国民大会代表選挙に関するQ&A
Q:任務型国民大会代表とは?
A:2000年4月25日に公布された憲法修正により国民大会の位置付けが改められ、その権限が大幅に縮小されたほか、非常設機関となった。国民大会代表は、任務の必要があった場合、比例代表制により選出される。「任務型国民大会代表」は、すでに立法院で通過した憲法修正案について再審査を行うもので、中央選挙委員会は憲法修正により国民大会代表選挙を実施する。
Q:任務型国民大会代表の定数は?
A:さきの憲法修正案で追加修正された第1条第1項規定により300名となっている。
Q:任務型国民大会代表はいつ選出されるか?
A:憲法修正第1条第1項規定により、立法院が憲法修正案を提出し、半年間の公告を経て3カ月以内に選出することが決められている。立法院を通過した憲法修正案は2004年8月26日に公告されたため、2005年2月26日が公告期間の満了となる。それから3ヶ月以内、つまり遅くとも5月26日までに国民大会代表を選出しなければならないことになり、中央選挙委員会は5月14日を選挙投票日に決定した。
Q:「比例代表制」とはどんな制度か?
A:比例代表制は得票率による比例を指しており、得票率の多少により議席を分配する制度で、その方法は300~500種類もある。この制度の最大のメリットは、死に票を減らすことができる点である。ある候補者に一定量を越えて投票された場合、その票を同じ党または連盟の別の候補者に回すことで、有権者の意思を正確に議席の配分に反映させることができる。
Q:国民大会代表は比例代表制により、どのように選出されるか?
A:国民大会代表選挙法の規定により、立候補者は法のもとに設立された「政党」もしくは20人以上からなる「選挙連盟」(略称:連盟)により届け出ることと定められており、有権者は「政党」もしくは「連盟」に投票する。「政党」と「連盟」はそれぞれの得票率により議席が配分される。たとえば、ある政党もしくは連盟が100万票を獲得し、得票率が10%だった場合、配分される議席は10%(得票率)×300(国民大会代表の定数)=30となる。
Q:国民大会代表選挙では女性や先住民に対し一定の当選枠を設けているか?
A:国民大会代表選挙法第25条の規定により、政党もしくは連盟の当選者数において、4人に1人を女性、30人に1人を先住民に振り分けることが決められている。たとえば、ある政党、連盟の当選者数が45人の場合、少なくとも女性は11人、先住民は1人以上でなければならない。各政党や連盟は候補者名簿の順番により議席を配分するが、その際、女性や先住民の数が保障された数に満たない場合、候補者名簿の中から優先的に女性や先住民を選んで振り分ける。また、各政党や連盟の候補者名簿のなかに女性や先住民の数が保障されている数より少ない場合は欠員とみなす。
Q:国民大会代表選挙はなぜ直接候補者に投票せず、「政党」もしくは「連盟」に投票するのか?
A:憲法修正第1条第1項の規定により、国民大会代表は「比例代表制」により選出すると定めており、さらに国民大会代表選挙法の特別規定により「政党」または「連盟」に投票することが定められている。
Q:投票用紙に「賛成」または「反対」の欄があるのはなぜか?
A:今回の任務型国民大会代表選挙は、その名の示す通り、立法院を通過した「憲法修正案」の再審査を行う任務を負っている。選出された国民大会代表は有権者の付託を受けていることを示すため、国民大会代表選挙法のなかで特別規定として、各「政党」もしくは「連盟」は選挙を行う際に憲法修正案に対する「賛成」または「反対」の立場を明確に示し、選挙公報や投票用紙にもそれを明記するよう定めている。このため、有権者が投票を行う際、その立場を理解したうえで自分の意見と合致する政党、もしくは連盟に投票することができる。
Q:選出された国民大会代表は、憲法修正案を再審査する際、所属する政党や連盟が投票用紙に示している立場に基づいて行わなければならないか?
A:所属する政党、もしくは連盟が投票用紙に示した立場に基づき、賛成または反対票を投じなければならない。
Q:任務型国民大会代表が再審査する憲法修正案の重点は?
A:①立法委員の定数を225議席から113議席に半減する。
②立法委員の任期を3年から4年に変更する。
③立法委員選挙制度を小選挙区比例代表並列制に変更する。
④国民大会を廃止し、公民投票による憲法修正案の再審査に改める。
⑤総統、副総統の罷免案は司法院大法官(最高裁判事)が審査する。
Q:「選挙連盟」とは何か?
A:国民大会代表選挙においては政党の推薦を受けず個人でも立候補できるよう、国民大会代表選挙法により、満23歳以上の有権者が20人以上集まれば「選挙連盟」を結成でき、選挙に立候補できると定めている。連盟の名称は、候補者名簿のトップにある候補者名のあとに「等」の文字とメンバーの数を加えることになっている。たとえば「○○○等30人連盟」「○○○等80人連盟」などである。つまり「選挙連盟」は国民大会代表を選出するために結成された組織であり、そのリーダーが連盟の代表者となる。
Q:国民大会代表選挙の活動期間は?
A:活動期間は5月4日から13日までの10日間となっている。5月3日以前に行った政治活動については選挙法の規範に含まれておらず、デモや集会などに関する規定のなかで扱われる。
Q:国民大会代表選挙に政見発表があるか?
A:中央選挙委員会は国民大会代表選挙法第13条の規定に基づき、5月7日午後2時~6時に、公共テレビを通じて政党と連盟による政見発表を放送する。このとき、各政党、連盟は立候補者数に応じて、1~5人が政見発表を行う。
Q:国民大会代表選挙の投票用紙の有効、および無効はどのようにして判定するか?
A:国民大会代表選挙法第23条の規定により、公職選挙法の規定と同様に、政党または連盟を選ぶ欄、番号欄、政党または連盟の名称欄、賛成または反対の意見欄に丸印が書き込まれ、それがどの政党または連盟であるかが認定できる位置にあればすべて有効票とみなし、それ以外を無効票とすると定めている。
Q:国民大会代表を選出したあと、どのように会議が行われるか?
A:憲法修正第1条第3項の規定により、国民大会代表は選挙結果発表後10日以内に会議を召集し、会期は1カ月以内となっている。国民大会代表選挙法第1条第2項の規定により、中央選挙委員会は投票後7日以内に当選者名簿を公告することになっている。つまり、中央選挙委員会は遅くとも5月21日までに当選者名簿を公告し、国民大会代表は遅くとも5月31日までに会議を召集することになっている。
《2005年4月30日》