南シナ海判決に対する台湾の立場、比メディアに寄稿

　フィリピンの大手日刊紙『The Standard』と『Business Mirror』はそれぞれ23日と24日に、台北駐フィリピン経済文化代表処（フィリピンにおける中華民国大使館に相当）の林松煥代表（大使）が寄稿した文章を掲載した。寄稿文は、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所が下した「南シナ海判決」に関する中華民国政府の揺るぎない立場について説明したもの。

　林代表の寄稿文は、歴史学者の視点から南シナ海情勢を深く分析するもの。林代表は、中国大陸における民族主義の台頭や、常設仲裁裁判所の判決が中華民国にとって不公平であること、南シナ海に位置する中華民国固有の領土、太平島（南沙諸島・スプラトリー諸島最大の島）が「島」の基準に合致していること、中華民国の戦略的地位の重要性、蔡英文総統が掲げる「新南向政策」は台湾とフィリピンの関係を非常に重視していること、台湾はフィリピンと同じ価値観を共有する長い友人であることなどを説明した上で、当事国の指導者たちが南シナ海の領有権を巡る紛争を平和的に解決するために多国間協議を開催する際は、必ず中華民国をそこに加え、アジア太平洋地域の平和につなげようと呼び掛けた。

Taiwan Today：２０１６年７月２８日

写真提供：江啓臣議員事務所、中央社
　フィリピンの大手日刊紙２社はこのほど、台北駐フィリピン経済文化代表処の林松煥代表が寄稿した文章を掲載した。寄稿文は、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所が下した「南シナ海判決」に関する中華民国政府の揺るぎない立場について説明したもの。写真は南シナ海に浮かぶ南沙諸島（スプラトリー諸島）最大の島で、中華民国固有の領土である太平島。