率は二十位前後であり、国際競争力の順位と比較すれば大きな差がある。行政効率を高めるため、行政院はすでに「行政院組織法」など行政改革に関する主要な三法案を立法院に送付しており、与野党が改革に関してすでに得ているコンセンサスを基礎に、同法案がこの会期において通過し、国際競争力を備えた効率ある行政府が確立されることを望む。

 このほか「民間でできることは、行政は行わない」という精神を堅持し、政府は公共事業への民間参加を拡大し、民間投資を奨励し、公共投資の不足を補填する。「市民のための利を図る」という角度から、国家建設プロジェクトへの民間共同参加を開放し、この部門での民間投資千億元(約三千億円)達成を政策の目標とする。

 透明な政府を確立するため、黒社会、収賄、汚職への捜査を強化し、検察の力を高め法制改革を具現し、政治風土を正し、公共行政への市民参加を拡大し、政府の情報公開を進め、企業的高効率とネット化された新行政構造を確立する。 

 ⑥相互信頼の社会

 信頼は重要な社会的財産であり、人類社会の最も貴重な価値観ともなっている。現代社会を順調に運営するには、個人対個人が互いに理性をもって接し、社会制度も個人の基本的な信頼感を保障するものでなければならない。英国の政治学者オーニールは『われわれはなぜ信任しないか』という著書の中で「もし信頼というものがなかったなら、人類は一日として生きていけないだろう」と述べ、現代社会における相互信頼の重要性を説明している。

台湾は特殊な歴史的環境により、民主主義がまだ完全に深化しておらず、激烈な選挙の後にまで人と人の間には猜疑心や不信感が残り、人心の分裂が醸成され、公民意識による共存の連帯感が生まれない状況におかれている。われわれは共に共存の社会造成のため、まず「信頼」という社会的財産を回復しなければならない。

 社会に信頼を造成するため、与野党の指導者はこの責任から逃れることはできない。政治家の行動、一言一句が国民の社会と民主主義、公権力、行政への信頼を高めるものでなければならないと私は思っている。ここに私は各党の指導者に、国民の社会に対する信頼感を高めるため共同で努力することを呼びかけるものである。

(「四、社会意識を凝集」「五、台湾の主体性確保」「六、台湾の奇跡再現」は次号)

【行政院 2月25日】

林佳龍・新聞局長が日本を訪問 台湾の未来に向け交流強化訴える

 中国が三月六日からの全人代で「反国家分裂法」を通過させようとしているなか、三月一日~五日、林桂龍・新聞局長が訪日し、各界に台湾の存在をアピールするとともにアジアの平和と安定を呼びかけた。 

 三月二日、林局長は台北駐日経済文化代表処に許世楷代表を訪問し、今回の訪日目的について「日本の新しい世代の政治家を訪ね、各界に中国の反国家分裂法が及ぼす影響を訴えるため」と語った。許代表は「日米の外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、日本が初めて台湾海峡問題への関心を示したことは、台湾にとって大きな意味がある」と述べた。 

 林局長はまた同日午後、中田宏・横浜市長を訪問した。中田市長は「台湾の大切な友人を迎えることができてとても嬉しい。今後もさらに日台交流を深めていきたい」と歓迎の意を表し、林局長は「横浜市の再興計画を成し遂げた市長の手腕に敬意を表する。横浜の中華街では多くの僑胞にビジネスの機会が与えられており、感謝したい」と応えた。また中田氏が会長を務める国際都市間交流のNGO事業「シティネット」に、昨年台北と高雄が加入したことに感謝の意を表した。 

 中田市長と林局長はともに一九六四年生まれの四十一歳。会見は終始なごやかな雰囲気のなかでおこなわれた。林局長は今年末の台中市長選挙に立候補する考えであることを伝え「すでに三年間の施政のなかで、大きな業績をあげた中田市長には学ぶことが多い」と語りかけると、市長は「台湾で何度か見たことがあるが、台湾の選挙戦は激しく私にはとても無理」と答えた。

 さらに市長は「日本と台湾は地理的にも近く、文化的共通点も多いため、互いに学ぶ点がある」と述べ、林局長が依頼した台中市のシティネットへの加盟について、助力を惜しまないと表明した。会見後、林局長は「横浜みなとみらい21」エリアを視察し「横浜は伝統と現代化が融合した港湾都市である。民間の力を活かし、地方自治体の限られた予算のなかで効果的な企画力を発揮した実績は、台湾が学ぶに値する」と語った。

 三月三日、林局長は日本のマスコミ各紙の取材を受けた後、夜は国際シンポジウムに出席し、日米パネリストとともにアジア太平洋地域の平和と安定について二時間半にわたって意見を交換した。また四日には石原慎太郎・東京都知事と会見し、名古屋で国際万国博覧会(愛知万博)会場を視察した。

《取材:本誌編集部 葛西》

「東アジア安定と繁栄への道」シンポが開催 林新聞局長が報告、日米の専門家と意見を交換  

 三月一日~五日の日程で日本を訪問した林佳龍・新聞局長は同三日、東京で開催された国際シンポジウムに出席し、中国が制定を進めている「反国家分裂法」について、その危険性を強調し、国際社会にもっと注視するよう呼びかけた。 

 シンポジウムは社団法人アジア調査会が主催したもので、「東アジア安定と繁栄への道」と題し、台湾、日本、米国の三カ国のパネリストが出席した。台湾からは林新聞局長が招かれ、日本は山本一太・自民党参議院議員が、米国はサム・ジェーソン・元ロサンゼルスタイムス東京支局長がそれぞれ出席した。 

 アジアを取り巻く最近の情勢では、さきの日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「共通戦略目標」の中に初めて台湾海峡問題が取り上げられたことや、今月中にも制定が考えられる中国の「反国家分裂法」、さらには欧州連合が中国への武器禁輸措置解除を強めている動きなど、台湾にとっては国家の安全にかかわる大きな問題に直面している。シンポジウムではそれらの問題を日米がどのように評価し、アジアの発展に向けてそれぞれがどのような役割を果たすべきかについて幅広い討論がなされた。

 以下は、三人のパネリストの基調報告と討論の要旨である。 

        *      *      *

〔基調報告〕 

●反分裂法は日本にも影響及ぼす  林佳龍・新聞局長

 日米がさきの2プラス2で台湾海峡問題への関心を示し、平和的な解決を望むと主張したことは、台湾としてとても歓迎している。これは日米安保の強化であり、内容を安全から経済、政治へと拡大し、範囲に台湾海峡を含むことを明確にし、東アジアからアジア全体、さらに世界に広げたことに、われわれは大きな期待を抱いている。

 中国の「反国家分裂法」は台湾への武力行使に法的根拠を与えるもので、中国が現状を変えようとする一つの動きと見るべきだ。もしこれが制定されたなら、これを根拠に台湾の内政に介入するだけでなく、尖閣諸島問題にも広げて日本の利益にも影響を与える。

 われわれはいま分裂法の行方を見守っており、状況によっては強い反対姿勢で臨むつもりだ。もし分裂法が今回の全人代で通過したなら、陳水扁総統の両岸政策も今年の春節チャーター便の成功も否定される。そうなれば、台湾の国民はこれに反対し抗議活動を行い、反併呑法や公民投票を要求するだろう。そして両岸の一切の交流が中止されれば、両岸関係に大きな衝撃となる。

 「反国家分裂法」の制定は台湾だけでなく日本にも影響を及ぼす。というのも、地域の問題を解決するのに、中国は内政問題としてこれに介入すると思われるからだ。ここでカギとなるのは胡錦涛だ。中国は鄧小平の時代には民族主義で台湾を統一しようとし、江沢民は経済によって、そして胡錦涛は軍事によってこれを実現しようとしている。胡錦涛が台湾を鎮圧するような方向に歩まないよう、皆さんがぜひ正義の声をあげてほしい。

 ●中台統一のシミュレーション必要  山本一太・参議院議員

 今日のテーマは東アジアの安全保障を日米中台の四極から考えるというものだが、これまでアジア太平洋地域の安全議論は日米韓中であり、日米中台の視点がなかった。日米は台湾をどう位置付ければよいか、また日本にとって台湾はどういう存在かという議論が自民党内でも国会でも最近非常に少なく、今日の会議はそういう意味でとても貴重だと思われる。

 私は小渕、森内閣のもとで九九年から一年余り、外務政務次官を務め、中国へ何度も足を運んでおり、唐家璇外相ら政府要人とも何度か会見した。その経験から言えば、中国は「力をつけること」に戦略を置いていると思われる。国益を実現するには力が必要で、軍事的、経済的大国となるには今は我慢し、力をつけてから国益を実現しようと中国は考えていると思う。そして力をつけたあと、中国は名実ともに台湾を自らの領土にするだろう。二〇〇八年以降、軍事力が整えばその可能性が強い。

 いま自民党内で北朝鮮に対する経済制裁のシミュレーションをしているが、日米が台湾の戦略的価値について考える際に、中国が台湾を統一した場合のシミュレーションがあるのかどうか。少なくとも日本では聞いたことがない。これは日本の水域、経済にも影響を与える問題であり重要だ。 

●米国の台湾防衛は強固 

 サム・ジェーソン・元ロサンゼルスタイムス東京支局長

 今日のシンポジウムで「アジアの平和、安定のための理想的な構造は何か」というテーマを与えられたが、そもそも安定ということに対して回答が見つからない。経済的ダイナミズムがあまりに大きいためで、たとえば十年前を考えても台湾の民主化は始まったばかりで、中国経済がこれほど発展することも予測できなかった。二〇二〇年以前に中国が日本の国内総生産を上回る可能性さえ指摘されているなかで、東アジアに安定を見出すことは難しいと思われる。

 最近のNYタイムスの記事で、欧州が中国への武器輸出禁輸措置を解除すれば、米議会は報復措置をとるだろうという動きが報道された。これは、いわば米国が台湾を救済するために欧州を犠牲にするという覚悟であり、私も驚いた。中国に輸出される武器の九割は台湾に対して使われると思われるが、ブッシュ大統領も欧州を訪問した際に二度も各国の指導者に解禁しないよう働きかけたことも、米国の台湾への防衛の約束がいかに固いかを物語っている。 

〔討論〕

―両岸関係について言えば、最近中台チャーター便の就航や陳宋(陳水扁総統と宋楚瑜・親民党主席)会談の実現などが挙げられるが、これらは陳政権の中台対話へのステップと受け止めてよいか―

林新聞局長:陳総統は昨年から中国に対し陽光政策(両岸関係の緊張緩和と協力への呼びかけ)を推進しているが、両岸の緩和にはまず台湾の大多数の支持が必要だとの立場から陳宋会談を行った。与野党の和解を図るのが目的であり、合意した十項目の内容はこれまでに述べてきた内容で、決して路線の変更ではない。今回の会談を国民の七割近くが支持しており、このことは中国と交渉する上で力を持つ。だが、陳宋会談の成否は宋主席がどこまで陳総統と協調するか、また「反国家分裂法」の行方も含め観察する必要がある。

山本参議院議員:日米の外交安全会議はこれまで何度もあったが、日米が地域、世界などジャンルに分けて課題を追求していく戦略を具体的に打ち出したのは今回の2プラス2が初めてであり、画期的と言える。

 日本にとって台湾の意味を考えたとき、中国との外交戦略において、台湾があるためにより多くの選択肢を広げていると言える。中国の覇権を抑制するためにも、台湾問題は大きな意味を持つ。

―林局長はさきほど2プラス2を歓迎すると表明されたが、もう少し掘り下げてお話いただきたい―

林新聞局長:皆さん方の中には、中国が台頭するのは台湾が現状を変更したいと考えているからだとの誤った考えがあるようだが、実際はその逆である。中国は台湾を口実に現在の日米、アジアの地位に挑戦しようとしているのだ。中国は今後十年間で五百海里を支配下におき、その資源を掌握し、経済力を維持したいと考えている。2プラス2で日米が声明のなかで主体的に台湾海峡の平和的解決を盛り込んだが、われわれはそれに対し責任を果たさなければならないと考えている。

 アジアには北米や欧州などに比べて安保体制が不足している。アジアにおける軍事バランスは非常に不安定で、一国が武器を購入すれば他国に緊張をもたらす。こうしたなかで日米安保の強化は非常に重要だ。中国の脅威は台湾のみならずアジア、民主国家の共通の課題として対処すべきだ。

《取材:本誌編集部・山田》

中国の軍事拡張と台湾の防衛戦略⑧

「二〇〇四年国防報告書」概要

四、台湾に対する軍事的威嚇(続)

〔具体的に可能な戦術〕

(一)威嚇戦‥これは武力を背景とした威嚇により、政治、経済、国民の精神面に圧力を加え、それを順次強めるというものである。手段としては正規と非正規、軍事と非軍事的手法が併用される。その特徴は、最少の犠牲をもって最大の政治目的を達成するところにある。

①軍事大演習による圧力‥心理戦の範囲内のもので、沿海部に大兵力を集中し、火力を誇示するとともに散開演習なども行い、場合によっては島嶼揚陸演習も行い、それらをメディアによって喧伝し、台湾の民心に動揺を与え、戦わずして屈服させようとする。

②インターネットによる攪乱‥コンピューター・プログラマーさらにハッカー・グループを活用して台湾の政治、経済、軍および各メディアのホームに侵入し、不正な書き込み、改竄などにより混乱を惹起させ、民心の不安感を増大させる。

③航空機、艦船による挑発‥戦闘機や軍艦によって台湾海峡中間線を越境し、警告あるいは威嚇の行為を行い、台湾海空軍の動きに圧力を加え、台湾軍将兵の防衛精神および士気を疲弊させる。

④局部封鎖による脅迫‥軍事演習あるいはミサイル試射により台湾の一部シーレーンもしくは一部島嶼部の周辺を航行禁止水域に指定し、実質的な部分封鎖による圧力ならびに脅迫を加える。

⑤全面封鎖作戦の実施‥台湾本島の周辺水域および空域を航行禁止区域に指定し全面封鎖を宣言する。同時に戦闘機、潜水艦を台湾のシーレーンおよび港湾近辺に派遣し、もしくはシーレーン、本島水域に機雷を敷設する。この全面封鎖により台湾を窒息させ投降を促す。

(二)攪乱打撃戦‥通常戦によらず、奇襲あるいは遠距離精密攻撃によって台湾軍の指揮・コントロールシステム、ならびに政治、経済中枢部の連絡網を麻痺あるいは破壊し、殲滅前に台湾の反撃力を奪う。

①インターネット作戦‥ハッカーやコンピューター・ウイルスなどによるインフォメーション・ウォーフェアを展開し、台湾の軍関係、金融センターなどのコントロール網を混乱させ、台湾当局の戦略および戦術立案機能を麻痺させる。

②ミサイルによる波状攻撃‥戦術弾道ミサイルや巡航ミサイルによる波状攻撃を敢行し、台湾の政治、経済の中枢、C(4乗)―ISR機能(注一)、主要軍事施設を壊滅させ、台湾の反撃力と士気を崩壊させる。

③統合精密攻撃‥戦術弾道ミサイル、巡航ミサイル、無人攻撃機、さらに海空軍の攻撃部隊を併用し、台湾陸海空軍の拠点に精密攻撃を加え、台湾の反撃力と余力を殲滅し、揚陸作戦の準備を整える。

(三)攻略戦‥現段階では中国の陸海空軍は台湾直接侵攻の能力を保持していないが、装備を年々更新し、演習も頻繁に行い、総合戦力は向上しつつある。将来的には高性能最新兵器および大兵力を動員し、前述の各種作戦を前段階として台湾本島に本格的な攻略戦を仕掛ける可能性は否定できない。

 中国の軍事動向は以上であるが、近年同国の経済は飛躍的に成長し、同時に台湾の独立への傾斜に憂慮を深めているとはいえ、外国勢力の関与、台湾民心の大陸からの離反、さらに各種攻撃兵器の準備不足などの要素から、短期間内で台湾に全面攻撃を仕掛ける可能性はきわめて少ない。したがって中国は現在、軍備増強を精力的に進め、とくに非対称型戦略に力点を置いている。これと並行し、国際社会においては各国にあらゆる機会をとらえ「一つの中国」を遵守して台湾との政府間接触をしないよう要求し、とりわけ米国に対してはブッシュ政権の台湾武器輸出政策を非難するとともに、三つの共同コミュニケ(注二)遵守と米台軍事交流の中止を要求するなど「米国を通じて台湾を制御する」策略を進めている。

直接台湾に対する作戦として最近目立つものとしては、真偽さまざまな軍事情報を放出するなど、心理戦と情報戦を展開していることが挙げられる。これらのことから、近未来に考えられる中国の対台湾戦略は威嚇の継続、局地封鎖、さらに「三戦」(注三)強化による台湾内部の混乱醸成が挙げられる。国民はこのことを重視し、心防(精神の防衛)を強化しなければならない。

(注一‥英単語の頭文字を取った用語で、指揮、統制、情報、コンピュータ  ー・システム、諜報、監視、偵察を指す。

 注二‥一九七二年の米中上海共同コミュニケ、七九年の国交関係樹立コミュニケ、八二年の八・一七コミュニケを指し、いずれも「一つの中国」の原則遵守が謳われている。

 注三‥心理戦、世論戦、法律戦)

       ○       ○       ○

 これまで紹介してきたように「二〇〇四年国防報告書」は第一章から第四章までが中国の動向に費やされ、第五章と第六章が台湾の国防政策と軍事戦略になっている。以下は国防組織、人材、教育、法規、福利厚生、軍民連携などが記され、全二十六章の構成になっている。このうち第五章と第六章の前言と概要は以下の通りである。

〔第五章「国防政策」前言〕

 今日の国際情勢は複雑で危険な要素がからみ、それらがわが国の安全保障にも大きな危険をもたらすところとなっている。だがグローバル化と多角的な国際経済関係の進展が、わが国の安全保障の整備にとって無限の契機をもたらすものとなっている。この現状から、国防部は実務的に今後の変化に対応するため、機会を掌握し、当面の国家安全政策を基軸とし、国家安全目標に依拠して国家利益維持のため国防政策を練り、もって国家の安全を確保する。

 グローバル化、IT化の今日、国家の安全は、単に軍事面における安全から、外交、両岸、経済、科学技術、心理、環境、危機管理などを含む広義の面に広がっている。わが国の国家安全政策の目標は、これら総合面の安全を維持し、国家の永続的生存と発展を確保し、国民の最大福祉を創造するところにある。

〔第六章「軍事戦略」前言〕

 軍はもとより「戦争防止」「国土防衛」「反テロ」を基本目標とし、「有効な抑止力、専守防衛」の能力を整える以外に、「ハイテク化、優勢保持」を目標とし、陸海空三軍の整合を進め、精鋭化、効率化、戦闘力強化による現代化軍隊を創り上げ、国家の安全を確保する。

 軍の戦略構想は基本戦略構想と防衛作戦指導から構成される。その目的は三軍の戦力を統合し、連合作戦の効果を発揮し、効率的に台湾・澎湖・金門・馬祖防衛の任務を遂行するところにある。

〔第五章、第六章の概要〕

一、わが国の国家利益のため、わが国の生存と発展を確保し、国民の安全と福祉を維持し、自由、民主、人権を保障する。国家の安全目標とは完全な国家主権の維持、国家の永続的発展の保障、台湾海峡での軍事衝突防止、アジア太平洋地域の安全と安定への協力を含む。

二、現段階におけるわが国の国防政策は「戦争防止」「国土防衛」「反テロ」を基本目標としている。その具体的方針は、国民の国防参加への範囲拡大、国民防衛理念の強化、危機管理システムの健全化、ハイテクによる現代化軍隊の構築、国防と民生の合一政策推進、国防科学技術の研究開発強化、周辺諸国との安全保障協力の開拓、徴兵制度とボランティア代替制度の併用推進、統合作戦指揮系統の確立、統合作戦演習の推進、軍構造の法制化、将兵の福利厚生の充実などである。

三、わが国が対岸(中国)に対して呼びかけている軍事相互信頼システムの構築は、次の三段階構想によって進められる。①短期的段階‥双方善意を示し、異なる部分は据え置き共通点を求める。②中期的段階‥ルールを確立し相互信頼関係を強化する。③長期的段階‥敵対意識を解消し平和を確保する。

四、軍の危機処理は政府の政策指導により、全方位の安全確保を図るため反テロを貫徹し「危機予防、状況掌握、緊急対応、迅速処理、危機拡大防止」を確保する。

五、台湾における現段階での基本戦略は「有効な抑止力、専守防衛」である。「軍事における革命」思考によって精度、量、戦力ともに効果的な反撃能力を整える。

六、将来の目標を「ハイテク化、優勢保持」に置き、現代化された高度な防衛力を確立する。

【国防部 04・12・14】

「大陸地区人民来台観光活動許可弁法」修正版を公布

内政部 二〇〇五年二月二十三日

 観光客倍増計画を推進し、大陸地区住民の台湾観光に対する管理体制を強化するため、内政部は二〇〇五年二月二十三日、交通部とともに「大陸地区人民来台観光活動許可弁法」の修正を公布した。

 大陸の住民が台湾を観光することは、両岸人民の双方向の交流にプラスとなり、相互信頼の醸成にもつながる。両岸情勢と国内の旅行市場のニーズに応えるため、二〇〇〇年十二月五日、立法院は「台湾および大陸地区人民関係条例」第十六条第一項規定を「大陸地区住民が台湾でビジネスおよび観光活動に従事するには申請が必要で、それに関する規則は所轄機関が定める」と修正した。その後、行政院大陸委員会は交通部、内政部とともに大陸地区住民の台湾観光への規制緩和に対する評価と作業を進め、二〇〇一年十一月二十三日「大陸地区住民の台湾観光開放推進案」が行政院を通過し、〇二年一月から大陸住民の台湾観光を開放した。〇四年末現在、大陸住民の台湾への観光申請件数は三万八千七百六十六人となっている。

 今回の修正では、観光客倍増計画の推進に合わせて、第三類の大陸住民の台湾観光について団体に限定した規制を緩和するとともに、大陸住民の台湾観光申請業務について今後「中華民国旅行商業同業公会全国連合会」を単一窓口とし一括処理することとなった。
また、大陸住民の台湾観光への管理体制を強化するため事前審査を厳格化し、旅客の入国管理を強化し、旅行業者の管理を見直すことにより大陸住民の観光名義での偽装入国による不法滞在と不法活動を防止する。

「大陸地区人民来台観光活動許可弁法」は三十四条からなり、主な修正点は以下の通り。

一、旅行業界の統一した業務処理体制を確立するため、現行の大陸住民の台湾観光の割り当てや申請書の受付け、送付、受理、証明書の発行、割り当て数の確定、保証金の受理、その収入と支出、および運用、旅行業者の自主管理などについて、今後「中華民国旅行商業同業公会全国連合会」が一括して行う。(第四条、第五条、第七条、第八条、第十二条、第十三条、第十四条、第三十一条)

二、第三類の大陸住民の台湾観光について、団体に限定した出入国規制を緩和する。(第六条、第十九条、第二十一条、第二十四条)

三、「台湾地区旅行証」から「台湾地区出入国許可証」に名称を改める。(第七条、第八条、第九条、第十八条、第十九条)

四、「旅行業管理規則」第五十三条の修正に合わせ、大陸住民の台湾観光に関する業務について、旅行業者に対し観光客の証明書類の遺失に対する保険加入を強制する。(第十六条)

五、市場のニーズに応えるため、スケジュールを組む際に観光局が推薦する観光スポットを参考にしなければならないとする規定を削除し、市場のニーズに符合したものにする。(第十七条)

六、以前台湾への観光で問題のあった大陸住民の審査を厳しくし、規定に違反した観光客に対する防止体制を確立するとともに、その注記と管理年数を延長する。(第十八条)

七、大陸住民の台湾での活動に対する管理を強化するため、団体を抜け出した大陸住民への対応について定める。(第二十二条)

八、ガイド資格試験を考試院の所轄業務に復帰させるのに合わせ、これ以前に試験に合格したガイドの大陸からの観光客接待業務について定める。(第二十三条)

九、管理体制を強化するため、大陸住民の台湾観光に関する業務において旅行業者とガイドは規則を遵守しなければならない。(第二十四条)

十、旅行業者が行っている累計と違反内容の程度によって処分するやり方を修正する。(第二十八条)

十一、大陸住民の台湾観光を庇護、または名義を借りて業務を行うことを禁止し、これに違反した業者に対し罰則を追加する。(第二十九条)

十二、大陸住民の台湾観光を庇護、または名義を借りて業務を行うことを禁止し、これに違反したガイドに対し罰則を追加する。(第三十条)

二〇〇五年観光情報 

台北半日無料観光ツアーが人気

 交通部観光局が実施している「台北半日無料観光ツアー」が人気を呼んでいる。

 観光客誘致策の一環として昨年から実施されているもので、桃園国際空港経由の乗り継ぎ便利用客を対象に、台北市内の半日観光を無料でサービスしているものだ。

 昨年このツアーを利用した観光客は四千三百七十八人にのぼり、今年一月だけでも五十四回のツアーが組まれた。二月以降も民間の旅行業者に委託し、午前発、午後発の一日二回実施している。 

 利用できるのは乗り継ぎ時間が七時間以上あるトランジット旅客で、台湾人とノービザ適用国(三十一カ国)の観光客を対象とする。桃園国際空港到着後、到着ロビーにある観光局ツーリストサービスカウンターで「FREE HALF DAY」を申し込む。ツアーの所要時間は約四時間、英語のガイドが同行する。

 このほか、台湾で開催される国際会議や展示会などに出席するため訪ずれた外国人関係者とその家族を対象に、一日無料観光ツアーも実施されている。自然と文化をテーマに二つのコースがあり、昨年は二千人が利用した。

《台北『民生報』2月21日》

 離島の観光開発を促進

 政府は、澎湖、金門、馬祖の三つの離島の観光開発を進めるため、今後二年間に三十三億元(約百億円)を投資することを決めた。離島ならではの豊かな生態や文化資源を生かし、魅力ある観光地作りを進める。具体的には、観光客の活動の拠点となる海洋レジャー基地の建設や道路、標識などの整備、既存の施設の再活用などに加え、生態ツアーの実施なども計画している。政府は離島の水不足問題や緑亀、コアジサシなどの生態環境にも配慮し、過度の開発は控え、自然保護に重点を置いて進めることにしている。

《台北『民生報』2月22日》

悠遊カードが五百万枚突破 

 台北市内のバスや新交通システム(MRT)、同付属の駐車場で使える「悠遊カード」が、運用開始から二年あまりで発行量が五百万枚を超えた。

 「悠遊カード」は、プラスチックカードにICチップが内蔵されており、あらかじめカードに入金(チャージ)しておくことで、MRTやバスをキャッシュレスで利用できる。

 「悠遊カード」は各駅のほかコンビニでも販売されており、最高一万元(約三万円)までチャージできる。

 台北市では「悠遊カード」の利用範囲を路上駐車やタクシーにも広げ、うまくいけば年内にも実施させたい考えだ。また銀行と協力し、キャッシュカード機能を持たせた「連名カード」の発行も準備が進んでいる。

●使用済みカードを名刺に

 「悠遊カード」を発行している智慧卡公司は、回収した使用済みカードを活用した「名刺型悠遊カード」を近く発行する。このカードに自分の名前や住所、電話番号、会社の情報などを印刷して友人に送ったり、名刺代わりにも使えるというのが売り物だ。プリペイド機能がついているため、受け取った人が簡単に捨てないというメリットがある。

 同社は今後回収した使用済みカードに特殊なシールを貼って「名刺型悠遊カード」を作成し販売する。カードには文字だけでなく、顔写真も印刷できるという。一枚四十~五十元(約百二十~百五十円)で販売する計画だ。

《台北『聯合報』2月21日》

文化・芸能ニュース 

「表演工作坊」が結成二十周年 台湾演劇界の旗手としてさらに飛躍

 台湾演劇界のリーダー的存在である頼聲川氏率いる劇団「表演工作坊」が、今年で二十周年を迎える。

 表演工作坊は一九八五年三月一日、台北市内の芸術教育館で結成記念公演「那一夜,我們説相声(その夜、僕らは漫才をやる)」をおこない、一躍国内演劇界の先駆者となった。以後今日まで、さまざまな試みに挑戦し、世界各国からも中国語劇では最高峰と高い評価を得ている。

 頼氏原作による「暗恋桃源郷」は、二つの時代で起こる悲劇と喜劇が織り成す寓意的な物語で、一九八六年に初演されて以来各国で好評を博し、その後頼氏自身の監督で映画化された。映画「恋する惑星 」の林青霞、「エドワード・ヤンの恋愛時代」の金士傑らが主演を務め、有名スタッフが照明や衣裳を手がけたこの映画は日本でも上映され、一九九二年度台湾金馬奨の最優秀脚色・助演男優賞他、各国の映画祭で数々の賞を受賞した。また頼氏は喜劇の手法にも長け、二〇〇一年冬には北京と上海で巡回公演をおこない、多くの人々を笑わせた。

 二月二十二日、「表演工作坊」二十周年を記念しておこなわれた記者会見には、林懐民・雲門舞集芸術総監督も駆けつけ、頼氏と丁乃筝夫人を祝福した。林氏が、自分と同じく長い歳月にわたって台湾芸術界を支えてきた頼氏に「われわれの舞台は常に観客や各界から評価され受け入れられてきたが、これが本当にわれわれの求めるものなのか」と問いを投げかけると、頼氏は「自分の心に恥じない舞台がつくれなければ意味がない。よい作品があれば、常に世界と会話することができる」と答えた。同劇団の重鎮でマネージングディレクターでもある夫人の丁さんが「雲門舞集と表演工作坊が共同で舞台制作し、一緒に劇場を建てたらどうか」と提案すると、頼氏も「いつか互いの舞台を監督し合うのもいいと思っていた」と語った。

 三月初旬の劇団結成記念公演では新作「這一夜,Women説相声(今宵、女たちは漫才をやる)」が披露され、また四月二十四日からは国家戲劇院で七時間の超大作『如夢之夢(夢の中の夢)』の公演がスタートする。

《台北『中国時報』2月23日》

蔡明亮監督がベルリンで銀熊賞 話題の異色作に自信みせる

 台湾のニューエイジ映画人・蔡明亮監督の「天邊一(几+木)雲」(ウェワード・クラウド)」が、第五十五回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した。最優秀賞にあたる金熊賞は南アフリカを舞台にした「U-カルメン・イン・カエリージャ」(マーク・ドーンフォードメイ監督)、審査員賞には中国の『孔雀』(顧長衛監督)が決まった。

 都市生活者の荒廃と不条理を描くのを得意とする蔡監督。今回の受賞作品も過激な性的表現などで論議を呼んでいたが、二月二十一日、帰国直後に開かれた記者会見では「これは厳然とした芸術映画である。ただのアダルト映画で感動して泣けるものか。修正が入るなら国内での上映は見合わせる」と強気の発言で作品への自信を強調した。

《台北『聯合報』2月22日》

喘息の予防と治療キャンペーン 女優の李詠嫻さん「予防大使」に

 台湾胸腔および重症加護医学会と台湾児童アレルギーおよび免疫学会は三月三日、喘息の予防と治療キャンペーンを共同で展開すると発表した。生活習慣的に発作がおこる喘息は、規則正しい生活で病気をコントロールすることが大切で、キャンペーンは患者が健常者と同様の生活を送れるよう励まし、サポートすることを目的としている。イメージキャラクターには、香港を拠点に台湾芸能界でも活躍し、自身も喘息患者だったという女優の李詠嫻さんを起用。ラテンダンスが得意でスポーツ万能のイメージがある李さんだが、子供の頃は発作に悩まされ、眠れない日々が続いたという。「毎日きちんと薬を飲んで、規則正しく運動するのが喘息を撃退するコツ」と、患者に呼びかけた。

《台北『中央社』3月3日》

朱宗慶楽団の若手組がツアー 「踏まれても潰れないイチゴ族」

 年間百を超える舞台を世界でこなす「朱宗慶打撃楽団」は、台湾の有名なパーカッションバンドだ。一九八六年にパーカッションアーティストの朱宗慶さんが設立し、今年日本で開催される愛知万博への参加も決まっている。

 このバンドの若手グループ「躍動」が、二〇〇五年三月~二十日まで、台北、台南など各地をツアーで回る。「躍動」のプレーヤーは一九八〇年代生まれの二十代が中心で、キャリアの長い年長者組とは一味違うコミカルで若さ溢れる演奏が話題を呼びそうだ。一方では目や耳の不自由な人の心理を音楽で表すなど、難度の高いテクニックにも挑戦する。台湾では、この年代をプレッシャーに弱くすぐ潰れる「イチゴ族」などと呼ぶが、彼らは「私たちの音楽への情熱と創造力で、イチゴ族のイメージ返上!」と元気いっぱいだ。

《台北『中央社』3月4日》

数字でみる台湾

「物価の高い都市」で台湾三十六位

 スイスの総合金融グループUBSが二十八日に発表した二〇〇四年度の世界各国の生活水準に関する統計によれば、もっとも水準の高い地域はスイスとスカンジナビア半島で、台湾は世界三十六位だった。

 物価が高い都市のランキングでは、ノルウエーの首都オスロが一位で、デンマークの首都コペンハーゲン、スウェーデンの首都ストックホルムが二位と六位で、北欧の都市が上位を占めた。スイスのチューリッヒ、バーゼル、ジュネーブとルガーノの四都市も十位までに入った。

 アジアでは東京がトップで世界第三位、香港、ソウルがそれぞれ十位と二十五位、台湾三十六位、シンガポール三十九位、上海が四十三位だった。労働賃金の高さで見ると、コペンハーゲン、チューリッヒ、バーゼル、オスロ、ジュネーブが上位五位を占め、東京が十七位、台湾は三十五位となった。

 UBSでは、ユーロおよびスイスフランに対するドル安の影響で、米国各都市のランクは前年より低くなったと分析している。

《台北『聯合報』3月2日》

台湾のバイク密度はアジア一

 交通部が三月二日に発表した統計によれば、台湾におけるバイクの台数は過去十年間に毎年約五%ずつ増加しており、一人当たりの平均所有台数および道路一キロあたりの平均走行台数は、アジアのなかでもっとも多いことがわかった。

 同統計によると、バイクを二台以上所有しているという家庭は国内十四都市に及び、すでに市民の足として定着していた。もっとも多いのが屏東県と彰化県で、一家庭に平均二・四台を所有しており、次に多いのは高雄県、台中県、雲林県、台東県、嘉義県、連江県と続いた。

 また、昨年末までに台湾国内全体で車両登録された台数は合計千二百七十九万台だったが、実際の使用率は八割以下に留まり、二百四十七万台が正規に使用されておらず、これらの放置されたバイクが犯罪や環境汚染の温床となっている可能性も指摘された。さらに、法で定められたガス排気量の定期検査を受けていないバイクが半数近くあることも明らかになった。

 交通部では八月に全国で一斉に実施される車検の際、こうした「幽霊バイク」を全面整理し、今後は車検と併せて排気検査を義務付け、徹底して違反者を取り締まる方針だ。

《台北『聯合報』3月3日》

「台湾週報」ウェブサイト移行のお知らせ(続)

 すでに三月三日の二一八〇号誌面でもお知らせいたしましたが、より多くの読者により速く台湾のニュースをお届けするため、『台湾週報』は三月三十一日をもって従来の週刊誌形式を廃止し、四月一日よりウェブサイトおよびメールマガジンによる発信に切り替えさせていただくこととなりました。今後は以下の要領でご購読いただければ幸いです。

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(台湾週報編集部)

春 夏 秋 冬 

 日米安全保障委員会の共同声明に、中国が「内政干渉」だと非難し、台湾は歓迎の意を表明していたことは日本のマスコミでも報じられていた通りだが、米国はどうやら台湾に「歓迎の声明などを自重するよう求めていた」(讀賣新聞2月27日付)らしい。米国としては過度に中国を刺激したくないとの配慮があるのだろうが、ちょっと待ってもらいたい。

 日米の共同声明は台湾海峡の現状維持を共通の戦略目標とし、それはまた台湾の国策でもあり、さらに全人代での「反国家分裂法」可決に見られる通り、現状を一方的に変更しようとしている中国の脅威を直接受けているのもまた台湾なのだ。同時に、中国の脅威は台湾だけに留まらない。それは日米にも共通しているのだ。 

 本誌では台湾国防部の「国防報告書」の内、中国の戦略に関する部分を8回にわたって紹介してきたが、その中で最も注目すべきは、中国が非対称型戦略に異常なほど熱心であるという点だ。非対称型戦略とは「敵の通常の作戦方式とは大きく異なる手法を用い、敵の弱点をつくことにより、敵の強い力を回避したり弱めたりする方法」と米国防総省は定義づけている。つまり自分より経済力も軍事力も優れた相手との戦法だ。この戦略に中国が熱心だということは、誰を対象にしているかは明らかであろう。 

 現在の世界で米軍と通常の形で戦って勝てる国はないだろう。だから中国は非対称型戦略に熱心で、これを「超限戦」と呼んでいる。訳せば「手段に制限がない戦争」といったところか。当然そこには宣戦布告も「城下の盟」もなく、平時においても進行できるものだ。

 2001年4月の米中軍用機接触事故の時、中国民間の「紅客聯盟」というハッカー集団がホワイトハウスのサイトを2時間にわたって麻痺させたことがある。日本の靖国神社や総理府にも頻繁にサイト攻撃のあることは、すでにマスコミの報じるところである。すなわちサイバー戦だが、つまり中国はこれらを国家レベルで推進する戦術を練っているのである。同時に、中国は台湾に対しては、すでに国策として「超限戦」をしかけているのだ。「文攻武嚇」で台湾国民に脅しをかける。これは「超限戦」の中の心理戦であり、敵方撹乱戦法である。さらに「反国家分裂法」もこの範囲の戦略であり、法律戦というべきものである。 

 この現実を見れば、台湾に「自重」を求めるのではなく、日米台の軍事提携を進めることこそ、今回の日米共同声明の共通戦略目標に合致しているのではないか。(K)