陳水扁総統が日本の衛藤征士郎・衆議院議員と会見

　陳水扁総統は８月２日、日本の参議院議員である衛藤征士郎氏と会見した。陳総統は衛藤氏の訪問を歓迎するとともに、日本政府が台湾からの観光客にするノービザ優遇措置の恒久化を可決しようとしていることに、心から感謝の意を表した。

　陳総統は「衛藤参議院議員は台湾のベストフレンドであり、私の最良の兄弟である」と衛藤議員を称え、今回の再会に大きな喜びを示した。陳総統はさらに「２００１年から現在に至るまで、衛藤議員は二国間会議や国際会議への参加に関わらず、毎年台湾への訪問をスケジュールに組んでおられる。そうした姿勢には台湾に対する強い支持と友好が見て取れ、非常に嬉しく思う」と語った。

　陳総統はまた、衛藤氏に同行し訪台した日本水戸短期大学の天川由記子・助教授に対し、心から歓迎の意を表し「天川教授は長期にわたり台湾を支持し、李登輝前総統とも非常に親しい交友関係と協力関係を持っておられる。また、台湾と日本、および米日台三カ国の関係に関する議題においては、貴重
な提言をされており、感謝申し上げたい」と述べた。

　日本政府が台湾からの観光客に対するノービザ措置の恒久化を可決しようとしていることに対し、陳総統は「日本政府は愛知万博後もこの優遇措置を継続し、恒久化する制度を議会で通過しようとしている。それが実現すれば、両国の良好な関係を象徴するだけでなく、台湾の二千三百万国民に対する重視を示すものとなり、私は非常に感動している」と表明した。

　陳総統はまた、日本における最近の政治情勢について「小泉首相はかつて『改革には痛みが伴う』とおっしゃった。小泉首相は最近、日本の郵政民営化を積極的に推進しており、本案はすでに衆議院の審議を通過し、続いて参議院で審議が行われるが、これも同様に苦しい局面に直面している。小泉首相の推進する今回の改革が成功するよう祈っている」と述べた。

　陳総統は、中華民国政府と国民を代表し、小泉首相が長期にわたり台湾を支持する姿勢を示していることに最高の敬意を表明し、また森喜朗元首相が再度台湾を訪問するよう希望し「ぜひ旧交を温めたい。森元首相も同じ気持ちだと信じている」と語った。

　衛藤議員は「陳総統が多忙のなか、万障を繰り合わせ会見に応じてくださったことに感謝する。陳総統は、台湾のために全霊を傾け、心を砕いているだけでなく、東アジアの平和に対し大きな関心を持っておられ、そのことに心から敬意を表したい。帰国後、われわれは陳総統の東アジア地域における平和への関心と、両岸関係に関するその努力を、他の議員らに報告し、今後も台日双方の緊密な相互連動関係を維持するために努力していきたい。これは両国国民の共通の願いだと確信している」と述べた。

　衛藤議員と天川助教授は同日午前、歐陽瑞雄・外交部次長の随行で総統府を訪問し、陳総統と会見した。この会見には、游錫堃・総統府秘書長、林成蔚・国家安全会議諮問委員も出席した。

【総統府　２００５年８月２日】