欧州議会と独連邦議会の議員ら計127名が書簡で台湾のWHO参与求める
欧州議会とドイツ連邦議会の議員たちが相次いで、世界保健機関(WHO)が今年のWHO総会(世界保健総会、 WHA)に台湾を招くよう求めている。欧州議会では党派の異なる議員67名が今月8日、欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外務・安全保障政策上級代表に連名書簡を送付。また、ドイツ連邦議会でも60名の議員が党派の違いを超えて今月2日、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長に連名書簡を送った。欧州の政治家127名が力を合わせて台湾を支持する声を上げたことになる。
これらの議員は今回、新型コロナウイルスに対して台湾が行っている防疫モデルを「学ぶに値する」と称賛した上で、WHOが台湾の参与を認めないことは台湾の人々に対する差別であり不公平な扱いだと批判し、今年5月に行われるWHO総会への台湾の参与を強く支持する立場を表明した。議員たちは、WHOのテドロス事務局長が専門家としての立場を堅持して台湾を招くことで、WHOの「Health for All」(全人類の健康)と「Leave no one behind」(誰1人として置き去りにしない)という一貫した目的との一致を図るよう訴えた。中華民国外交部はプレスリリースで、これら欧州の政治家127名の声に心からの謝意を表明した。
欧州議会の議員たちによる連名書簡は台湾に友好的なIvan Štefanec議員(スロバキア籍、欧州人民党グループ)が発起、わずか数日間で欧州人民党グループ、社会民主進歩同盟、欧州刷新、欧州緑グループ、欧州保守改革グループなど主要6党派の議員67名が参加するなど、欧州議会が超党派で台湾を支持していることが十分に示された。書簡に署名したのは欧州議会における「友台小組」(台湾に友好的な議員連盟)のAndrey Kovatchev副代表(欧州人民党グループ副代表、ブルガリア籍)、Juan Fernando López Aguilar議員(社会民主進歩同盟、スペイン籍。内政委員会委員長)、Ryszard Antoni Legutko議員(欧州保守改革グループ共同代表、ポーランド籍)、過去に何度も台湾を支持する発言を行っているMichaela Šojdrová議員(チェコ籍)、エストニアの元外相であるUrmas Paet議員、チェコで外相や国防相を歴任したAlexandr Vondra議員、ポーランドでいずれも外相を務めたAnna Fotyga議員とJan Witold Waszczykowski議員、リトアニアの元国防相のRasa Jukneviciene議員とJuozas Olekas議員ら。
一方ドイツ連邦議会の議員による連名書簡は、「台湾之友」協会の代表を務めるAnita Schäfer議員(キリスト教民主・社会同盟)が発起し、やはり短期間で60名の議員の支持を集めることに成功した。署名メンバーは同議会における親台湾派議員グループの代表を務めるKlaus-Peter Willsch議員(キリスト教民主・社会同盟)、同議会保健委員会の委員長を務めるErwin Rüddel議員(同)、連邦経済エネルギー省の副大臣も兼ねるMarco Wanderwitz議員(同)、同議会外交委員会で副委員長を務めるDaniela de Ridder議員(社会民主党)、外交委員会の「国連、国際組織及びグローバリゼーション」チームの代表も担当するUlrich Lechte議員(自由民主党)、自由民主党衛生政策スポークスマンのAndrew Ullmann議員、キリスト教民主・社会同盟青年チームのMark Hauptmann議員、及び同議会請願委員会で委員長を務めるMarian Wendt議員(キリスト教民主・社会同盟)など。
欧州議会で連名書簡を発起したIvan Štefanec議員は、WHOが政治的要因で台湾を排斥していることは台湾で暮らす2,300万人に対して不公平だと訴えている。また、ドイツ連邦議会で連名書簡を呼びかけたAnita Schäfer議員は、WHOが台湾の人々に対して行っている差別は国連ならびにWHOの価値と理念に反するものだと指摘。2人は今回新型コロナウイルスが広がる中で台湾が常に先手を打ってきたことをそろって評価し、各国が助け合い、情報を共有することの大切さを強調した。
2人は、台湾の経験は学ぶに値するとして、台湾がオブザーバーとして「地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)」をはじめとするWHOの各会議や活動に参加することを支持。今こそ世界が力を合わせて台湾を世界の公衆衛生の仕組みに加え、医療物資の供給やワクチンの開発などで協力することで、新型コロナウイルスの世界的な蔓延に対抗していくべきだと訴えた。
Taiwan Today:2020年4月14日
写真提供:駐ポーランド代表処、中央社
欧州議会とドイツ連邦議会の議員が相次いで、世界保健機関(WHO)が今年のWHO総会に台湾を招くよう求めている。台湾は欧米にマスクを寄付するなど国際協力に積極的。写真は今月10日、台湾の外科用マスク50万枚がポーランドに到着し、施文斌駐ポーランド代表(前列右から3人目)がポーランド側にマスクを引き渡しているところ。