経済部：台湾は地域経済統合への参加が必要

　中華民国（台湾）は、内需市場が小さく天然資源も乏しく、経済成長は対外貿易に依存する必要がある。この２０年近くの間、台湾の貿易依存度（国内総生産に対する輸出入額の比率）の最高は１４０％に達したこともあり、経済統合への参加および自由貿易協定（ＦＴＡ）への調印は台湾にとって、もはや選択肢はなく、必ず進むべき道なのである。台湾の地域経済統合参加への戦略と対応推進について、経済部の説明は以下の通りである。

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　台湾は多元的な話し合い、全面的な交渉方法を通して、ＦＴＡまたは経済補完協定（ＥＣＡ）への調印に向けた話し合いを積極的に推進し、それにより台湾が環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）など、高度な自由化による地域経済統合参加への資格、決意、条件の確立を図っている。例えば、台湾は２０１３年にニュージーランドおよびシンガポールとそれぞれ経済連携協定を締結した。これは高度な自由化をとっており、関連するテーマは、広範かつ踏み込んだものである。

　現在、アジア太平洋地域の国々は、経済・貿易上の利益および戦略的考えに基づき、ＴＰＰおよび東アジア地域包括的経済連携（ＲＣＥＰ）といった２つの地域経済統合の趨勢を形成している。経済・貿易的見地、地政学、戦略的な進出および利益などいずれの面から見ても、台湾は現在、ＴＰＰおよびＲＣＥＰに参加している国々との関係はきわめて密接であり、ＴＰＰおよびＲＣＥＰへの参加を積極的に推進し、これらの国々と調印していかなければならない。互利共栄により、地域の安定した発展にプラスの意義があるのであり、台湾の国際的な地位も向上していくのである。

　今後の地域貿易協定（ＲＴＡ）あるいはＦＴＡへの参加交渉については、先ず、貿易上の利益に基づき、交渉相手国が台湾に対し、農業および工業製品への関税減免要求に直面することになる。これは台湾が現在においても関税を保持している農業、工業製品の産業に影響を及ぼすものであり、これも台湾のメーカーが具体的に懸念を示している点である。

　経済部が検討した貿易自由化に対応する産業調整支援方案および産業レベルアップ・変革行動方案は関税措置のみならず、関連予算の計上により、産業の調整をサポートし、産業体質を全面的に向上させ、競争力強化を図っていくものである。また、行政院農業委員会も競争力が高く尚且つ所得の安定したロハスな農業を構築するために、産業構造の調整を計画しており、また同時に農産品の輸入で損害を受けた際の救済基金および関連経費の計上にも着手している。また、サービス業およびその他の貿易体制について、政府は管制措置解除を積極的に推進し、より一層友好的な貿易投資環境を構築すると共に、国際社会とリンクする方向に向かって努力している。

　調整措置については、長期的計画であり、一部の成果は直ちに効果が表れるものではないが、政府は国家の利益の最大化、損失の最小化を貿易政策検討の前提としていくものである。

【経済部　２０１５年３月９日】