日本人の台湾に対する意識調査結果 2023年
台北駐日経済文化代表処は今年(2023年)、日本の「一般社団法人中央調査社」に委託し、日本人の台湾に対する意識調査を行った。この調査の結果、76.6%の人が台湾に親しみを感じ、65.0%の人が台湾は信頼できると答え、72.8%の人が現在の台日関係は良好であるとの見方を示した。全体として、今回の結果は過去の調査結果と大きな差はなく、多くの日本人は台湾に対して良好なイメージを持っており、現在の台日関係の発展についても肯定的である。
調査によると46.2%が、選択肢に挙げたアジアの主要国の中で最も親しみを感じるのは「台湾」と答え、トップだった。
台湾と聞いて思いつくことは何かの質問には(複数回答可)、「日本に友好的」が74.8%で最も多く、次いで「食べ物がおいしい」45.0%、「日本と歴史的なつながりがある」36.8%、「観光地が豊富」30.7%の順だった。その後に、「台湾有事」24.5%、「半導体産業が世界に注目されている」23.9%が続いた。
台湾に対する親しみについては、76.6%が台湾に「親しみを感じる(計)」(「親しみを感じる」+「どちらかというと親しみを感じる」)と答えた。その理由は(複数回答可)、「台湾人が親切、友好的」が最も多く、次いで「歴史的に交流が長い」、「経済的な結びつきが強い」と続いた。
台湾に対する信頼については、65.0%が台湾は「信頼できる(計)」(「非常に信頼できる」+「信頼できる」)と答えた。その理由は(複数回答可)、「日本に友好的だから」が最も多く、次いで「自由・民主主義などの価値観を有している」、「歴史的なつながり」、「平和な国だから」と続いた。
台日関係については、72.8%が現在の台日関係は「よい(計)」(「よい」+「どちらかといえばよい」)と答え、59.1%が将来の台日関係は「発展する(計)」(「発展する」+「ある程度発展する」)との見方を示した。
台日間で最も懸念される問題については、「台湾海峡情勢(台湾と中国との関係)による日本への影響」(44.4%)が最も多く、その後に「領土問題」(8.5%)、「歴史問題」(7.3%)、「経済面での競合関係」(6.8%)が続いた。「福島第一原発の処理水の海洋への放出に関する問題」は4.8%だった。その一方で、20.9%が「ない」と答えた。
近年、テレビ・ラジオ番組、新聞・雑誌またはネットニュースなどで台湾に関する報道を見たことがあるかの質問には、69.1%が「見たことがある(計)」(「よく見る」+「ときどき見る」)と答えた。その中で、強く印象に残った報道については(複数回答可)、「中国が台湾周辺で軍事演習を実施したこと等の台湾海峡情勢」が72.5%、「台湾の半導体産業(TSMC等)に関する動向」が38.1%、「台湾のグルメ」が25.9%だった。
今回の調査では、日本人に「『台湾海峡の平和と安定』のために重要なことは何か」についても質問したところ(複数回答可)、「外交や対話による協調」が57.0%、「日米台の連携の構築」が37.1%、「台湾の防衛力の強化」が26.6%、「日本の防衛力の強化」が26.4%、「米国が台湾の防衛に積極的にかかわること」が26.0%、「EUをはじめとする世界有志国の連帯」が25.7%、「日米同盟の強化」が17.6%だった。
今後台日双方で力を入れて行うべき交流の分野については(複数回答可)、「経済」が56.8%で最も多く,次いで「観光」が55.1%、「政治、安全保障」が43.3%と続いた。
来年1月に行われる台湾総統選に関心があるかどうかの質問には、「大いにある」が14.0%、「ある程度ある」が49.5%、「ない」が36.5%だった。
今回の調査は2023年10月30日~11月1日に、20歳~89歳の日本人を対象に、全てインターネット調査形式で実施した。標本数は1,000人。
【台北駐日経済文化代表処 2023年12月18日】