頼清徳副総統が台湾訪問の安倍昭恵さんを歓迎、改めて謝意示す
安倍晋三元首相の妻、安倍昭恵さんが17日、民間団体「台湾安倍晋三之友会(=台湾安倍晋三友の会)」の招きを受けて台湾を訪問した。参議院の山谷えり子議員と北村経夫議員が同行しており、20日まで台湾に滞在する。17日夜は「台湾安倍晋三之友会」が主催する歓迎晩餐会が開かれ、頼清徳副総統が歓迎の言葉を述べた。この歓迎晩餐会にはほかに、立法院の游錫堃院長(=国会議長)、内政部の林右昌部長(=大臣)、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(=駐台日本大使に相当)、日本台湾関係協会(台湾の対日本窓口機関)の蘇嘉全会長などが招きを受けて出席した。
【頼清徳副総統】
頼副総統は、「今日は蔡英文総統と台湾の人々を代表して安倍晋三元首相への感謝の言葉を述べたい」と前置きした上で、自分にとって安倍元首相は、国際派の政治家として日本やインド太平洋の平和と安定に貢献し、同時に非常に温かい心を持った人だったと述べた。
頼副総統はその具体例として、自身が台南市長時代の2016年2月6日に台湾南部で大きな地震が発生した際、安倍元首相が翌日には関係者を現場に派遣し、被災地の人々のニーズを理解した上で、直接的且つ効率的な協力を提供してくれたこと、また自身が行政院長(=首相)を務めていた2018年に花蓮県(台湾東部)で地震が発生した際には、色紙に手描きで「台湾加油(=台湾頑張れ)」としたため、台湾の人々を応援してくれたことなどを挙げた。
頼副総統はまた、中国が台湾産パイナップルの禁輸を一方的に発表し、台湾の生産者に大きな影響を与えた際、安倍元首相が自ら台湾産パイナップルを購入した上で、インターネットでその写真を掲載して台湾産パイナップルの宣伝をしてくれたことや、安倍政権下の日本政府が、台湾に対して新型コロナウイルスワクチン計420万回分を無償供与してくれたことなどを挙げ、「彼が台湾のためにしてくれたことは、今日話したこと以上にもっとたくさんある」と述べ、深々と頭を下げて謝意を表明した。
【安倍昭恵さん】
安倍昭恵さんは、頼清徳副総統や「台湾安倍晋三之友会」が盛大な歓迎会を開催してくれたことに感謝した上で、昨年7月8日に亡くなった安倍元首相が、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたら台湾を訪問する計画を立てており、それが叶わなかったことは非常に残念だったと述べた。また、安倍氏の祖父である岸信介の時代から日本と台湾は非常に緊密な関係にあり、安倍氏も一貫して台湾との関係を重視していたこと、2011年3月11日に発生した東日本大震災ではまっさきに日本に駆け付け、最大の支援をしてくれた台湾に対して、安倍氏が感謝の気持ちを持ち続け、台湾のために何ができるか常に考えていたことを明らかにした。また、安倍昭恵さん自身も、これからは安倍氏の精神とともに「台日友好」のために取り組んでいきたいと述べた。
【台湾日本関係協会の蘇嘉全会長】
蘇嘉全会長は、自身が昨年日本を訪れた際、安倍元首相に台湾訪問を打診し、安倍氏の快諾を得ていたこと、しかしその10日後の7月8日に安倍氏が銃弾に倒れ、大きな悲しみに暮れたことを明かした。蘇嘉全会長は昨年9月27日、王金平氏と一緒に安倍氏の国葬に参列したが、そのとき「安倍氏は遠いところに行ってしまったが、安倍氏の精神は永遠に台湾の中に残るだろう」とはっきり感じたと話し、安倍昭恵さんの訪台で台湾と日本の関係がこれからますます良くなるだろうと期待を寄せた。
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外交部の発表によると、安倍昭恵さんは17日から20日まで台湾に滞在し、蔡英文総統、頼清徳副総統と会見するほか、「台湾安倍晋三之友会」の奨学金を受ける日本人留学生らと交流する。また、高雄市(台湾南部)の紅毛港保安堂が建てた安倍氏の銅像に献花し、台南市の耘非凡美術館を訪れて「安倍晋三写真展」を参観する。さらに、李登輝元総統が眠る五指山国軍公墓も訪れることになっている。
Taiwan Today:2023年7月18日
写真提供:総統府
安倍晋三元首相の妻、安倍昭恵さんが17日、民間団体「台湾安倍晋三之友会(=台湾安倍晋三友の会)」の招きを受けて台湾を訪問した。17日夜は「台湾安倍晋三之友会」が主催する歓迎晩餐会が開かれ、頼清徳副総統などが招かれて出席した。写真は安倍元首相の生前の貢献に感謝し、頭を下げる頼清徳副総統。