新南向政策に注目、「智慧城市論壇」が台湾に支部を設置
経済部(日本の経産省に相当)は「智慧城市(スマート都市)」の推進に向けてインテリジェント・コミュニティ・フォーラム(Intelligent Community Forum , ICF)と協力、9日にはICF Taiwanを発足させた。台湾の「新南向政策」が東南アジアの国々におけるスマート都市推進をリードするであろうことが、このほどICFが台湾に世界で二つ目の海外支部を設けた理由の一つ。「新南向政策」とは、東南アジア、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアなど18カ国との幅広い関係を強化する政策。
ICFは近年、スマート都市の推進に積極的な国家に地区組織を設ける取り組みを進めており、2015年にはICF Canadaを設立。さらにこのほど、東南アジアの国々におけるスマート都市推進をリードするため、台湾の「新南向政策」と既定のスマート都市建設計画に注目し、台湾にICF Taiwanを立ち上げることにした。
経済部の沈栄津政務次長(副大臣に相当)は、台湾がこれまで推進してきたスマート都市に関する取り組みには高度道路交通システムなどいくつかの重点的な方法がある他、7日に蔡英文総統が台湾中部・台中市で開設の式典を執り行った、「スマート機器推進オフィス」も、スマート都市推進の重要な一環だと指摘。また、ICFが毎年選ぶ「Smart 21(21のスマート都市)」に今年台湾からは5都市が入っており、これまで累計で13都市が選ばれていることはアジアトップの成績だと説明した。
ICF Taiwanの主席を務めるエイサー(宏碁株式会社)の施振栄(スタン・シー)栄誉董事長(名誉会長)は、「エイサーからは引退したが台湾からはリタイアしていない」と述べ、個人としての社会的責任(PSR, Personal Social Responsibility)を果たすため主席を引き受けたことを明らかにした。
ICFは1999年に創設され、本部は米国ニューヨークに置かれている。主には世界のブロードバンド経済と情報通信技術の運用の最も理想的なケースを研究し、広めていくことが目的。ICFは毎年9月に世界各国の都市からの申請を受け付け、10月に「Smart 21」のリストを公表する。今回台湾からは、台湾北部の桃園市と基隆市、同北東部の宜蘭県、同中南部の嘉義市と同南部の台南市の5都市が「Smart 21」入り。そしてICFは9日夜に、「Smart 21」からさらに絞り込んだ「スマート都市のトップ7」を発表、台湾からは嘉義市と桃園市が選ばれた。
経済部の李世光部長(大臣)によると、過去10年来、「スマート都市」は世界各都市の発展に関わる問題を解決し、経済発展をもたらし、生活の品質を高めてきた。経済部は2014年から補助計画並びに官民の協力モデルを通じて、台湾の企業による高度道路交通システム、インテリジェント・ヘルスケア、スマート保安、スマート・ガバナンスなどのソリューション開発を後押ししている。
李経済部長は、ICFの6大指標である、ブロードバンドのインフラ整備状況、ナレッジベースの作業環境、イノベーション、デジタル機会の平等、マーケティング能力、持続可能な発展能力と、台湾がスマート都市を発展させようとするビジョンは多くの点で重なっているとし、これがICFによる格付けで台湾が毎年優れた成績を上げ、広く評価されている原因だとする見方を示した。
今回、トップ7に選ばれた桃園市はすでに7度、「Smart 21」に選ばれている。今年は「都市ネットワーク」のテーマが審査員から評価された。桃園市は今年、「iTaoyuan 無線ネットワークの整備及びモバイル公共サービスの設置計画」で、ブロードバンドネットワークを全市内に普及させている。
一方、嘉義市は、いたるところに存在する「IoT(モノのインターネット)」のサービスを統合し、医療資源が豊富な特色で注目度を高めたことが「トップ7」入りの主な理由。老化を防ぐフレンドリーな環境は、嘉義市を世界で著名な健康かつ持続可能な都市へと押し上げた。
Taiwan Today:2017年2月10日
写真提供:中央社
経済部が「スマート都市」の推進に向けてインテリジェント・コミュニティ・フォーラム(ICF)と協力、9日に地区組織のICF Taiwanを発足させた。