台湾の気候変動問題への取り組み、COP25で世界に発信
スペインのマドリードで12月2日から行われていた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が15日、閉幕した。台湾からも代表団が参加し、16日には行政院環境保護署(環境省に相当)が記者会見で、今年の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)への参加状況と成果を発表した。
まず、主な成果として、今年は国交樹立国13カ国が書簡で台湾のUNFCCC参加を提言、さらに英国、スペイン、ドイツ、スウェーデン、ハンガリー、ポルトガル、チリ、エクアドル、メキシコ、ヨルダン、リトアニア、ブラジルの12カ国の親台湾の国会議員がUNFCCC事務局や、自国の行政機関に対し質問状を送ったり公開の書き込みを行うなどの手段で台湾のUNFCCC参加の必要性について擁護する声明を出した。
上述の国交樹立国13カ国は、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ツバル、エスワティニ王国、ベリーズ、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、パラグアイ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン。
このうち、セントビンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネービス、パラオの代表団は参加レベルが限られ、ハイレベルセグメントでの発言はできなかった。パラグアイはハイレベルセグメントでの会議においては台湾には言及しなかったものの、UNFCCC事務局や議長に書簡を出したほか、サイドイベントなどの場で台湾の貢献を高く評価した。ニカラグアは公式の場での発言と書簡はなかった一方、台湾代表団と二者間会談(バイ会談)を行い、気候変動問題に向き合うにあたってニカラグアや国際社会に果たした貢献を評価した。
また、台湾代表団は米国や日本など理念を共にする友好国の元首や閣僚、大使クラスの代表、代表団のハイレベル交渉官、政府高官などと42回にわたり二者間会談を行った。
このほか、参加者1,000人を超える13のサイドイベントに出席、台湾の訴えに対する国際社会の理解増進に努めた。
一方、非政府組織(NGO)との協力では、NGOオブザーバーと協力して6つのサイドイベント(友好国3カ国、海外NGO3団体)を行った。ベリーズ、グアテマラ、ツバルの3カ国とは、工業技術研究院(ITRI)、媽媽監督核電廠聯盟(原子力発電所を監視する母親の会)、台湾永続能源研究基金会(TAISE)、台湾産業服務基金会の国内NGO4団体のオブザーバーとサイドイベントを開いた。台湾綜合研究院、台達電子文教基金会、台湾永続生態工法発展協会はそれぞれが、国際NGOとサイドイベントを共同で開催した。
代表団はまた、7つのサイドイベントに招かれ、報告したり討議に参加したりした。さらに、代表団の団長やメンバーはドイチェ・ヴェレといった欧州の主要メディアや、スペインの大手紙ABC紙、ラ・ラソン紙の取材を受けた。
会場のマドリード国際会議場の周辺では、バス停での広告、地下鉄やマイクロバスの車両ラッピングなどPRキャンペーンにも取り組んだ。「Combating Climate Change-Taiwan Can Help(気候変動との闘い〜台湾にできること)」をキャッチフレーズに、グリーンエネルギーを中心として太陽エネルギーや風力を利用した発電をあしらったビジュアルをデザイン、会場とマドリードの国際空港を結ぶ地下鉄8号線、会場付近のバス停に広告が出された。また会場とマドリード市街地を結ぶマイクロバスを運行した。
政府は11月25日にもPR動画「隨風起飛(風に吹かれて)」(https://youtu.be/fb9cox6bjbA)をリリース。台湾初の洋上風力発電の画期的な建設を紹介し、国際社会に対してUNFCCの目標実現に台湾がしっかり取り組み、世界のCO2削減に貢献していることをアピールしている。中国語、英語、日本語、スペイン語。フランス語、ドイツ語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、ロシア語の10言語の字幕つきで世界に同時配信され、3週間で延べ1,070万回以上再生されている。
Taiwan Today:2019年12月17日
写真提供:中央社
スペインで行われた第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)に台湾代表団が参加し、他国との二者間会談や発表、討論などを行った。写真は講演を行う国際合作発展基金会の史立軍副秘書長(前列右から2人目)。