新南向政策綱領を採択、中国大陸との対話も=総統府
総統府は16日に会議を開催し、東南アジア諸国やインドとの関係を強化する新政権の政策をまとめた「新南向政策綱領」を採択した。総統府の黄重諺報道官は、今後適切な時期を見計らって、中国大陸と関連領域の議題について協議や対話を行い、「新南向政策」と「台湾海峡両岸関係」を相互補完させながら推進し、地域協力のモデルを共に作り上げる可能性もあると述べた。
黄報道官によると、「新南向政策綱領」の全体の方針と長期目標は主に、中華民国(台湾)とASEAN(東南アジア諸国連合)、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアといった国々との経済・貿易、科学技術、文化及び各方面のつながりを強化することにある。また、これらの国々と資源、人材、市場を共有し、相互利益と相互繁栄につながる新たな協力のモデルを作り出し、経済共同体としての意識を確立する狙いもある。さらには幅広い議題を対象とする協議と対話のメカニズムを確立し、ASEANや南アジア諸国、ニュージーランド、オーストラリアなどの国々との協力関係の構築について共通認識を形成し、問題や意見の相違を効果的に解決し、相互信頼を積み重ねていく。
短期及び中期目標は次の通り。(1)国家の意思、政策インセンティブ、企業のビジネスチャンスなどを結びつけ、貿易・投資、観光、文化、人材などの各方面での双方向交流を促進且つ拡大する。(2)新政権が掲げる「新たな経済発展のモデル」と足並みをそろえ、各産業でも「新南向政策」に応じた市場展開を推進する。(3)「新南向政策」の対象国との架け橋となる人材を確保且つ育成し、発展の障害を取り除く。(4)多国間あるいは二国間協議や対話を増やし、対象国との経済協力を強化し、問題や意見の相違を解消する。
行動準則は次の通り。(1)長期間にわたって努力を重ね、経済共同体の意識を確立し、定着させる。(2)この地域で今後台湾が果たすべき役割を確定する。台湾は革新をもたらし、資源を共有し、サービスを提供する者として3つの役割を果たす。(3)ソフトパワー、サプライチェーン、地域市場、人と人とを結びつける4つの連結戦略を推進する。(4)「新南向政策」の推進に必要な人材を確保し、育成する。(5)二国間及び多国間の制度化された協力関係を作り上げる。(6)十分な対策を有する効果的なリスクマネジメントを確立する。(7)国際協力に積極的に参与する。(8)協議と対話のメカニズムを全面強化する。(9)中国大陸と善意ある相互交流と協力を推進する。(10)民間の組織及び活力をうまく取り入れる。
行動準則(9)の「中国大陸と善意ある相互交流と協力を促進する」について黄報道官は、この地域の平和を維持するに当たり、台湾と中国大陸が負う責任は大きく、共通利益も多く存在していると指摘した上で、ASEANや南アジア諸国、ニュージーランド、オーストラリアなどの国々との経済協力において、台湾と中国大陸はそれぞれに異なる条件と優位性をもっており、両者が相互協力によって最大限の力を発揮することができるのであれば、今後適切な時期を見計らって、中国大陸と関連領域の議題について協議や対話を行い、「新南向政策」と「台湾海峡両岸関係」を相互補完させながら発展させることも可能であり、これにより地域協力のモデルを共に作り上げたいと説明した。
Taiwan Today:2016年8月17日
写真提供:台北駐チェンナイ経済文化弁事処
総統府は16日、「新南向政策綱領」を採択した。東南アジア諸国やインドとの関係を強化する新政権の政策の具体的方針をまとめたもの。この政策の一環として台北駐チェンナイ経済文化弁事処(インドにおける中華民国領事館に相当)はこのほど、インドで「新南向政策」の内容を説明すると共に、インドの小学生向けに基礎中国語の授業を開設すると発表した。